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「iPhone 13」を脅かす1型センサー「Xperia PRO-I」と独自チップ搭載「Pixel 6/6 Pro」のポテンシャル

2021.11.10

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はこの秋冬に登場予定の新型スマホについて話し合っていきます。

※新型コロナウイルス感染拡大対策を行っております

「Xperia PRO-I」は1インチセンサーの弱点を克服

房野氏:ソニーが像面位相差AFを備える1インチのイメージセンサーを搭載した「Xperia PRO-I(プロアイ)」を発表しましたね。

房野氏

石川氏:ソニーが1インチのセンサーを作っていて、なぜXperiaに搭載しないんだとずっと思っていた。「AQUOS R6」でシャープに先を越されたなと思っていたら、ついに、満を持して投入してきた。説明を聞いたけれど、よく考えられていると思いました。同時に発表されたVRゴーグルの「Xperia View」はどうかと思ったけど。「Xperia 1 III」のSIMフリー版も発表されたけれど、キャリア版の発表の時に出してよと。

AQUOS R6

Xperia View

Xperia 1 III

石川氏

石野氏:Xperia Viewは、値段は高いのに性能が微妙なんですよね。

石野氏

石川氏:なぜ今、スマホのVRをやるんだと。PRO-Iに関しては度肝を抜かれました。

石野氏:Xperia Viewをフォローしておくと、Xperiaの4Kディスプレイを活かせるのはVRゴーグルくらいしかない。

石川氏:もうちょっと早く出せば良かった。

石野氏:「Xperia 1」の頃に出していれば、もうちょっと違った。4Kが生きるっていう話になったかもしれない。

今回のXperia PRO-Iは、PROモデルの位置付けがズレているんですけどね。前の「Xperia PRO」はBtoB、放送事業者とかに向けたプロ用モデルだったんですが、今回はどちらかというと、ファーウェイとかiPhoneとかのProモデル、コンシューマ向けの中でのProモデルに近づいている。AQUOS R6や「Leitz Phone 1」のオートフォーカスが遅いとか、シャッターラグが多いとか、この座談会で指摘された部分も、基本的にセンサーで改善しています。

Xperia PRO

Leitz Phone 1

法林氏:ソニー自身が作っているセンサーだからね。

法林氏

石野氏:まぁ、そうなんですよ。

法林氏:それ用に作ったセンサーなので。旧ソニーセミコンダクタの中のセンサーを作っている部署に、ソニーのグループ内製品のための開発チームがあると言われている。そこで先行して開発されていたものが用意できていたと。

石野氏:象面位相差AFの中にAF用のフォトダイオードを組み込む仕組みに対応しているんですよね。

法林氏:シャープはそれが出てくるということを知らないから。

石川氏:ちょっと前の話では、ファーウェイが新開発のセンサーを使うんじゃなかったのか、という噂もありましたね。結局、Xperia PRO-IはRX100III向けのセンサーのようですが。

石野氏:あー……

法林氏:もしかすると、ファーウェイ向けは生産量を見込めなくなったので、会社としてはそっちのチームを見直して、人的なリソースを割り振ったのかも……。

石野氏:解散するでしょうね。

法林氏:そうすると、当然のことながら、自社グループ内向けの開発チームが強化されるでしょうね。像面位相差AFをスマホに載せてきたのはすごいと思う。

石野氏:あと、絞りが可変(F2.0/F4.0)になったのも、1インチセンサーの弱点をわかっているなと。

法林氏:そりゃデジカメを自分のところで作って販売していて、センサーから全部自分のところで作っているので。足りないものを足したという感じで、強みを活かしている。逆に言うと、素の1インチセンサーを買って作ったシャープは、それはそれですごい。シャープの企画担当者が「周りの回路から何から、全部作らなくてはいけなかった」と言っていたけれど、それはそうでしょうと。

