日本国内のワイン市場が活況を呈している。キリンホールディングス傘下の国内大手ワインメーカー・メルシャンの調べによると、消費数量は10年間で約1.5倍に、平成元年(1989年)比では3倍以上に拡大しているという。詳細は以下の通り。
■消費数量※1は平成の30年間で3倍以上に。令和の時代にはワインが日常に定着。
・2019年のワイン消費数量は、前年並みに推移し、10年前と比較すると約1.5倍に拡大した。さらに、平成元年(1989年)比では3倍以上に拡大している。赤ワインの爆発的人気により、大きな消費を生んだ第6次ワインブーム(1997~98年)の消費数量を超えて着実に伸長している。
■課税(出荷)数量※2は10年間で約1.3倍に
・2020年課税(出荷)数量は国内ワインが5.4%増加した一方、輸入ワインが12.3%減少し、合計で前年を6.7%下回った。課税数量は、10年前と比較すると約1.3倍に拡大した。
■スティルワインの輸入数量※3は、国別ではチリワインが6年連続第1位に、欧州産ワインの構成比は約6割
・2020年は、6年連続でチリワインの輸入量が、国別輸入数量第1位となった。
・2020年輸入スティルワインの構成比は、輸入量1位のチリワインが約3割を占め、2位フランス、3位イタリア、4位スペインなどを含めた欧州産ワイントータルでは約6割を占めている。
■スパークリングワインは外出自粛の影響を受け、輸入数量※4は前年比約2割減。10年間で約1.5倍に拡大
・2019年2月に日欧EPAが発効となり、ワインの関税が撤廃となったことで2019年はEU加盟国産ワインの輸入量が増加したが、2020年はその反動と外出自粛に伴う飲食店での需要減などにより輸入数量合計は前年比81%となった。
・一方、10年前と比較すると、スパークリングワイン輸入数量は約1.5倍に拡大した。国別輸入量第1位は、日本でも人気がある「シャンパン」の生産国でもあるフランスで、全体の約36%を占めている。
■日本産ぶどう100%で造る「日本ワイン」の出荷量は2014年からの5年間で約6%増
・国税庁調査※5では2020年3月現在の国内のワイナリー数は369場で、前年より38場増加した。
・日本ワインの国内のワイン流通量の構成比はわずか5%で、2019年の日本ワイン出荷量は前年比約5%減となった。出荷数量は2014年と比較すると約6%増となった。今後のさらなる成長も期待される。
※1 国税庁発表の消費数量実績。課税数量とは異なる。
※2国税庁発表の課税移出数量実績。消費数量とは異なる。
※3 財務省関税局調べによる「ぶどう酒(2L未満)」の数量推移。
※4 財務省関税局調べによる「スパークリングワイン」の数量推移。
※5 国税庁「国内製造ワインの概況」
出典元:メルシャン
構成/こじへい