逆風を味方に始めた弁当・総菜が大ヒット!
東京・三軒茶屋の『食堂かど。』がオープンしたのは昨年6月。当初の予定を3か月後ろ倒ししての開業だった。
「オープン予定だった3月は緊急事態宣言直前。すでに飲食業界には暗雲が立ち込めていました。開店は一度見送るにしても、お披露目がてらテークアウトをやったらどうか、そんな発想から弁当や総菜の販売を始めたんです」
そう語るのは、オーナーの河内亮さん。同エリアにすでに3つの居酒屋を経営し、この店が4店舗目だ。
「もともと、ここはほかの3店舗のターゲット層以外の集客も目指していました。昼間にランチとカフェの営業をすることで、子育て世代やシニア層にも利用してほしいと思ったんです」
その思いは、試運転で始めたテークアウトですぐに結実。多い時で1か月の売り上げは700万円。客の半数はシニア層の利用だったそう。本開店までには、すっかり地元民の行きつけとなり、オープン後も好調を維持する。
住民が行き交う生活路の角に立地。表にはベンチを置いて縁側を設置。ガラス張りのオープンな店構えも集客にひと役買った。昼間は白の暖簾を掲げ、明るく入りやすい雰囲気を作る。
開業前のテークアウトも人気の呼び水に
縁側にずらりと並べられた弁当・総菜。お昼ご飯からちょい足しおかずまで、主婦にも単身者にもうれしいメニューが豊富。
ランチ後は『マルコーヒー』の屋号でカフェタイムに。夜は産直食材を使った和食ベースの街の食堂にシフトする。
メインの茶沢通りから一本入った立地も勝因。クルマ通りが少ない、地元民の抜け道に面する。
食堂かど。
[住]東京都世田谷区太子堂4-26-6 ヴィラ三軒茶屋1F [電]03・6450・9280
[営]テークアウト/11:30〜 昼の部/12:00〜15:00 夜の部/18:00〜22:00(平日)、12:00〜21:00(日曜・祝日。終日夜の部営業) [休]不定休
【繁盛店ヒットの方程式】
居住区に密接した立地を生かした地元密着型の店づくり
取材・文/坂本祥子
DIME12月号の特集は「行列店に学ぶヒットの方程式」
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