DIME MAGAZINE
「衣」だけでなく「食」や「住」もプロデュース
ここ1年、アパレル業界がプロデュース事業に本腰を入れ始めている。セレクトショップで知られるビームスは、昨年12月に法人向けサイト「BEAMS BUSINESS PRODUCE」を立ち上げた。ユナイテッドアローズも今年6月に「PRODUCED by UNITED ARROWS」を開始している。両社とも、年々増加するプロデュース事業への問い合わせに対応するため専門部署を立ち上げた。
また、問い合わせ件数の増加に伴ってアパレル企業への相談内容が多様化してきているという。
「もちろんアパレル関連の相談も多いのですが、近年はそれ以外のプロデュースも増えてきています。
例えば野村不動産と協力してマンションシリーズ『PROUD』の内装を監修しました。イメージした空間を作ることは、ショップの開店や運営に通じるものがあり、ユナイテッドアローズのこれまでの知見をプロデュースという形で他社に提供することができました。我々以上にクライアントがアパレル企業の可能性に期待をしてくれています。それに応えるため、アパレル事業にとどまらず〝衣食住〟のすべてをプロデュースしていきたいと考えております」（ユナイテッドアローズ開発推進課課長の岩野徳郎さん）
1976年に創業し、90年代からは多彩な異業種コラボを仕掛けてきたビームスにとってプロデュース事業本格化は自然な流れであり、法人向けサイトを開設した2020年下期の問い合わせは150件を超えるなど期待を実感しているという。
「出自が〝ライフスタイル〟の紹介なので、アパレルだけでなくライフスタイル全般をファッションとしてとらえる社風が脈々と受け継がれています。だからこそクライアントも多岐にわたる相談をしてくれますし、経験豊富な我々だからこそできるソリューションを提案するようにしています」（BEAMS BUSINESS PRODUCEプロデューサー・日高正幸さん）
アパレル業界でのノウハウが、新業態にも生かされている。
BEAMSがプロデュースした実例『大名古屋展』
中日新聞とタッグを組んで名古屋の魅力を発信した企画。ビームスがハブになり名古屋の企業を横断的につなげコラボを実現。
2020年の12月に新事業として『BEAMS BUSINESS PRODUCE』を立ち上げた。提案だけではなく実働まで担うためコンサルティングではなくプロデュースと位置付けている。
ユナイテッドアローズがプロデュースした実例（1）『PROUD』
野村不動産のマンションブランド『PROUD』の内装をプロデュース。空間をプロデュースするだけでなく、コンセプトに合わせた家具を制作した。
今年6月に法人向けのプロデュース事業を本格化するためにサイトを立ち上げた。「サイトの開設以後、多くの問い合わせを頂いています」（ユナイテッドアローズ開発推進課課長の岩野徳郎さん）
ユナイテッドアローズがプロデュースした実例（2）
『RE Apartment UNITED ARROWS LTD.』
リノベーション事業を展開するグローバルベイスと協力し、中古マンションの内装から家具製作に至るまでプロデュース。
【繁盛店ヒットの方程式】
事業化することでクライアントが問い合わせしやすい体制を構築する
取材・文／峯 亮佑
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取材・文／編集部
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