独自の生産者ファースト戦略で会員数が1年で43倍に
旬の野菜や魚介類などを生産者がユーザーの自宅へ直送する産直通販サイトの中で、右肩上がりで実績を伸ばしているのが、ユーザー数が前年比43倍の50万人に達した、ビビッドガーデン運営の「食べチョク」だ。勢いを支える登録生産者数は5500軒、年間流通商品数も3万点を突破し、売り上げは前年比42倍に爆増。急成長の理由をユーザーと生産者双方が満足できるサービスのこだわりにあると同社は分析。
「生産者と直接つながる強みをトップに打ち出したホームページが、一般的な通販サイトとの明確な違いです。飽きないよう、ユニークなキャンペーンも頻繁に導入しています」(ビビッドガーデン 広報・下村彩紀子さん)例えば、「食べチョク コンシェルジュ」や「食べチョク フルーツセレクト」といった定期便でもファンを大量に獲得した。
生産者には、〝おせっかいなプラットフォーマー〟として、ユーザーとのやりとりからリピーターの獲得法まで手取り足取りサポート。学び合いの場として「食べチョク学校」も開催する。
「ユーザーへの丁寧なメッセージや、こまめな情報発信もファンを増やすポイントです。売れる情報を共有することでも売り上げのアップにつなげていきます」(下村さん)
約40の自治体との連携や、地域共同でネット販売できる「ご近所出品」機能によって高齢生産者の参加も後押し。「パートナーとして言うべきことはハッキリ言う」独自の生産者ファースト戦略で、味と販売面の質を維持し、5月には認知度、利用率、アクセス数、SNSフォロワー数などの6部門で、産直通販サイトNo.1を獲得している。
生産者の顔が見えるトップ画面で好感度と信頼性を高め利用に直結!
ECサイトは人気商品をトップ画面の目立つ場所に配置するのが常識だが、食べチョクでは生産者の顔やユーザーの投稿を特等席に表示。生産者とつながるサービスであることをアピールする。
EC販売をゼロから学べる学びの場
EC販売経験のない生産者専用にオンラインで売り上げ向上のノウハウを教える「食べチョク学校」。識者を招いた対談も人気が高い。
産直通販サイトで利用率No.1の定期便
ユーザーの好みに合わせてカスタマイズしたとれたて野菜の定期便(2980円~)。珍しい野菜や独自レシピなども売れる理由。
プラスαのおもてなしで人気の生産者
薄羽養鶏場さん
■ 飼料や水にもこだわった卵は辛口料理人も絶賛
高級飲食店や受賞歴のあるスイーツの材料に使われる品質勝負の卵を販売。「食べチョクアワード2020年」の畜産物部門で1位を獲得した。
ふく成さん
■ キリ番のおまけで知られ真鯛の切り身は6万個突破
とらふぐと真鯛の人気生産者。リピーターが多く開始1年で真鯛の切り身パックを6万個販売。注文回数のキリ番で付けるおまけや手紙も好評だ。
安曇野ファミリー農産さん
■ ブログやメッセージでも熱烈なファンをつかむ
ユーザーへの温かみのある丁寧なメッセージ返信や、心に届くブログでも有名なりんご農家。高い評価で食べチョクアワード1位に輝いた。
【繁盛店ヒットの方程式】
消費者と生産者のコミュニケーション施策を親身になってサポートし、固定ファンをつくる
取材・文/安藤政弘
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
DIME12月号の特集は「行列店に学ぶヒットの方程式」
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