サッカーを始めたばかりの人にとっては「サッカーノート」と聞いても、あまりピンと来ない人がいるかもしれない。サッカーノートとは、日々の練習や試合の記録、プレーの振り返りや感じたこと、課題などを記録する日記のようなもので、学生やプロ選手問わず利用している人も多い。
今回はサッカーを始めたばかりの人にとっても、上達の近道になり得るサッカーノートの概要や使い方、メリットなどをわかりやすく紹介していく。
サッカーノートとは?
改めて「そもそもサッカーノートと何か?」という点について説明していく。
ノートは特に決められたフォーマットがあるわけではなく、市販のノートを利用するのも良いし、場合によってはアプリなど、好みに応じたツールを活用するのも良いだろう。練習や試合などの記録や自分のプレーの振り返り、課題や目標を書き込むことで、自身の成長に繋げることができる。
小学生~大学生など学生年代のチームでは、監督やコーチが選手に定期的なサッカーノートの提出を義務付けているケースもある。
サッカーノートが広まった1つの理由|中村俊輔の一冊
今では、子供から大人までサッカーをプレーしている多くの人が「サッカーノート」を活用しているが、その存在が広まったきっかけのひとつとして、元サッカー日本代表、中村俊輔が2009年に出版した著書『夢をかなえるサッカーノート』があるだろう。
イタリアのセリエAやスコットランドリーグで活躍、日本代表としてもW杯に出場した名選手が自らのサッカーノートの中身を公開。自らの弱点、悔しさや不安、サッカーに対する考え方など、人気選手となった裏で苦悩と戦う姿が綴られており、サッカーファンに限らず、広く注目を集めた。
【参考】夢をかなえるサッカーノート(著・中村俊輔/出版・文藝春秋 )
サッカーノートの書き方
サッカーノートの書き方は特に決まっているわけではなく、基本的には自分の好きなような形で書いていい。ただし、所属しているチームによっては形式が指定されている場合もある。
練習や試合の記録を書く
サッカーノートに書く主な内容とも言えるのが、その日行った練習や試合の記録だ。例えば練習であれば、どのような練習をどのような意図を持って行ったのか、試合であれば、結果も含めてチームとしてどのような目的を持って臨んだのかなどを書き込むと良いだろう。練習や試合中に監督やコーチから受けたアドバイスも記録しておくと、次回以降に役立つだろう。
目標を書く
サッカーノートは、普段の練習や試合の目標を立てる際にも利用できる。普段の練習や試合の記録をノートに書き込んでいれば、自分の課題も見えてくるはず。そこで浮かび上がってきたことを目標として書いておき、練習の前や試合の前にチェックしておけば、課題に向き合いながら取り組むことができるだろう。
また、中長期的な目標を立てる際にも活用できる。例えば、ノートの最初のページに1年後どのようになりたいかといった目標を書いておくことで、ノートを開くたびに目標が目に留まるため、忘れることなく練習に励むことができるだろう。
小学校低学年の場合
小学生、特に低学年の場合は自分の課題を的確に把握して目標を設定することは簡単ではない。そのため、シンプルな目標を立てることを心掛けると良いだろう。
例えば「今日の試合では1点取る」「無失点で抑える」「ドリブルで相手を3回抜く」など具体的な目標を立て、後になって振り返りがしやすい形にするのがポイントだ。
ポジティブとネガティブのバランス
サッカーノートを書いていると、どうしても失敗や反省点ばかりが目に付き、「今日は決定機を逃してしまった」などネガティブなことが多くなってしまいがちだ。しかし、ネガティブなことばかり書いていると、ノートを書くモチベーションも下がってしまうので、意識的にポジティブな点も書き出すことを心掛けてほしい。
サッカーノートを書くメリット
サッカーノートを継続して書き続けていけば、自分の試合や課題が書き残されていくため、自分自身の成長記録になる。自分がどのように成長しているのかを客観的に把握することができるだけでなく、何年も前のサッカーノートを見返すと「当時はこんなことで悩んでいたのか」と初心に返ることもできるだろう。
デメリット|継続しなければ意味がない
サッカーノートを書くデメリットは、継続して書かなければ意味がない、ということに尽きるだろう。たまにしか書かないとなると、その時の自分はどのような課題を持っているのか、どういった点を意識してプレーすればいいのか、といったことが分かりにくくなる。
※データは2021年10月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
文/praia