石川氏:ある意味シャープはすごいなと。

石野氏:ただ、Xperia PRO-Iは値段が結構跳ね上がってしまっている。

房野氏:ソニーストアで19万8000円。Leitz Phone 1(ソフトバンクで総額18万7920円)と同じくらいですね。

石野氏:Leitz Phoneはブランド代が……

法林氏:ライカ代とソフトバンク代が載っているから(笑)。実際はAQUOS R6と同じくらいか、ちょっと高いくらいの値段で作れているはずなので。

石野氏:そう考えると、1インチセンサーが載ってこの値段のAQUOS R6(11万6000円から13万4000円前後)は安いですよね。

法林氏:これで3つ目の1インチセンサー搭載スマホが出た。かつての「LUMIX DMC-CM1」を加えれば4つ目。ということは、来年のハイエンドスマホのカメラは1インチ戦争になってくるんだろうなという気がちょっとしました。

石野氏:僕はスマホに素で載せるには、まだちょっと大きい気がするんですが。

法林氏:Xperia PRO-Iに載ったものが外販されるようになれば……採用するメーカーがあるかどうかは別だけど。シャープはたぶん、「同じセンサーで作らせて」って言いそうだけど。

石川氏:ファーウェイ向けに作ったものだったとすると、たぶん、相当な台数が作れる。それだけ売ろうと思っているはず。

法林氏:根拠は全くないけど、将来出るかもしれない「AQUOS R7(仮称)」にそのセンサーは載るのか、みたいなことを思うかもしれない。Galaxyは自前のイメージセンサーがあるので、それを使うと思うけど、ソニーと仲の良いOPPOとかはやってくる可能性がある。

石野氏:そうですね。

法林氏:“Find X4”とかに、やってくるかもしれない。

石野氏:iPhoneもどうなるかわからないですよね。カメラのセンサーをどんどん大きくしているから。

法林氏:iPhoneはそっちの方向に向いていないでしょう。センサーは大きくしていると思うけど、ちょっと方向性が違うかなと思う。イメージセンサーのパワーで勝っていこうという方向にはあまり見えない。画像処理を含めたプロセッサの力でなんとかしていきたいというのがiPhoneの方向性なのかなと思っている。

石川氏:結局、両立のような気もする。AQUOS R6が典型的ですけど、AIもやりつつ、物理的な大きさも求める、みたいな感じになるような気がしています。

石野氏:1インチにしたところで、HDRとかはできないわけで。

法林氏:センサーが大きいというのは、受光するエリアが広いということでしかない。1インチセンサーを搭載したから、必ず写真がきれいという話ではない。望遠レンズも画像処理のエンジンもそうだけど、ウェイトのかけ方が、みんなちょっとずつ違っている。センサーにウェイトをかけたのはLeitz Phone 1やAQUOS R6。それに対して、レンズも含めた性能を求めてきたのがXperia PRO-Iだと思う。

石野氏:ソニーのアンサーみたいな感じがして、しびれましたね。

法林氏:以前、岸田さん(ソニー 執行役員常務 岸田光哉氏)が「絶対負けませんから!」って言っていたけれど、これのことだったんだなと。

石川氏:そうそう。「シャープに1インチセンサーのスマホを先に出されましたけど?」って聞いたら、「絶対負けないから」と。でもシャープには販売台数で負けてるし、とも思いましたが……早く岸田さんに会いたいな。

石野氏:そうですね。「どやっ!」ってなるかな(笑)

法林氏:プレミアムラインで勝っていかなかったらソニーの存在意義はないので。

石川氏:ソニーの戦えるところに持ってきたという印象。ソニーはテレビもデジカメもプレミアムラインで、台数が少なくても儲かるビジネスモデルになっている。Xperia 1 IIIのラインだと、キャリアの端末割引は大幅に減って戦いにくくなって、iPhone一人勝ちの中で、さらにその上で勝負し始めているところだと思います。説明会でははっきり言われていなかったけれど、Xperia PRO-Iはデジカメ売り場にも置かれるだろうし、そうなってくるとデジタル一眼カメラ「α」を使っている人が買うことになってくるだろうし。岸田さんは「αの横にXperiaを置きたい」という話をずっとしていたので、たぶん、そういう方向性になるんだろうなという気がします。

