DIME MAGAZINE
犬は人間以上に歯垢がたまりやすく、歯磨きを怠ると口腔環境の悪化につながります。口腔環境に不安があるならば『犬用の歯磨きガム』を検討してみましょう。ガムを選ぶときは、愛犬の嗜好性や安全性を考慮して商品を選ぶ必要があります。
犬に歯磨きは必要？
「歯を磨こうとすると、嫌がって逃げる…」という犬は多いものです。できるなら歯磨きをせずに済ませたいところですが、愛犬の健康を思うのであれば、歯磨きは欠かせません。歯磨きをするメリットについて考えてみましょう。
口の中を清潔に保つことはメリット大
口の中の清潔さを保つことは、『愛犬を長生きさせること』につながります。生肉を食べる野生のオオカミは、歯磨きの必要がありません。歯茎までしっかりと肉が食い込むため、『食事すること』は『歯磨きをすること』でもあります。
一方、人間と生活を共にする犬は、加工されたドッグフードやおやつを食べています。歯垢の原因になりやすい成分が多い上、歯に食い込ませて食べる機会がほとんどなく、すぐに歯垢・歯石がたまってしまうのです。
『歯周病』が悪化すると、よだれや口臭がひどくなるほか、歯のぐらつき・出血・鼻炎などを引き起こします。内臓疾患や下顎骨の骨折にもつながるため、日頃から口腔ケアを怠ってはならないのです。
毎日朝晩の歯磨きがおすすめ
犬は人間よりも歯石ができやすいため、毎日朝と晩に歯磨きをするのが理想です。子犬でも1日1回の歯磨きは習慣にした方が良いでしょう。嫌がる場合は短時間で切り上げ、頻度を多くして慣れさせていくのがポイントです。
基本的に、歯磨きで使うのは『犬用の歯ブラシ』です。歯ブラシでのブラッシングに慣れない場合は、『歯磨きシート』『ガーゼ』『指サック歯ブラシ』を使って1本ずつ指で歯垢を落としていきます。
最も簡単なのは、『歯磨きガム』や『マウススプレー』ですが、これらはあくまでも補助ケアとしての位置付けで、歯ブラシの完全な代用にはなりません。
歯磨き代わりに犬用ガムを活用
(出典) photo-ac.com
歯ブラシが苦手な犬にとって、『歯磨きガム』は救世主のような存在です。しっかり噛んで食べることで、歯に付いた汚れが落ちやすくなります。歯ブラシとガムをうまく併用すれば、愛犬の歯の健康をキープできるでしょう。犬用ガムの使い方とメリットについて解説します。
手軽に始めやすい
人間用のガムは噛み終わった後に吐き出しますが、犬用ガムは、牛皮・豚皮・小魚・小麦・米粉・デンプンなどが原料です。おやつとして与えられるため、歯磨きが苦手な犬でも喜んで受け入れてくれるでしょう。
ガムを噛むことで歯垢・歯石が落ちやすくなり、口臭が軽減されます。さらに、唾液分泌が促され、口内細菌の増殖も抑えられるでしょう。
ただし、犬用ガムを与えているからといって、歯磨きを省いて良いわけではありません。犬用ガムでは汚れを完全に落としきれないため、できるだけ歯ブラシを使うのが理想なのです。
しっかり噛ませると効果的
歯磨きガムは、歯に食い込ませてしっかりと噛ませることに意味があります。おやつのように与えると、よく噛まずに飲み込んでしまうため、飼い主がガムを手に持ったままで噛ませるのがポイントです。
上顎の第4前臼歯は、食べ物を噛みちぎるときに使う歯で、別名を『裂肉歯（れつにくし）』と呼びます。汚れが付きやすい歯なので、しっかりとガムが当たるようにしましょう。横からガムを差し入れ、ゆっくり噛ませていきます。
ガムを与える頻度や容量は、ガムのパッケージに記載されていますが、歯磨きの補助ケアとして1日1本は与えたいところです。
犬用歯磨きガム選びのポイント
(出典) photo-ac.com
ペットショップや通販サイトでは、さまざまな犬用歯磨きガムが販売されています。歯磨き効果が最大限に得られるのは、どのようなタイプでしょうか？愛犬の健康を考えて、成分や原料にもこだわりましょう。
程よい硬さと弾力があるタイプがおすすめ
歯磨きガムは、繰り返し噛むことによって歯垢・歯石が落ちる仕組みです。『よく噛む』という点では、硬いガムの方が効果が高いと思われがちですが、ただ硬ければ良いというわけではありません。
骨のように硬いものは、歯に食い込まずに砕けてしまうため、歯磨き効果はあまり期待できないでしょう。歯の欠けやすり減りの原因になるほか、口の中が傷つく恐れもあります。
ガムを選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。
- 程よい硬さと弾力がある
- すぐにふやけない
- 素材が繊維状になっている
- 表面に凹凸がある
繊維素材が多いものは、噛む時間が自然と長くなります。ガムの表面に凹凸や溝があると、歯の汚れがこすれて落ちやすくなるのがメリットです。
犬の口に合ったサイズを選ぶ
ガムは『サイズ選び』が重要です。超小型犬には超小型犬用、中型犬には中型犬用といったように、どのメーカーでも複数のサイズを用意しています。
