古書から復刻された「ミネラルホルダー」で鉱石や標本を美しく飾る
皆さんは何かコレクションしているものはありますか?
せっかく集めたコレクションは、できればきれいに飾って眺めたいと考えるものですよね。
というわけで今回は、鉱物・宝石・標本などを集めるのが好きな人必見。
SNS投稿から話題が広まり、クラウドファンディングで商品化された、「Mineral Holder(ミネラルホルダー)」をご紹介します。
「Mineral Holder(ミネラルホルダー)」
鉱石のコレクションが飾られているのは、「Mineral Holder(ミネラルホルダー)」と名付けられた標本ケース。
古いドイツの書物を参考に、ジュエリー職人の手によって復刻されました。
中に飾るものは鉱物や鉱石、宝石や化石、貝やアンティークのボタン、ガラス玉など何でもOK。大切なコレクションを雰囲気たっぷりにディスプレイできます。
まるで何百年もそのまま飾られていたかのような佇まいは、映画や物語に出てくる魔法のアイテムのひとつのようです。
紹介されたツイートを見た人たちからは「完璧なディスプレイ方法」「神秘的なたたずまい」と称賛の声が集まり、「ぜひ購入したい」「どこで販売されてますか?」とすぐに話題が広まりました。
その後、クラウドファンディングによって商品化が実現し、コレクターたちの手に届けられることとなったのです。
古い物を復刻させる
ミネラルホルダーの作者は、広島の工房 strangeworksでジュエリーのリペアや製作をされている井上靖康(@strangeworks_jp)さん。
宝石に関する古書を読み漁っていた際に、木台から伸びた細い金属に飾られた宝石の版画を偶然見かけて欲しいと思ったのがきっかけだったそう。
ネットで検索しても情報が見つからず、無いなら自分で作ろうと考え製作に至ったのだとか。
「本で見た形をそのまま製作しようと思ったのですが、版画で書かれていたものは鉱物や宝石を細い金属で挟んだような作りでした」
見えない部分を想像しながら作ったサンプルは、自分で使う分には問題はないものの、誰でも同じように挟んで使うことができるかと考えると疑問が残るものだったそう。
対象物を傷つけたり壊してはいけない、あまりごちゃごちゃしてしまうと美しくない、支える足はただの棒ではなく曲線のデザインで…
など、彼のこだわりは細部に渡りました。
試行錯誤の末、物を挟むのではなく簡単に皿の上に乗せる方法に切り替え、数種類の標本を飾れるように高さの違うパーツを考案。
真鍮、木、ガラスという経年しても味の出る素材を使用し、十年後、百年後に出てきても眼を惹くようなデザインを意識して、約2週間〜3週間かけて理想の形に仕上げられたということです。
現在はクラウドファンディングのリターン品を製作中ですが、納品が全て終わり次第、ミネラルホルダーの一般販売も視野に進めているのだとか。
「仕事柄、修理やリメイクなど、物を直したり物を受け継いでいけるよう手を加えることをしていますので、自分に合っていたのだと思います」と、古い物を復刻させることへの思いを語ってくれたのでした。
※画像は全て井上さんのツイッターより引用
■strangeworks 井上靖康さん
海と山に囲まれた広島の工房でオリジナルジュエリーの製作や修理、リペアなど行っています。 安田女子大学造形デザイン学科非常勤講師。
■ツイッター https://twitter.com/strangeworks_jp
■インスタグラム https://instagram.com/nobuyasu_inoue/
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.