コロナ禍のビジネスシーンで急速に普及したオンライン会議。わざわざオフィスに行く必要もなく、自宅にいながらにしてミーティングに参加できるため非常に便利だが、一方で、オンラインならではのストレスや不便を感じることもあるのではないだろうか?
そんな「オンライン会議に関する実態調査」がこのほど、オンラインコミュニケーション協会により、週に5回以上、社内のオンライン会議を行っているビジネスパーソン103名を対象にして実施された。
オンライン会議、半数以上が対面時に比べ「メンタルが疲労するようになった」と回答
「Q1.あなたは、社内会議がオンラインになったことで、対面で会議を行っていた時より「メンタルが疲労するようになった」と感じますか。」(n=103)と質問したところ、「非常にそう感じる」が26.2%、「ややそう感じる」が27.2%という結果になった。
「意思疎通がしにくい」や「会議が間延びする」などの理由によりメンタルの疲労を実感
Q1で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方に、「Q2.どのような場面で「メンタルの疲労」を感じますか。(複数回答)」(n=55)と質問したところ、「意思疎通がしにくい」が70.9%、「会議が間延びする」が61.8%、「対面より相手の表情を伺わないといけない」が60.0%という結果になった。
他にも、「カメラをオフにしているので、発言に対しての反応がわかりづらい」などの声も
「Q3.Q2で回答した以外に、「メンタルの疲労」を感じる場面があれば、教えてください。(自由回答)」(n=55)と質問したところ、「相手の表情が分かりにくく、相手の感情が読み取れず考え込んでしまい疲労を感じる」や「雑談がしづらく、本筋の話しかできないためアイデアの発散がしづらい」など43の回答を得ることができた。
<自由回答・一部抜粋>
・41歳:カメラをオフにしているので、表情が窺えず、発言に対しての反応がわかりづらい。
・43歳:相手の表情が分かりにくく、相手の感情が読み取れず考え込んでしまい疲労を感じる。
・33歳:雑談がしづらく、本筋の話しかできないためアイデアの発散がしづらい。
・50歳:顔色がわからないのは想像しすぎるので疲れる。
・41歳:生活との切り替えが大変。
・29歳:会話の間に間がありペースが掴みにくい、こちらの提案に対してどのように受け止めているかわからない、探り探りでの打ち合わせとなることが多い。
・35歳:報・連・相ができないメンバーが対面よりさらにできなくなる。
74.2%が対面会議時に比べ「コミュニケーションの質の低下」を実感
Q1で「もともと対面会議は行っていない」以外を回答した方に、「Q4.あなたは、社内会議がオンラインになったことで、対面で会議を行っていた時より「コミュニケーションの質が低下した」と感じますか。」(n=89)と質問したところ、「非常にそう感じる」が31.5%、「ややそう感じる」が42.7%という結果になった。
意思疎通しにくい」や「カメラやマイクがオフで相手の表情が見えない」などの場面でコミュニケーションの質の低下を実感
Q4で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方に、「Q5どのような場面で「コミュニケーションの質の低下」を感じますか。(複数回答)」(n=66)と質問したところ、「意思疎通しにくい」が68.2%、「カメラやマイクがオフで相手の表情が見えない」が59.1%、「アイデア/発言の量が減った」が59.1%という結果になった。
他にも、「話のタイミングが被ってしまう」や「発言しないひとはずっとしなくなる」などの声も
「Q6.Q5で回答した以外に、「コミュニケーションの質の低下」を感じる場面があれば、教えてください。(自由回答)」(n=66)と質問したところ、「話のタイミングが被ってしまう」や「発言しない人はずっとしなくなる」など46の回答を得ることができた。
<自由回答・一部抜粋>
・46歳:話のタイミングが被ってしまう。
・50歳:発言しない人はずっとしなくなる。
・40歳:相手が発した言葉に対して、こちらがアクションするのに遅れてしまうことがあること。
・22歳:雑談が減った。
・35歳:画面オフ時は参加してるかしてないかわからない。
・31歳:セッションができないので、相手の一方的な話をして聞くか、こちらが一方的に話すしかなくコミュニケーションがむずかしい
・33歳:活発な意見が出にくい時があると、そう思う
57.2%が、オンライン会議のカメラやマイクのオフが、「メンタル疲れ」や「コミュニケーションの質の低下」の要因と認識
「Q7.あなたは、オンライン会議において、カメラやマイクのオフは「メンタル疲れ」や「コミュニケーションの質の低下」の要因の1つとなっていると思いますか。」(n=103)と質問したところ、「非常にそう思う」が21.3%、「ややそう思う」が35.9%という結果になった。
カメラやマイクのオフについて、「気を使う上に管理も大変」などの声も
Q7で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方に、「Q8.そう思う理由を教えてください。(自由回答)」(n=59)と質問したところ、「気を使う上に管理も大変」や「カメラやマイクの質が低いと、コミュニケーションに影響を及ぼしていると感じる」など43の回答を得ることができた。
<自由回答・一部抜粋>
・35歳:気を使う上に管理も大変。
・33歳:カメラやマイクの質が低いと、コミュニケーションに影響を及ぼしていると感じるから。
・40歳:意思疎通が対面で話しているときと比べて、ペースがつかめないから。
・46歳:反応がないから伝わっているのかわからない。
・31歳:カメラをオフにしたい気持ちもすごくわかるけど、オンにしないとどんな反応なのか窺い知ることができない。
・50歳:表情をよみとる努力をする必要がある。
・41歳:なんとなくです。言葉では表現が出来ないかな。
■まとめ
今回は日常的にオンライン会議を行っているビジネスパーソン103名を対象に、「オンライン会議に関する実態調査」を行った。
まず、「オンライン会議」について聞いてみたところ、半数以上が「対面時に比べ、メンタルが疲労するようになった」と回答し、その理由として「意思疎通がしにくい」や「会議が間延びする」などの理由などが挙げられた。他にも「相手の感情が読み取れず考え込んでしまい疲労を感じる」や「アイデアの発散がしづらい」などの声も見受けられた。
また、オンライン会議になり、74.3%が対面時より「コミュニケーションの質の低下」を実感。理由として「意思疎通しにくい」や「カメラやマイクがオフで相手の表情が見えない」などの声が集められ、その他にも「話のタイミングが被ってしまう」や「発言しないひとはずっとしなくなる」などの声が見受けられた。
最後に「オンライン会議時のカメラやマイクのオフ」について聞いてみたところ、57.2%が「メンタル疲れ」や「コミュニケーションの質の低下」の要因になっていると回答した。
オンライン会議の通常化に伴い、オンラインコミュニケーションにおける「疲労感」や「質の低下」などの課題も出てきたのではないだろうか。オンライン会議時の細かい設定や所作の工夫一つが、オンライン会議の質を向上させるカギとなるだろう。
<調査概要>
調査概要:「オンライン会議に関する実態調査」調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年9月7日
有効回答:週に5回以上、社内のオンライン会議を行っているビジネスパーソン103名
出典元:一般社団法人オンラインコミュニケーション協会
https://onlinecommunication.jp
構成/こじへい