程よくユルくてリラックス!ホテルとサウナの極上コラボ形
『カンデオホテルズ』というホテルチェーンがサウナに力を入れている、という噂は聞いていた。
とはいっても「シティーホテルにサウナ付き大浴場があるってことでしょ?」という程度に勝手な推測していた。
ところが違った! 今年の初夏、京都で開業した『カンデオホテルズ京都烏丸六角』は、ただの〝サウナ付きのシティーホテル〟というよりも、サウナ好きの目線でいうならば、もはや〝シティーホテル付きサウナ〟といってもいいほど、全館〝サウナっぽさ〟満点だった。
サウナ好きがサウナに求める一番大事なところって何か? 個人的な結論は、施設のスペックとかでも何でもなくて、総合的にどれだけリラックスできるかだと思うんですよ。
よく野球とかで「しまっていこうぜ!」とかいうけど、それとは真逆の「ゆるめていこうぜ!」とでもいいますかね。館内に入った瞬間、心身ともにユルユルになれる心地よさが一番重要だと思うんですよ。そして、それが〝サウナっぽさ〟だと思うんですよ。
でも一般的にシティーホテルは、サウナがたとえあったとしても、なかなかこの〝サウナっぽさ〟は味わえなかった。だってパブリックスペースではちゃんとした格好してなきゃいけないでしょ。
サウナでいくらユルっとなっても、サウナ上がりに廊下だ、エレベーターだ、通って部屋に帰る時には、またちゃんとした服を着て……ってこれじゃあ、ユルユルが断片的ですよ!
でもここは全然違った。全館、部屋に用意された浴衣とスリッパでOK!!
サウナ付きの大浴場『スカイスパ』は、浴室の半分は外気を取り込んだ露天で、水風呂はその露天部分にあるという気合いの設計!
もちろん宿泊客しか利用できないエクスクルーシブな空間なんで、そりゃあ、圧倒的な「ゆるめていこうぜ!」ですよ。
サウナ上がりには、ユルユル持続の浴衣姿で、部屋に戻るもよし、このご時世なんでアルコール提供はその時のお上の状況次第ですが、まぁ、オレはバーに行きますよ!
で、このバーがお酒も料理もセルフサービスなの。これが逆に気兼ねなくてサウナっぽい。ワインなんかコイン式のグラスディスペンサー! オレ、これが一番好き。
そして、このバーや、コーヒーなどのお茶類無料(!)のラウンジのあるパブリックスペース部分が特筆すべき場所。
このホテル、このページの上の外観写真見ていただけばわかると思うんですが、宿泊施設部分はビルなのに、通りに面したパブリックスペースは京町家。それも京都市登録有形文化財の京町家をそのまま保存改修して利用している。それも驚くことに、床の間の袋戸棚の襖絵が池大雅先生ッ!!
そんな由緒正しい京都らしい空間で、浴衣でダラッとくつろぐ!
これは今までにない極上のユルユル体験! いや世界中ここでしか味わえない!!
蛇足ですが、部屋のTVモニターで『スカイスパ』の混雑状況もわかる……もう何もいらん!!
大浴場『スカイスパ』のサウナ室に、一番奥に水風呂が控える浴室部分。水風呂の手前側面の壁が横格子になってますが、京都のド真ん中なんで、この格子で周りから中を見えなくしつつ、外気をガンガン取り込んでいるのだった。通りに面した京町家とその奥の宿泊棟によってホテル全体は構成されております。
このご時世、酒類提供は流動的ですが、6種用意のグラスワインは770円。写真のツマミは『3種のナチュラルチーブズと京鴨ナッツ』638円。旨ッ!
【DATA】
[住]京都市中京区六角通烏丸西入骨屋町149 [電]075・366・2377
[営]スカイスパ15:00〜翌11:00(サウナは2:00〜6:00利用不可)※利用は宿泊者限定
[休]無休 [交]京都市営地下鉄「烏丸御池」駅より徒歩約3分
カーツさとう
コラムニスト/プロドランカー。グルメ、旅、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。@DIMEの新・サウナ専門サテライトメディア『Saunner』もチェック!
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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