Amazonが展開する電子書籍Kindleを読むための専用端末『Kindle paperwhite』。Kindleは、通常の電子書籍の販売だけでなく、Amazonプライム会員なら追加料金なしで対象タイトルが読み放題の「Prime Reading」や加入すれば200万冊以上の本、漫画、雑誌、洋書が読み放題の「kindle Unlimited」など電子書籍のサブスクが充実しているので、そういったサービスを利用する読書家の人に愛用者が多いデバイスだ。スマホやタブレットなどのKindleアプリを利用するユーザーもいるが、最新の第11世代モデルは前モデルより大幅な機能強化がされて扱いやすくなった。その性能を実際に使ってみた。
IPX8等級の防水機能付きで、野外やお風呂など場所を問わずに読書が楽しめる
本体サイズは縦174㎜×横125㎜×厚さ8.1㎜、重量約205g。ストレージ容量は8GB。Wi-Fi接続でコンテンツなどのダウンロードを行なう。画面サイズは前モデルより大きくなった6.8インチ反射抑制スクリーンで解像度は300ppi。16階調グレースケールで紙のような読み心地のE-inkスクリーンは前モデルよりも最大設定で10%も明るくなった。容量サイズも一般的な書籍を数千冊収録できるので問題ないだろう。
『Kindle paperwhite』のパッケージは本体と充電用のUSBケーブルと説明書を封入。電源アダプタは入っていないので、充電はパソコンのUSBやスマホなどのUSB充電アダプタを使う。パソコンからのUSB経由で約5時間、9WのUSB充電アダプタ経由なら約2.5時間で充電できる。フル充電1回で最大10週間の利用が可能(明るさ設定13、ワイヤレス接続オフ、1日30分使用した場合)。本体がUSB-Cになったことで他のデバイスと充電器を併用できるので持ち運びもより便利になった。
本体の底部に充電中に光るランプとUSB-C端子と電源ボタンを配置。ほかにボタンや端末がないシンプルなデザイン。
本体裏面にはAmazonのロゴマーク。手に持った時に滑りにくいので、本を読む時も安定感があって扱いやすい。
表示される文字もくっきりキレイで反射も抑えているから目に優しくて読みやすい。ページ送りも20パーセントも早くなり、よりスムーズに読み進めることができる。タッチの反応もいいので操作していてストレスも少ない。
『Kindle paperwhite』シリーズとして初搭載された色調調節ライトは、スクリーンの色調を明るいホワイトから暖かみのあるアンバーへ調節できる機能。設定を変えてみるとはっきりわかるぐらい変化する。自分の好みの色調に調整すれば、文字をより読みやすくなる。ライトの設定を時間に合わせて暖色系に変化するようにスケジュール設定も可能だ。
カラーの雑誌も16階調グレースケールながら表現力が高いので読むことができる。小さい文字や写真も画面を拡大すれば見える。当然ながら雑誌などのカラーページを見たいならスマホなどのKindleアプリの方が読みやすい。
使っていない時のロック画面をいま読んでいる本の表紙に設定することもできる。読んでいる本を他人に知られたくない時は「表紙を表示」をオフにすれば、ランダムで用意された画像を表示してくれる。
昼間の陽射しの中でも画面の反射を抑えて見やすい印象。特に活字に特化して作られているので、小説などの文字は明るいところでも暗いところでも読みやすい。IPX8等級の防水機能付きで、野外やお風呂など場所を問わずに読書が楽しめるのも特徴だ。
スマホアプリで読むよりも大画面の『Kindle paperwhite』の方が活字が大きくて読みやすい。Wi-Fi接続は必要だが、読み進めたページを同期すればどのデバイスやアプリでも続きが読める「Whispersync」機能やスマホのKindleアプリを使ったクイック設定も可能。Amazonのアカウントを使って複数のデバイスを連携させて使えるので、併用することでより便利に活用できる。
軽量ボディなので手持ちしていても疲れにくいし、目に優しい画面なので長時間の読書にも対応できる。写真のように文字を白黒反転して使う「ダークモード」もあり、画面表示のバリエーションが多いのも電子書籍リーダーらしい特徴だ。UIの使いやすさを含めてKindleに特化したデバイスらしいメリットを感じた。デバイスの設定自体も簡単で、本を読んでいてわからない単語はタップするだけで辞書とウィキペディアから検索可能など便利機能も使いやすかった。Kindleのヘビーユーザーには必携のデバイスと言える。
取材・文/久村竜二