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皮膚科医に聞く「ヘパリン類似物質」が含まれる市販品の選び方

2021.10.28

医師処方の皮膚保湿剤に含まれているのと同じ成分「ヘパリン類似物質」を配合したクリームやローションが人気だ。多数の商品がある中で、どう選んでいけばいいか、皮膚科医に聞いた。また、現在もぞくぞく、新しい商品が登場している。どんな商品があるのかも押さえておこう。

医師に聞く!ヘパリン類似物質入り市販品の選び方

最近、「ヘパリン類似物質」という名前を耳にしたことのある人は多いのではないだろうか。ヘパリン類似物質は、医師処方のヘパリン類似物質含有医療用医薬品に含まれる成分として知られているが、近年、ドラッグストアで購入できる、市販の医薬品や医薬部外品、化粧品などにも含まれている。

一時期、そのヘパリン類似物質含有医療用医薬品美容目的で医師によって大量処方されているのが社会問題になったが、その後、各メーカーがその医薬品と同成分のヘパリン類似物質を配合した医薬品や医薬部外品などを発売し、女性の美容目的の保湿剤として人気だ。

これからの乾燥が厳しくなる季節、できるだけ保湿効果の高いものを選びたいものだが、たくさんの種類があり、選びようにも選べないのが現状ではないだろうか。そこで、皮膚科医でしのぶ皮膚科の院長である蘇原しのぶ医師に、選び方についてインタビューを行った。

【取材協力】

蘇原しのぶ氏
医師。東海大学医学部卒業後、北里大学皮膚科、獨協大学皮膚科を経て、2016年にしのぶ皮膚科開業。皮膚科・皮膚外科歴18年。ヒアルロン酸、ボトックス治療に造詣が深い。オールアバウト美と健康のガイドでもあり、執筆、テレビ、ラジオ、などのメディア活動も精力的にこなしている。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。

―最近は、ヘパリン類似物質が配合された市販品が増えていますが、保湿効果の高いものを選びたい場合、ヘパリン類似物質の量が多いものを選ぶのがいいのですか?

「ヘパリン類似物質配合の市販品は、0.3%配合のものが多いですが、たとえその量が増えても、ほとんど保湿効果は変わりません。ヘパリン類似物質というのは、皮脂欠乏性皮膚炎やしもやけの方に処方する塗り薬に含まれている成分で、血行を促進する作用があるものです。例えば血液の循環のよくない足先に塗ってマッサージをすると、よくなったりします。

ヘパリン類似物質は、保湿剤に入れると保湿効果が上がりますが、それよりも、保湿剤を選ぶときに見るべきなのは、テクスチャです。保湿剤には、油や軟膏、クリーム、ローションなど様々な形態がありますが、ベタベタしているものほど保湿力が高く、サラサラしているものほど保湿力が低くなります」

―見るべきなのは、ヘパリン類似物質のパーセンテージではなく、テクスチャなのですね。

「乾燥が強い場合、ベタベタしたタイプのほうがいいです。乾燥が少ないなら、サラサラしたタイプを。実際に使ってみて、使い心地がいいものを選んでください。あとは結果。少し顔につけてみて、試してみたらよくなったなどであれば良いと思います。他には、香りも大事でしょう。自分で使ってみて、良いと思ったものが良いです」

ヘパリン類似物質配合の市販品が多いが、それぞれにもテクスチャの違いがある。実際に使ってみて、保湿効果の違いを確かめたり、合うか合わないかを自分で確かめたりすることが大切だということが分かった。

市販のヘパリン類似物質配合の最新情報

ところで、近年、注目を集めている市販のヘパリン類似物質配合の製品だが、このほど、新しい製品がぞくぞく登場している。ここでは、ライターがリサーチして見つけた、新製品をピックアップして紹介する。

●matsukiyo「ヒルメナイド軟膏」

「ヒルメナイド軟膏」1,306円(税込)

マツキヨココカラ&カンパニーのプライベートブランドmatsukiyoの「ヒルメナイド」シリーズは、人気の保湿ケア商品だ。そのシリーズより、今年9月に「ヘパリン類似物質」と「白色ワセリン」含有の皮膚疾患薬「ヒルメナイド軟膏」(第2類医薬品)が発売された。

ヒルメナイド軟膏は、白色ワセリンをベースにヘパリン類似物質を配合した、高い保湿力と保護力を兼ね備えた軟膏タイプの保湿剤だ。

効果・効能は「手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、きず・火傷のあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、打身・捻挫後のはれ・筋肉痛・関節痛」となっている。

これからの季節の手足のあれやあかぎれなどにも良さそうな、全身に使える軟膏だ。

matsukiyoのヒルメナイドシリーズは、2018年9月から発売されてから、ぞくぞく新商品を出しているが、コロナ禍を経て、どのような状況なのだろうか。マツキヨココカラ&カンパニーの担当者にインタビューを行った。