法林氏:やっぱり入り口は静止画なんだというのがすごく興味深い。iPhoneは一応「フォトグラフスタイル」をやっているけれど、「動画に持っていきたい感」がすごくする。ちょっと方向性が違うんだと感じました。

石野氏:Xperia PRO-Iは、Vlogモードというか「Videography Pro」を搭載しました。「Cinematography Pro」はプロ過ぎるってことを、みんなで散々訴えかけてきて、ようやく使いやすい動画撮影機能が載った。Videography Proは少なくとも次のXperiaには間違いなく採用されるでしょうね。下手したらアップデートで既存モデルにすぐに入ってくる可能性もある。

石川氏:アクセサリの「Vlog Monitor」で、1インチセンサーで自撮りができる。「VLOGCAM」とかで使われているシューティンググリップ(GP-VPT2BT)が使えて、マイクも使える。

房野氏:もう、動画配信もする石川さんのためのツールですね(笑)

石川氏:いや、ほんと、あれはいいと思った。ソニーはVLOGCAMも結構成功しているようなので、Vlogの市場を獲っていこうということで、Xperiaもそっちに入ってきていると思う。むしろ、デジカメチームがやっているVLOGCAMよりもそれっぽいというか。

石野氏:ネットワークにつながっているので、すぐ投稿できるし。

法林氏:ネットワークの親和性の高さは大きいよね。昔、LUMIXで散々死ぬ思いをしていた人たちがいる。カメラの中に通信モジュール入れるのは無理なんだってことは、よくわかる。カメラとスマホは設計が違うからね。

石野氏:そうは言いつつも、Xperia PRO-Iを普通のスマホとして使えるサイズに仕上げてきたのは偉いなと思いました。

石川氏:おサイフケータイが載っているし。

石野氏:普通のスマホとして使わせる気、満々で来た。すごく気合いが入っている感じがする。台数は出ないでしょうけど。

スマホにもプレミアムラインが生まれる?

石野氏:最近、20万円を超えるスマホも当たり前になってきたというか。高級コンデジみたいな、プレミアムスマートフォンというジャンルができているような気がする。

法林氏:石野君は「Galaxy Z Fold3 5G」を買っているからね。

房野氏:すごく小さな市場だという気がしますが。

石野氏:高級コンデジみたいな感じで、高級スマートフォンを流行らせたい。iPhoneも1TBモデルが出ているし、Xperiaもあの値段だし、Leitz Phoneも出ているし。

法林氏:そんなに売れていないから。たくさん売れているiPhoneは、iPhone SEだけだから。

石川氏:スマートフォン全体の1割しか売れていないと言われるプレミアムラインで、さらに単価を引き上げてくるっていうのは……

法林氏:方法論としてはある。

石川氏:お金を持っている人は、そういうものを買っているので。

法林氏:プレミアムラインのスマホは、クルマで例えるなら、「レクサス」みたいな売り方ですよ。

石川氏:そうそう。数としては軽自動車が圧倒的に売れている中で、「そうはいってもレクサスでしょ」っていう人が一定数いる。

石野氏:そうですね。

石川氏:そういう購買層に響くので、メーカーの個性が色々出始めてきて面白いなと。3万円、4万円のラインは、もうどれも同じようになっているけれど、高額モデルは個性を出してきて面白くなっている。

法林氏:もしかして、11万~12万円くらいのラインがなくなって、もっと高額な方に行ってしまい、下は3万円、5万円、7万円くらいのラインしか残らないかもしれない。

石川氏:「AQUOS zero6」が真ん中の上くらい。

AQUOS zero6

石野氏:正直、Snapdragon 888を搭載した普通のハイエンドって、もう別にいらないじゃないですか。

法林氏:700番台で事足りる。

石野氏:端末の価格も6万円とか7万円くらいに下げてほしいし。

房野氏:一般にはiPhoneのProモデルが必要ないというのと同じですね。iPhone 13シリーズで十分という感覚です。

石川氏:SNSに頑張って映像をアップしている人なんかはProになるだろうけど、一般的にはiPhone 13でいいよねって感じ。

法林氏:プレミアムラインの端末を作っていくのは面白いと思うし、iPhoneのPro/Pro Maxもいいと思うんだけど、「今のところできるのは、この端末の中だけですね」みたいな感じ。「M1 Pro」「M1 Max」の「MacBook Pro」とiPhoneを連携すれば、また変わるかもしれないけれど。そこが課題じゃないですか? アプリが少ないとか、端末内でしかできなかったりとかが。

