快適なイスを選ぶことは健康への第一歩
「人間は2足歩行の動物なので、座るという行為自体が、実はあまり適していないんです。特に長時間座り続けると、体にすごく負担がかかる。とはいえ、仕事、生活をするうえで、立ちっぱなしというわけにはいきません。だからこそ、快適なイス選びは重要です」と萩原健史さん。では、イス選びで押さえておくべきポイントは何だろうか?
「まずは可動性。座った時に同じ姿勢でずっといることが一番体に良くない。少し体勢を変えた時にそれに合わせて重心バランスを取ったり、骨盤が前傾したりすると、姿勢が固まりません。仕事用のチェアに、そうした機能が付いているか否か、確認しましょう」。
また、自分にとって快適かどうかも重要だという。
「人それぞれ体型も違いますし、心地よいと思えるポイントも違います。座面のクッション性や素材など、実際に座ってみて確かめてみることが大切です」
そして、最後に外せないのがデザイン。自宅のワークスペースにしても、リビングにしても、プライベートな空間だからこそ、好みのデザインならモチベーションも高まり、オンもオフも充足感が増すというのだ。
「確かに機能性に優れたチェアなら体の負担は軽減してくれますが、誰もが買える値段じゃないものも。自分なりの快適さとコスパ、そしてデザイン、その総合バランスで選んでほしいですね」
デスクワークの弊害
上位にランクインする症状は、あくまで体の不調を知らせる最初のサインにすぎない。Bauhutte調べ
からだリフォームコンサルタント
萩原健史さん
解剖生理学、運動力学、構造学などの理論と、5万人以上の施術体験から編み出したメソッドで、アスリートからも信頼される。YouTube『スゴレッチちゃんねる』も開設。
ワーキングチェア
座り心地は座面で判断。背もたれはあくまで休憩用
〝骨盤を立てて、座骨で座る〟、これがデスクワーク時の基本の姿勢。座った時に座面が硬すぎず、沈みすぎないバランスの良いものを選ぼう。「右の〝良い姿勢〟のように、作業をする際に背もたれは使いません。休憩する、思考を巡らせるなど、体勢を緩めてリラックスする時のためのものと考えてください」(萩原さん)。ハイバックタイプはもたれかかった時快適だが、低い背もたれなら、後ろに反ってストレッチに活用できる利点も。
20万円〜
1994年の発表以来愛される名品
ハーマンミラー『アーロンチェア』22万3300円〜
W685×H930〜1045×D460×SH(座面高)405〜520mm ※ミディアムサイズ
人体の運動理論に基づき設計された高機能モデル。体重を均一に分散させるため、座面と背もたれを8つのゾーンに横割りし、負荷がかかる場所に合わせて張り地強度が変えられている。メッシュ状なので空気循環効率も良い。
〈Hagiwara’s Review〉
前傾チルト機能付きで、胸を開いてやや前傾するという、最適な姿勢を取ることができます。
可動性抜群の仕事イスの理想型
ウィルクハーン『オフィスチェア ON175/7H』22万2200円〜
W700×H1220〜1400×D660×SH(座面高)400〜520mm
3次元シンクロメカニズム「トリメンション」が、座面と背もたれをスイングプレートで結合し、前後左右の動きと連動。座ったままでもダイナミックな動きが可能に。それでいて、重心はイスの中心にとどめてくれる。
〈Hagiwara’s Review〉
かがんだり振り向いたり、人間の自然な動きに追随してくれる柔軟性がすばらしい!
幅広の座面で贅沢な座り心地
天童木工『ワーキングチェア T-7321NA-ST』34万3400円〜
W662×H1200×D713×SH(座面高)460×AH(肘掛けの高さ)660mm
フレームには天童木工ならではの成形合板の技術を採用し、美しいラインを実現。ロッキング機能や上下昇降など、姿勢や体格にフィットする機能も備える。張り地は布地から天然皮革の中から、好きな色を選べる。
〈Hagiwara’s Review〉
高級感があって優雅な気持ちにさせてくれますね。思考を巡らせるのには最適です。
取材・文/坂本祥子
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