https://android-developers.googleblog.com/2021/10/12L-preview-large-screens.html
米グーグルは開発者向けイベント「Android Dev Summit」にて、折りたたみデバイスや大画面デバイスにカスタマイズされたモバイル向けOS「Android 12L」を発表した。今後さまざまな製品に搭載されるであろう同OSには、どのような使い勝手を向上させる工夫が施されているのだろうか。
大画面向けの専用UI
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Android 12Lでは通知やクイック設定、ロックスクリーン、概要、ホームスクリーンなどが、大画面向けに最適化されている。例えば通知シェードやロックスクリーン、システム画面にて2列レイアウトを採用。大画面デバイスではさらに多くの情報が表示できる。
タスクバーも再設計され、ドラッグ&ドロップ操作でお気に入りアプリをすぐに切り替えられる。またアプリサイズの変更があるなしに関わらず、すべてのアプリが自動的に画面分割モードに移行できるようになる。
大画面表示に対応しないアプリを動作させる互換性モードでは、レターボックス表示におけるビジュアル面と安定性が向上。このレターボックス表示はデバイスメーカーが自由にカスタマイズできる。
開発者支援も充実
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このような大きなOSのインターフェイス変更の際には、サード開発者によるアプリの最適化が不可欠だ。Android 12Lではアプリケーションを開発するためのAPIやツール、ガイダンスも発表され、開発者はこれらを試してアプリが正しく表示されるかどうかを確かめられる。
小さな画面と大きな画面の両方でアプリがきれいに動作するように、UIのスケーリングの設計に役立つ新しい「Material Design」のガイダンスも提供される。アプリ開発ツールの「Android Studio」も、それぞれの画面サイズに合わせたデザイン設計をサポートする。
なおAndroid 12Lはスマートフォンにも対応しているが、その新機能のほとんどは小さな画面では表示されない。まさに、折りたたみスマートフォンと大画面タブレットをターゲットにしたOSだということがわかる。
増え続ける大画面デバイス
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グーグルによれば、この1年間でAndroidタブレットのアクティベーションは前年比20%増の1億台近くに達し、また折りたたみデバイスも265%も伸びているという。このような状況で、大画面デバイスや折りたたみデバイスへと対応するOSへの需要が着実に高まっていた。
グーグルはすでにAndroid 12Lの開発者プレビュー版の配布を開始しており、正式版は2022年初旬にリリースされる予定だ。一般ユーザー向けには対応アプリが見つけやすいように、Google Playに変更がくわえられる。
サムスンが折りたたみスマートフォン「Galaxy Zシリーズ」を次々と投入し、盛り上がりをみせる折りたたみスマートフォン市場。グーグルからも、折りたたみPixelスマートフォンが登場するとの噂もある。Android 12Lはそんなスマートフォンの進化の最前線にて、なくてはならないプラットフォームになることだろう。
文/塚本直樹