マンスプレイニングとは、男性が女性に対し、聞いてもいないことを上から目線で説明することをいいます。女性を下に見ている男性は少なくありません。不快な思いをしないために、女性が知っておきたいマンスプレイニングの意味や、適切な対処法を解説します。
マンスプレイニングとはどういう意味?
「女性だから」というだけで、相手を下に見ている男性が身近にいると、話をしていただけで不快な思いをすることがあります。
『マンスプレイニング』という言葉について解説します。
男性が女性に上から目線で説明すること
マンスプレイニングとは、男性が女性に対し、上から目線でものを説明することをいいます。
「女性は男性よりも知恵や知識がない」といった偏見があることで、自分に知識があることを自慢し、上から目線で説明してくる行為です。
『man(男性)』と『explain(説明する)』が組み合わさり、動名詞『mansplaining』という言葉が生まれました。
自分の持っている知識を、一方的にかつ、得意げに押し付けてくることがあるため、不快な思いをしている女性が多くいます。言い返したり真っ向から反論したりするとトラブルに発展することもあるため、適切な対処が必要です。
マンスプレイニングとはどんな行為?事例を紹介
マンスプレイニングとは、具体的にどのような行為を指すのでしょうか。身近によくある、三つの事例を挙げて解説します。
自分には関係ないことだと思っていても、実はマンスプレイニングを受けていたり、誰かにしてしまっていたりするかもしれません。
聞いてもいないことを解説したがる
例えば、男性と博物館や美術館へデートに行った際、こちらが聞いてもいないのに歴史的背景や作品のテーマを解説してくるケースです。
質問もしていないのに、知識や学識を一方的に押し売りするのは、マンスプレイニングといえます。自分の方が知識が豊富だということを自慢して、相手よりも優位な立場にいようとするのです。
人に対して何かを説明したり解説したりするのは決して悪いことではありません。しかし、知らないだろうと勝手に決めつけ、見下すような態度で知識を押し付けるのは相手に対し失礼な言動です。
「女性だから」と固定観念の押し付けをする
子育て中の女性が、外出先で友人と楽しそうにしている写真をSNSにアップしたとします。
この投稿に対し、「母親のくせに外で遊んでばかりいるのか」「子どもがかわいそう」などとコメントしたり、口にしたりする男性がいたら、それはマンスプレイニングです。
相手のことや状況をよく知らないのに、偶然見た一部分だけで分かったような気になり説教を始めるのは、自分の固定概念を押し付けていることと変わりありません。
「女性ならこうあるべき」「母親のあるべき姿ではない」というような、女性に対する固定観念を押し付け、根拠もないのに差別的な考えで相手の人格を傷つけるのは問題です。
マウントを取りたがる
マンスプレイニングをしてしまう男性は、よく知らないことや女性の方が知識があることでも、さも分かっているかのように上から目線でアドバイスをしてくることがあります。
自分が相手より優秀であることをアピールし、マウントを取りたがるのです。
例えば、普段料理をしない夫が料理をする妻に対し、「炒める順番が違う」「野菜の保存方法が間違ってる」などと口にするケースもあります。
マンスプレイニングをしてしまう男性の心理
マンスプレイニングをしてしまう男性には、どのような心理があるのでしょうか。無意識に行っている場合や、承認欲求が強い場合など、してしまう原因は人それぞれです。
女性は何も知らないと見下している
マンスプレイニングをしてしまう男性は、自分では親切心から話をしている傾向があります。
本人は、相手が不快に思っていることや傷ついていることに気付いていないのです。そのため、いつまでも上から目線で説明や自慢話を続けてしまいます。
また、深層心理で「女性には知識がない」「自分の方がものを知っていて、自分の意見がいつも正しい」という思い込みがあり、無意識に女性を見下していることが多いといえるでしょう。男性は女性よりも優位な立場にいると勘違いしているのです。
男性優位的な考えの人が多いコミュニティで仕事をしていたり、亭主関白の家庭で育ったりした場合などは、自然と女性を見下すような思考になりがちです。無意識な思い込みから、マンスプレイニングをしてしまっている場合も考えられます。
女性に「すごい」と言われたい
マンスプレイニングをしてしまう男性は、自信過剰で支配欲が強い傾向が見られます。周囲の男性と比べて自分の有能さを主張したり、話を誇張してすごさを見せつけたりすることで、女性を支配したいのです。
「褒めてほしい」「認めてほしい」といった承認欲求の強さも、マンスプレイニングをしてしまう男性には多いといえます。それは、自分に対する自信のなさとも受け取ることができるでしょう。
自信がなくプライドが高いゆえに、自分より賢い女性が現れたときに受け入れることができないのです。
「女性から尊敬されてこそ男として認められる」といった思考に陥っているため、女性から「すごい」と言われたい気持ちが強いといえます。男性は女性の一歩前を歩いているべきという思考が強いと考えられるでしょう。
マンスプレイニングの対処法
マンスプレイニングをされた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。相手の気分を損ねないように対処することで、トラブルに発展するのを防止できます。
相づちだけ打って聞き流す
マンスプレイニングをしている本人は、自分の説明で相手の知識が増えることよりも、話を聞いてもらえていると分かるだけで満足する場合が多いです。
あからさまに無視すると返って反発心を抱きやすくなってしまうため、穏便に対処するのがよいでしょう。
相づちを打ちながら話を聞くだけで、相手は安心し満足します。話の内容は真正面から受け止めず、聞き流せばOKです。
マンスプレイニングをする男性はプライドが高い傾向があります。「そうなんですね」「すごい、お詳しいですね」などと適度に相づちを打ちながら、上手にその場を乗り切りましょう。
マンスプレイニングしてくる男性と距離を置く
我慢して話を聞いてストレスを溜めないよう、思い切ってその場から離れることも対処法の一つです。マンスプレイニングをする男性とは極力関わらずに距離を置くことで、自分を守ることができます。
「友人と予定があるので」「その日は仕事で忙しいので」などと上手に理由を作り、距離を置くことも大切です。話がいつまでも終わらない場合は、「申し訳ありません、時間になったので」などと、その場に合わせて具体的な時間を述べるのもおすすめです。
マンスプレイニングをしている本人は承認欲求を満たしたいため、話を聞いてくれる人に対して話が長くなる傾向があります。相手が話が終わるのを待つ前に、自ら話を切り上げてその場を立ち去りましょう。
相手は満足するかもしれませんが、我慢して話を聞き続けると、聞いている側には相当なストレスが溜まります。強い言葉に傷ついてしまうこともあるでしょう。自分自身の気持ちやプライドを大切にするという意味でも、大人な対応でその場を乗り切ることが大切です。