〝故人の好物〟を供えたいという思いが好調を底支え
コロナ禍において意外な成長を見せているのがロウソクだ。東京都港区にあるカメヤマキャンドルハウス青山店では、2021年の売り上げがコロナ前に比べ130%とプラスの勢いだ。
その要因として、コロナ禍で在宅時間が増えた結果、隠れた需要を掘り起こせたと執行役員の金指琢也さんは分析している。
「今まで保管したり飾ったりするだけだったロウソクに火を灯して使ってみたところ、炎に癒されてハマったというケースが多いようです。また、芸能人やインフルエンサーがキャンドルを使っている様子を見て、自分も欲しくなったと来店時に話される方を多くお見かけします」
その中で高い伸び率を見せているのが、企業との『コラボローソク』だ。『故人の好物シリーズ』の一種として売られており、一見本物と見分けがつかないほどの精巧なつくりが特徴だ。金指さんによると、カメヤマ公式オンラインショップでは2021年の売り上げがコロナ前に比べ160%だという。
「InstagramやTwitterに写真を投稿する方が増えたように感じます。普通のローソクとは違い、『コラボローソク』なら年代を問わず楽しみながら使えるのが強みですね。こうした要素も売り上げの一助になっていると思います」
現在、ペット需要の高まりを受けて、ペットフードとのコラボ商品を展開するなど今後を見据えた商品展開を行っているという。ロウソク業界の雄はSNS時代に新たなニーズを見出した。
線香『カメヤマ』×『大関』『井村屋』『日清食品』ほか
カメヤマキャンドルハウス青山店。コロナ禍で手作りキットなどの売り上げも伸びており、「インテリアとして注目されているのを感じます」(金指さん)。
『故人の好物』シリーズ売れ行きランキング
【No.1】ワンカップ大関ローソク 748円
大関株式会社のロングセラー商品『ワンカップ大関』とのコラボ商品。火を灯すと中のゼリーキャンドルが減り、まるで故人が飲んでくれているように見える。柑橘系の香り付き。
【No.2】井村屋あずきバーキャンドル 748円
昭和48年発売以降国民的アイスとして長く愛されている『あずきバー』形キャンドル。パッケージも中身もそっくりで、あずきの粒までリアルに再現されている。
【No.3】カップヌードルキャンドル 748円
発売50年で世界累計500億食を超えたカップ麺の代表格『カップヌードル』をまさかのキャンドル商品化。お馴染みのエビや〝謎肉〟が再現されており、本物に見間違えるほど。
カメヤマキャンドルハウス青山店
[住]東京都港区南青山4-25-12 [電]03・5656・1923
[営]11:00~18:00 [休]年末年始
【繁盛店ヒットの方程式】
ついSNSに投稿したくなる話題性の高いコラボ企画の実現
取材・文/桑元康平/すいのこ
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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