緊急事態宣言が解除され、1か月あまりが経過した。ワクチンの接種が進み、国内の新規感染者数が激減するなど、徐々に日常を取り戻しつつある。そんな中で、新型コロナへ人々が感じる不安・ストレス度はどう変わり、また、日々の行動にどのような変化が生じているのだろうか?
クロス・マーケティングではこのほど、新型コロナウイルスが消費者の行動や意識に与える影響の把握を目的として、全国47都道府県に在住する20~69歳の男女2,500人を対象に「新型コロナウイルス生活影響度調査」を第1回(2020年3月12日~13日)から定期的に実施。2021年10月の第24回は、10月1日の宣言解除から約1か月、東京都のリバウンド防止措置期間終了直前の10月22日~24日に調査を行い、人々の意識・行動について分析した。
新型コロナウイルスに対する不安・ストレス度
定点指標の「直近1週間の不安度」は9p減の28%、「将来に対する不安度」は7p減の43%といずれも過去最低値。 「直近1週間のストレス度」も、5p減の39%と減少。<図1>項目別の不安度も、先月よりほぼすべての項目において減少した。感染者数の大幅な減少より宣言解除へむかったことから、一気に不安度は低下した。<図2>
余暇時間・過ごし方
コロナ禍前と比べた余暇時間は、24%の人が「増えた」と回答。半年前の4月調査結果と同様な結果であり大きな動きはみられない。余暇時間を利用し、”直近1カ月間に行った外出先” と“今後行きたい外出先”を比べて差のあるものは「日帰り旅行」「映画館」「日帰り温泉/サウナ」「スポーツ観戦」「美術館・博物館」「水族館」であった。これらは緊急事態宣言発令中に利用人数や営業時間が制限されていた施設である。
同様に外出に伴う行動で直近1カ月の実態と今後の意向に差があったものは、「友人と会う」「アルコールを伴う外食」「家族に会う(帰省)」であり、自粛を強く求められていた人と会う行動であった。<図3>
余暇の過ごし方として“求めているもの”と“満足しているもの”を掛け合わせた結果<図4>をみると、求めていて満足しているものは「1人・自分だけの時間」「趣味を楽しむ時間」「食事を楽しむ時間」など家の中で完結できる行動。一方、求めているが満足していないものは、「友人・知人と会って過ごすための時間」である。
GoToトラベル・イート
昨年開始されたGoToキャンペーンの利用経験者は、トラベル、イート共に28%。 GoToキャンペーンが再開された場合の利用意向(とても+やや利用したい計)は、いずれも52%と半数越え。利用経験者のリピート意向は、9割と極めて高い結果である。利用しなかった人に限ると、利用意向は、非利用意向(まったく+あまり利用したくない計)と、ほぼ拮抗しており、GoToキャンペーンに否定的な人も一定数存在する。<図5>
余暇を充実させるために買いたいもの
余暇を充実させるために今後買いたいもの(自由回答)は、「家」や「車」をあげる人が特に多かった。家の中では、身体を鍛える、健康維持のための「トレーニング用品」「マッサージ器」、快適に過ごすための「ソファなど家具」や安眠のための「寝具」、家電では「テレビ」「お掃除ロボット」、外出用では、「国内外の旅行チケット」「キャンプ・アウトドア用品」などの声があがった。<図6>
<調査概要>
調査手法 : インターネットリサーチ
調査地域 : 全国47都道府県
調査対象 : 20~69歳の男女
調査期間 : 2021年10月22日(金)~10月24日(日)
有効回答数 : 本調査2,500サンプル
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合がある
出典元:株式会社クロス・マーケティング
http://www.cross-m.co.jp/
構成/こじへい