石野氏:そうですねぇ。Galaxy Z Fold3を使っていても、タブレットに最適化されているアプリが非常に少ない。当然、さらにその中で折り畳みスマホに最適化されているものは非常に少ない。タブレット用のAndroid OSをいかにサボっていたかがよくわかる。

石川氏:Adobeもアプリを対応させる気がない。

法林氏:Chromebookの書籍を作った時に、みんなで色々調べたんだけど、Androidがいい加減なわけですよ。どんどん方針を変えているし、用語や表現も変わるし、相変わらず落ち着いていない。初期のAndroidの状態と同じ。

20万円が本当にいいかどうかという議論は別にしての話だけど、最大25万円まで出してスマホを買って良いですよと言われたとしたら、どれを買うのかちょっと考えますよね。20万円するGalaxyなのか、iPhone 13 Pro Maxの1TBなのか、Leitz Phone 1なのか、Xperia PRO-Iなのか。選択肢はそんなに多くないけれど、フェラーリとポルシェとなんとかがサーキットを走ったら、どれが速いでしょう、みたいな世界がちょっと見えてきた感がある。

石野氏:個人的には、カメラはもう、これ以上きれいになっても、あまりわからない。

房野氏:私ももう十分です。本当にきれいです。

石野氏:Galaxy Z Fold3 5Gも、カメラはそんなに進化していない。確か、去年の「Galaxy Z Fold2」とほぼ変わらないんです。でも、ご飯なんかを撮ってみたら普通に十分きれいに撮れる。

房野氏:ミドルレンジのスマホのカメラも、十分きれいだと思います。

Pixel 6/6 Proの評価は?

石川氏:高額端末が個性的になってきたという観点だと、Pixel 6シリーズはあまりパンチがない感じがするんだよな。

石野氏:「Pixel 6」は、結構安いですよね(Google Storeで7万4800円より)。

石川氏:Pixel 6 Proは11万円くらい(Google Storeで11万6600円より)。

法林氏:Pixel 6はAQUOS zero6と同じようなレンジですよね。

石野氏:独自開発の「Tensor」チップを積んでいて。

法林氏:テンサーって読むのね。数学的にはテンソルなような気がするんだけどな。

石野氏:「消しゴムマジック」機能とか、すごいなと。

法林氏:すごいね。サンプル映像が面白かった。

石野氏:父親に「高い高い」をしてもらっている子どもが、父親が消されて1人で飛んでいるような写真になっている。それは正しい写真なのかな、そこを消しちゃダメだろと(笑)。

房野氏:Proとノーマルの違いは大きいでしょうか。

石川氏:Pixel 6 Proはミリ波対応。

石野氏:あとはカメラ。ペリスコープの望遠カメラがProにはある。Tensorチップは共通なので、Googleのスマホとしての力を体感したいだけだったらノーマルでもいいなかと思います。

法林氏:何がしたいか、ですね。Pixelは売れていないとか、いまいちだとか、散々言われてきて、面白みはないかもしれないけど、今までの端末も、そんなに無理していない。値段がもう一息って感じだけど。

房野氏:Pixel 6/6 Proは、デザイン的には高級感が出ましたね。

石野氏:「高いものにはちゃんと高く見えるデザインを」と言い続けて、ようやくなってくれたのは嬉しかった。それと、今までは「機械学習を使って何ができますか?」みたいだったし、カメラばかりプッシュしてきた中で、今回は、音声認識や翻訳もオンデバイスでできるようになって、広げてきている。