「発売時からずっと、油性クリームの売上数がシリーズ内で圧倒的にNo.1です。油性クリームの発売当初は、クリームの基剤を、当時、OTC医薬品市場ではほとんどなかった『W/O型』での開発にこだわりました。W/O型のクリームは、O/W型のクリームに比べると塗った直後のベト付き感が強く、使用感としては使いにくさを感じる方が多いのが特徴です。しかしながら、発売当時、医療用医薬品のヘパリン類似物質含有製剤の約半数が油性クリーム剤形を占めていたため、油性クリームならではの使用感に着目し、この剤形での商品開発にこだわりました。それが結果的にお客様に支持していただき、今の実績につながっていると考えております。

コロナ禍においても新商品をリリースしてきましたが、売れ行きは順調です。マスクの使用が日常化し、例年とは違う肌の乾燥が気になる方が増えているのではないかと推測しております」

市販のヘパリン類似物質入り製品がどんどん増えている中、今後どのような戦略を考えているのか。

「ヘパリン類似物質含有商品の認知度、市場は拡大しており、保湿剤対策として『ヘパリン類似物質が含まれていること』で、選ばれる方が増えているのではないかと感じます。今後は、より多くの方の悩みにこたえられるよう、全身のさまざまな部位、乾燥の程度に対応できるラインアップ、使いやすさなどにこだわり、ラインアップを拡充していければと考えております。

療という視点においては、OTC医薬品を使っていただきたいですが、肌の健やかさを保つという視点においては、化粧品も選択肢の一つとして選んでいただけるようヒルメナイドシリーズのラインナップを増やしていきたいと考えております。

この点を踏まえ、ヒルメナイドシリーズのビューティーラインの第1弾として、化粧品である『ヒルメナイド薬用ボディミルクローション』を2021年11月16日に発売予定です」

●ライオン「フェルゼアプレミアム」シリーズ

(左から)
「フェルゼアプレミアム 薬用泡の化粧水」(医薬部外品)(販売名:フェルゼアプレミアム 薬用HPフォーム)希望小売価格1,848円(税込)
「フェルゼアプレミアム HPクリーム」「第2類医薬品/効能:乾皮症・小児の乾燥性皮膚)希望小売価格1,408円(税込)
「フェルゼアプレミアム HPバーム」(第2類医薬品/効能:乾皮症・小児の乾燥性皮ふ)希望小売価格1,078円(税込)

ライオンの乾燥肌治療薬ブランド「フェルゼア」から、顔などの乾燥を考えた「フェルゼアプレミアム」シリーズが、2021年9月に新登場。

医薬部外品の「フェルゼアプレミアム 薬用泡の化粧水」、医薬品の「フェルゼアプレミアム HPクリーム」、「フェルゼアプレミアム HPバーム』の全3品だ。

ライオンの「フェルゼア」ブランド担当者は、開発経緯やねらいについて、次のように話す。

「ライオンは、20年以上前にヘパリン類似物質配合の製品を発売していました。当時はまだ、ヘパリン類似物質の効果は、医療関係者など一部の人にしか知られていなかったため、発売した商品もなかなか日の目を見ることができませんでしたが、商品の良さから社内のファンがとても多かったのです。

そこで今回その知見を活かし、『顔などの乾燥〉ケアに着目したシリーズとして、治療効果のある医薬品とデイリースキンケアができる医薬部外品を両方ラインナップしご提案したいと考えました」

このシリーズは、どのような特徴があるのだろうか?

「“顔の肌”に着目して処方設計を行い、使用感にもこだわっています。 “顔の肌”は全身の中でも皮膚が薄いためバリア機能が弱く、乾燥しやすい部分です。そのような肌に対して『泡の化粧水(医薬部外品)』は、保湿有効成分のヘパリン類似物質と肌あれ予防成分※1を配合。繊細な顔の肌でも摩擦の少ない塗り心地で、すみずみまで塗り広げやすい“泡状”にこだわりました。
乾燥が進行している肌のための『クリーム』『バーム』(どちら第2類医薬品)には、ヘパリン類似物質の他、血行促進成分※2も配合しています。クリームはなめらかにのび広がる感触、バームはとろけて密着する感触など、1品ごとに使用感にもこだわって開発しています」

※1:グリチルリチン酸ジカリウム
※2:トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)

今後も、ヘパリン類似物質配合の製品は増えていくだろう。いろんなタイプのものが出ているが、実際に試してみて、自分に合ったものを選んでいくのが良さそうだ。

※本記事で紹介している商品は、すべてライターが独自にリサーチして掲載しているものであり、医師による推奨品ではありません。

取材・文/石原亜香利

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