互いのパートナーを交換する“実験”を行った2組のカップルが繰り広げる、皮肉で滑稽な人間劇場。
2021年10月15日よりNetflixで独占配信中のNetflix映画『彼と彼女と君と僕』は、ドイツで製作されたブラック・コメディ。
あらすじ
「性行為は禁止」というルールのもと、互いのパートナーを交換して4週間生活するという実験を行った、2組の若いカップル。
実験終了後、4人は海辺の家で合流する。実験によって得られた“気づき”を、発表するためだ。
パートナーとの久々の再会を喜ぶヤニナ(ニラム・ファルーク)とベン、そしてマリア(パウラ・カレンベルク)とニルス(ヨナス・ナイ)のカップル。
しかし裏では性行為禁止のルールが破られており、4人の間には不穏なムードが流れ始める。
見どころ
ルール違反も覚悟の上で実験を行ったのかと思いきや、激怒して大揉めになる4人。
そんなに怒るくらいなら最初からこんなリスクの高い実験をしなきゃいいのに……と呆れてしまうが、実験前はお互いのパートナーに対して絶対的な信頼を抱いていたようだ。
さらにルール違反以外にも“ある事実”が発覚し、争いは泥沼化。
「幸せとは」「信頼関係とは」から始まり、なぜか「一夫一妻制の限界」についての白熱した議論にまで発展する。
自分の落ち度は棚上げしながら自分以外を徹底的に責め立てて罵る4人は、人間のエゴをこれでもかと見せつける。
良いことであれ悪いことであれ、重大な出来事が発生したときの咄嗟の行動・言動によって、人間性が露わになると言われている。
本作でも予想外の展開が続くことで、2組のカップルが長年抱えていた問題が噴出する。
浅ましすぎるやり取りに笑いながらも、軽蔑と共感が織り交ぜられた感情が同時に沸き上がってくるはずだ。
本作の舞台は海辺の別荘だが、“山の別荘”で夫婦が本性を剥き出しにしながら激突するNetflix映画『ザ・トリップ』も、似た雰囲気の作品としてオススメしたい。
Netflix映画『彼と彼女と君と僕』
独占配信中
文/吉野潤子