石川氏:音声認識や翻訳はちゃんと日本語対応してきているし。

石野氏:そこは評価してもいいんじゃないかと。面白いなと思いました。

法林氏:Tensorチップの方向性がその辺なんだよね。「ローカルでできるだけ色んなことをやりましょう」という感じの方向があって、それに合わせた機能がちゃんと載ってきている。Googleは何でもクラウドだと思っていたけれど、そうでもないんだなというところが見えてきた。面白い取り組みだけど、それが果たして普通の人に通じるか。

石川氏:そうなんですよね。

石野氏:翻訳機能も普段はそんなに使わないですからね。

石川氏:外国人とメールのやり取りもしないし。

法林氏:英語のメールが来て、これは迷惑メールなのか海外からのプレスリリースなのかわからない、というよう場合でしか使う機会がない。

石野氏:海外からプレスリリースが来るので、ボタンをポンポンと押すだけで日本語に変換できるのは便利だなとか。ボイスレコーダーの日本語文字起こしにも対応したので、それもいいかなと。ちょっと新しい感じはしました。

石川氏:一般に広がればね……

房野氏:すごい技術を使った機能だとは思うんですが、あまり華々しい感じがしないんですよね。

石川氏:セキュリティもね。Tensorチップを積んでセキュリティ性が高いらしいけれど、すごいと言われてもピンと来ない。

石野氏:自分のスマホから情報が盗まれているんだったら響くんですけど、Androidスマホを使っていて、今までハッキングされたことがないのでね。

ドコモの2021-2022冬春モデルの注目モデルは?

房野氏:ドコモが2021-2022冬春の新商品説明会を、報道向けに開催しました。冬春端末のほとんどはメーカーからすでに発表されていましたが、新たにドコモが発表したのが、京セラの「あんしんスマホ KY-51B」と「らくらくスマートフォン F-52B」、「Galaxy A22 5G SC-56B」の3機種ですね。

あんしんスマホ KY-51B

らくらくスマートフォン F-52B

Galaxy A22 5G SC-56B(右)

法林氏:すぐではないけれど、2026年の3G停波に向けてコツコツと、巻き取れる人を着実に巻き取っていくための、いろんなメニューが必要ということ。ラインアップを揃えて、彼らとしては万全を期したい。ユーザー数が多いからね。らくらくホン・らくらくスマートフォンはドコモの名作シリーズだと思うけど、「らくらく」と付いているだけで買いたくないという人もいる。京セラのあんしんスマホは、ボタンも付いているしわかりやすいと。

石野氏:らくらく感はあんしんスマホの方がありますけどね。

石川氏:でも、やっぱりもう、キャリアがああいった発表会をやるのも限界なのかなと。

法林氏:ドコモ社内でも数年前から、大規模な発表会をやらずに、社内の展示スペースで少しずつ集めて、体験会をやってもいいんじゃないかっていう意見があったみたいですよ。

石野氏:あまり少しずつでもなかったですけど(笑)。まぁ、でも、そういう意味だとハイエンドモデルに華がないかなと。

法林氏:ブランドが立っているiPhoneとかは別だけど、今はハイエンドにみんなの目が向いていないから。上のモデルを買う人は限られている。

石川氏:いかに3Gケータイから巻き取っていくかが重要なので。

法林氏:絶対に逃したくない層だからね。一番、ドコモにとっておいしいところ。

石川氏:ARPUが上がる可能性がある層ですからね。

石野氏:auは見栄えのするラインアップを揃えていますよね。OPPOがあったり、Galaxy NoteでもUltraがあったりとか、チャレンジャーです。ソフトバンクは独占販売をやっている。一方でドコモは今の体制になってから、なんか地味だなと。森さん(ドコモCS 取締役副社長 森 健一氏)がプロダクト部長をやっていた時のイケイケ感は、どこに行ってしまったのかなと。

法林氏:そうね。ちょっとそれは感じましたね。

……続く!

次回は、楽天モバイルについて会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/房野麻子

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