ウォルト・ディズニー・カンパニーは10月14日(木)に東京・八芳園で開催された「APACコンテンツショーケース2021」にて、日本を含むアジア太平洋地域(APAC)で今後配信予定のDisney+(ディズニープラス)の新作ラインナップの紹介を行った。
2021年11月からディズニープラスの提供が開始される韓国、香港、台湾も含め、各地域のコンテンツ・クリエイターとの連携を深め、ドラマやコメディ、ファンタジー、ロマンス、SF、クライムサスペンス、ホラーといった実写シリーズから、バラエティ番組、ドキュメンタリー、そしてアニメと、幅広いジャンルの作品を取りそろえている。
この日に発表された日本オリジナルで制作されるコンテンツを、スペシャルゲストの登壇などイベントの模様を交えながら紹介したい。
『拾われた男』
個性派俳優・松尾諭が自らの波瀾万丈の俳優道を描いたエッセイを実写ドラマ化。一枚の航空券を拾ったことから始まる予測不可能な俳優としての道のり、運命的な恋人との出会い、そして兄を救うためのアメリカへの救出劇。不思議な縁で広がっていく人生の歩みを、主人公に仲野太賀、その恋人役に伊藤沙莉、主人公の兄役に草彅剛と強力な布陣で描き出すヒューマン・コメディだ。
イベントには、原作者である松尾諭をはじめ、メインキャストの3人も登壇した。仲野、伊藤、草彅からたびたび「松尾先生」と呼ばれるたびに「やめてくれよ!」と照れる松尾に会場からも笑いが起きる。主人公を演じる仲野は「まさか自分にこの話が来るとは全く思っていなかった。すごく不思議な気持ちで一杯です。松尾さんに怒られないように楽しく演じられたら」と抱負を語った。松尾とは普段から親交があるという伊藤は「君にやってほしい役がある」と原作者直々にオファーを受けた秘話を明かし、「原作の世界観を壊さずに表現できたら」と意気込んだ。
さらに、草彅は「僕も松尾くんの電話番号を知っているんですけど、一度もかかってきたことがない」と松尾“先生”を茶化してみせるなど和やかな空気に包まれた。自身のエッセイがドラマ化されるということについて松尾は「浮かれるとろくなことがないと思うんですが、今もすごく浮かれています」と率直な感想を明かしていた。配信は2022年を予定している。
『ガンニバル』
『週刊漫画ゴラク』で2018年より連載中の二宮正明が描く人気コミックを原作に、世界的巨匠ポン・ジュノにその才能を認められた監督・片山慎三、『ドライブ・マイ・カー』でカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した脚本家・大江崇允がタッグを組み、主演に柳楽優弥を迎えて実写ドラマ化。日本の山間の村「供花村」に赴任してきた駐在員が、一人の老婆の死から村の異常性に気付き、ある疑念にとらわれていく中、次々と事件が起こり村には排除の空気が満ちていく……という戦慄の“村八分”サスペンスだ。
イベントには片山(写真左)、大江(同右)が登壇し、それぞれ意気込みを語ったのに加えて、主演の柳楽からはビデオメッセージが。「いま集結すべき人たちと一緒に作品作りができることを喜んでいる。いろいろな国の人たちに観てもらえる機会がある。素晴らしい作品にしたい」と決意を新たにしていた。
©二宮正明/日本文芸社
『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』
最新の医療機器とオペ室を搭載した走る手術室「ERカー」で事故・災害・事件現場に駆けつけ、重症患者を救い出す最強の救命救急チームの活躍を描く、鈴木亮平主演の医療ヒューマンドラマが、TBSとの特別な取り組みによりディズニープラスでの配信が実現。
©TBS
『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』
世界的に人気のイラストレーター、hukeのイラストを基に、音楽、フィギュアやゲームなど様々なメディアで展開してきた『BLACK★ROCK SHOOTER』を、全く新しいアニメーション作品としてリブート。脚本に『PSYCHO-PASS サイコパス』『バイオハザード:ヴェンデッタ』などヒット作を手掛ける深見真、監督に『グリザイア』シリーズの天衝を迎え、少女の人生を描く壮大なSFアクション大作だ。
©B★RS/ブラック★★ロックシューターDAWN FALL製作委員会
『サマータイムレンダ』
ウェブ漫画アプリ「少年ジャンプ+」で連載され累計1億3000万PVを誇る、田中靖規原作の漫画シリーズをアニメ化。日都ヶ島という小さな離島を舞台に、夏の日に繰り広げられるサスペンス。
©田中靖規/集英社・サマータイムレンダ製作委員会
『四畳半タイムマシンブルース』
原作は森見登美彦原作の『四畳半神話大系』の続編。暑い夏の日に繰り広げられるのはミステリー、SF、恋愛、コメディ、そしてタイムトラベル! 縦横無尽に駆け巡る青春と世界の存続を賭けたストーリーを、海外でも多数の賞を受賞するなど高い評価を受けるアニメスタジオ、サイエンスSARUがアニメ化。
©森見登美彦, KADOKAWA / 四畳半タイムマシンブルース製作員会
『ディズニー ツイステッドワンダーランド』
イベントの最後にはもうひとつサプライズが。アニプレックスによるディズニーの人気スマートフォンゲームがアニメ化することが発表された。具体的な内容はいまだ不明だが、女性ファンには絶大な人気を誇るコンテンツだけに今後の発表も注目される。
©Disney
新ブランド「スター」でディズニープラスがさらに充実!
また、「ディズニー」「マーベル」「スター・ウォーズ」「ピクサー」「ナショナル ジオグラフィック」の5つのブランドで構成されていたディズニープラスに、新ブランド「スター」が加わり、日本では10月27日より提供がスタートされることも紹介された。
スターでは、ディズニー・テレビジョン・スタジオ、FXプロダクションズ、20世紀スタジオ、サーチライト・ピクチャーズなど、ディズニーが誇る制作スタジオが手掛ける数多くの映画やドラマシリーズがラインナップに加わることになる。『ノマドランド』をはじめとする最新映画や、『デッドプール』『プリティ・ウーマン』『タイタニック』『プラダを着た悪魔』などの名作や大ヒット映画、『ウォーキング・デッド』最終シーズンを含めた全シーズンに『glee/グリー』『24 -TWENTY FOUR-』といった大人気海外ドラマなど、その広範なラインナップはこれまでのディズニープラスとは一線を画するものとなっている。
Disney+(ディズニープラス)公式サイト disneyplus.jp
利用料金:月額990円(税込)、Apple App Storeのみ1000円(税込)
「APACコンテンツ・ショーケース」©Disney
取材・文/小田サトシ