「ジェンダーレス制服」の導入背景に関する調査データ
近年、ファッション業界で「ジェンダーレス」という性別に関係なく着ることのできるファッションが注目されている。
この潮流は、学校制服においても見られ、男女兼用のブレザータイプの制服や、今までスカートのみだった女子制服にスラックスを導入する動きが増加している。
そこで菅公学生服は、「ジェンダーレス制服」がどのような背景で広がっているのか、全国の小中高校の教員を対象に、服装による「LGBTQ」の生徒・児童への配慮の現状や、学校での「LGBTQ」生徒・児童の把握状況、「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイルについて調査した。
服装による「LGBTQ」の生徒・児童への配慮の現状
小中高校の「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮の現状は、「服装による配慮をしている」(39.3%)、「今は服装による配慮はしていないが、今後予定している」(20.3%)をあわせると、約6割の学校でなんらかの服装の配慮を導入・検討中と回答。一方で、「服装による配慮はしていない」(40.3%)という学校も約4割ある。
Q.あなたの学校は、服装によるLGBTQの生徒・児童への配慮はされていますか。(単数回答)
※ グラフの数字は、小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。
学校での「LGBTQ」生徒・児童の把握状況
小中高校における「LGBTQ」の生徒・児童の把握状況については、小学校では、LGBTQの児童が「いる」(10.9%)だが、中学・高校では「いる」(中学校32.0%、高等学校31.1%、中高一貫教育校36.0%)が増え、学校が把握しているLGBTQの生徒・児童の割合が高くなる。
Q.あなたの学校には、LGBTQの生徒・児童は在籍されていますか。(単数回答)
※ グラフの数字は、小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。
「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイル
学校が考える「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うものは、「女子のスラックス制服の採用」(50.1%)が最も多く、次に「スカート・スラックス・リボン・ネクタイなど男女関係なく自由に選べるようにする」(36.0%)、「男女共通デザインのブレザー制服の採用」(35.4%)などがあげられた。
Q. LGBTQの生徒・児童への服装の配慮として良いと思うものは何ですか。(複数回答)
まとめ
文部科学省より、「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という周知資料が2016年に発表され、各学校では、服装、髪型、トイレなど対応の幅を広げている。
今回、全国の小中高校の教員1800人を対象に、「LGBTQ」の生徒への服装の配慮の現状を調べたところ、「服装による配慮をしている」(39.3%)、「今は服装による配慮はしていないが、今後予定している」(20.3%)をあわせると、約6割の学校が服装の配慮を導入・検討中のようだ。
「LGBTQ」の生徒・児童の把握状況は、小学校は約1割、中学・高校では約3割になり、小学校に比べ中学・高校で増加していることがわかる。学校が考える「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイルは、「女子のスラックス制服の採用」(50.1%)が最も多く、次に「スカート・スラックス・リボン・ネクタイなど男女関係なく、自由に選べるようにする」(36.0%)、「男女共通デザインのブレザーの採用」(35.4%)などがあげられている。
「LGBTQ」の中でも、特にトランスジェンダー(T)と呼ばれる自身の性別に違和を感じている生徒・児童は服装に悩みを抱えていることが多いことからの、「ジェンダーレス制服」の必要性は高まっているようだ。
今、学校制服は、生徒・児童一人ひとりが『自分らしく』、誰もが心地よく着ることのできる制服が求められている。
調査対象:全国の小中高校の教員 1,800人
調査方法:インターネットリサーチ
実施時期:2021年6月
https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/homeroom/vol189
構成/ino.