棒状や骨状のものであれば、横向きで噛んだとき、口の両脇から2～3cmはみ出る程度が理想です。口の形状は犬の種類によって異なるので、飼い主がしっかりチェックして、適当なものを与えましょう。
口のサイズに合っていないと、丸のみして喉に詰まらせてしまったり、口や歯を傷つけてしまったりする危険性が高まります。
原料の安全性をチェックする
毎日与える歯磨きガムは、おやつやドッグフード同様に『原料の安全性』にもこだわりましょう。
特に注意したいのが、『食物アレルギー』です。動物・乳製品・小麦などにアレルギーを持つ犬は意外と多く、知らずに与えると皮膚のかゆみや体調不良を引き起こします。
動物アレルギー（牛・豚・鶏）を持つ場合は、『植物由来のガム』を与えましょう。穀物アレルギーの犬には『グレインフリー』を選択します。
また、犬のおやつや歯磨きガムには、『合成添加物』が含まれている場合があります。含有できる上限値は『ペットフード安全法』で定められているため、健康被害の心配はありませんが、着色料や保存料は少ないものを選ぶのがベターです。
おすすめの犬用歯磨きガム
(出典) photo-ac.com
犬用の歯磨きガムは『食べるもの』です。ドッグフード選びと同様に、『原料の種類』『添加物の有無』『アレルギー成分』をよくチェックする必要があります。歯垢・歯石の予防効果については、第三者機関の審査をクリアしているかどうかが、一つの目安になるでしょう。
ビルバックジャパン C.E.T. ベジデントフレッシュ
『C.E.T. ベジデントフレッシュ』は、植物由来の原料にこだわった歯磨きガムです。コーンスターチ・グリセリン・大豆タンパクなどが主原料で、アレルギーを引き起こしやすい小麦・牛肉・乳は使用されていません。
歯垢・歯石をコントロールする効果は、米国の獣医歯科医師、歯科学研究者から成る審査機関『VOHC（米国獣医口腔衛生協議会）』によって認められています。
口腔内や腸内環境の健康をサポートする、ザクロエキス・イヌリン・エリスリトールが配合されており、「元気に長生きしてほしい」という飼い主に支持されています。
- 商品名：ビルバックジャパン C.E.T. ベジデントフレッシュ
- Amazon：商品ページ
マース グリニーズ プラス 口臭ケア フレッシュミント入り
『マース』は、米国に本社を構える大手食品会社です。『グリニーズ プラス』は、愛犬・愛猫のためのケアブランドで、日本で販売されている歯磨きガムは、日本の愛犬のために生産や試験が行われています。
『口臭ケア フレッシュミント入り』は、小麦粉や小麦タンパク、ゼラチン（豚由来）などの主原料に、スペアミントやペパーミントフレーバーを加えたすっきりタイプです。
ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、歯磨きと同時に不足しがちな栄養分が手軽に補えます。歯垢・歯石の蓄積をコントロールする効果は、『VOHC』のお墨付きです。
- 商品名：マース グリニーズ プラス 口臭ケア フレッシュミント入り
- Amazon：商品ページ
ナチュラルバランスペットフード ナチュラル チューイングボーン スティック
『ナチュラルバランス』は、米国最大の動物園『サンディエゴ動物園』に正式採用された米国のペットフード会社です。全ての原材料が自然由来で、ペットの健康を損なう恐れのある化学添加物は使用されていません。
『ナチュラル チューイングボーン スティック』は、牛皮100％から作られた純天然のガムです。良質なタンパク質がたっぷり摂取できる上、噛み応えがあるので、ストレス解消にもなります。
本製品のカロリーは、100g当たり346kcalです。牛皮はカロリーが高いため、与えすぎには注意しましょう。
- 商品名：ナチュラルバランスペットフード ナチュラル チューイングボーン スティック
- Amazon：商品ページ
ドギーマンハヤシ 無添加良品 体にやさしいガム くるくるミニスティック
『ドギーマンハヤシ』は大阪に本社を構えるペット用品の大手で、『ペットフードの無添加への取り組み』をいち早く始めたことで知られます。
歯磨きガムやおやつ類には、保存料・着色料・発色剤・酸化防止剤が一切含まれておらず、天然成分がふんだんに使われているのが特徴です。
『体にやさしいガム くるくるミニスティック』は、コーンスターチ・チキンミートパウダー・えんどう豆タンパクなどが主原料です。歯や骨の主成分である『ハイドロキシアパタイト（リン酸カルシウム）』のほか、ビタミン類やミネラル類がバランスよく配合されています。
- 商品名：ドギーマンハヤシ 無添加良品 体にやさしいガム くるくるミニスティック
- Amazon：商品ページ
構成／編集部
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