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弁護士が解説!偽物、粗悪品、高い送料、フリマサイトやオークションのトラブル事例と対処法

2021.10.23

メルカリなどの通販サイト(フリマサイト)や、ヤフオクなどのオークションサイトでは、零細業者や個人も多くの商品を出品しています。

出品者の質がまちまちであるが故に、取引に関してトラブルが発生するリスクが高いことは、通販サイトやオークションサイトのウィークポイントといえるでしょう。

今回は、通販サイト・オークションサイトで見られるトラブルの例を挙げて、法律上の対処法を解説します。

1. 偽物や粗悪品が届いた!「返品不可」らしいけど、どうすべき?

購入者に対して偽物や粗悪品を送り付け、「返品不可」を理由としてクレームを拒否する悪質な出品者が、通販サイトやオークションサイトには一定数存在します。

たとえ「返品不可」と明記されていても、事情によっては返金等が認められる可能性があるので、弁護士や消費生活センターなどに相談しながら対応しましょう。

1-1. 偽物を本物と偽って販売するのは「詐欺」|返金要求や刑事告訴が可能

ブランド品などの場合、その商品が正規品(本物)か偽物かという点は、取引上の本質的な要素といえます。

そのため、もし通販サイトやオークションサイトで購入した商品が偽物だった場合は、「錯誤」(民法95条1項)や「詐欺」(民法96条1項)を理由として売買契約を取り消し、代金の返還を請求できる可能性があります。

この点は、「返品不可」と明記されている場合でも同様です。

また、故意に偽物を本物と称して販売し、購入者を騙して商品代金を詐取する行為は、刑法上の「詐欺罪」(刑法246条1項)に該当します。

もし通販サイトやオークションサイトで詐欺に遭った場合には、速やかに警察に対して被害届を提出しましょう。

1-2. 粗悪品は、金額や欠陥の内容・程度により返金可能な場合あり

一方、送られてきた商品が粗悪品の場合には、返金を請求できるかどうかはケースバイケースです。

たとえば、

・少々の傷や汚れがついている
・色が一部剥げている
・売買価格が極端に安い

といった程度であれば、通販サイトやオークションサイトの性質に鑑み、出品内容と商品の間に齟齬はなく、返金は認められない可能性が高いでしょう。

これに対して、

・大きな穴が空いていて使い物にならない
・サイズ、色、機能などが出品表示とあまりにも異なっている

といったケースでは、売買契約の対象物が引き渡されたとは認められず、売買代金の返金を請求できる可能性があります。

2. 送料がどう見ても高すぎる!実費との差額について返金請求は可能?

商品の本体価格を安く抑える代わりに、送料を実費よりも多く請求して利益を得る手法が、通販サイトやオークションサイトでは時々見られます。

実費を超えて送料を支払うことに納得がいかない場合、実費との差額分の返金を請求することは可能なのでしょうか?

この点、購入者が出品者に支払う送料をいくらにするかは、出品者と購入者の間の契約によって決まります。

したがって、出品ページに送料金額についての記載があり、その記載を含めた出品内容に同意して売買契約を締結した以上は、契約どおりの送料を支払わなければなりません。

なお、出品者が実際に、送料としてどの程度の金額を負担したかについては、売買契約上の送料とは無関係です。

出品者が実際に負担する送料を「仕入れ値」、購入者から支払いを受ける送料を「売値」と考えれば、両者の定めが異なったとしても特に不合理ではないことがわかりやすいでしょう。

したがって、送料金額が契約に明記されている以上、送料実費との差額の返金を請求することは不可です。

3. 通販・オークションサイトで買った商品は、クーリングオフできる?

「クーリングオフ」とは、売買契約等の締結後一定期間に限り、買主が売主に対して、目的物を無償かつ送料売主負担で返品できる制度です。

消費者保護の観点から、一部の取引について、特定商取引法等に基づき認められています。

通販・オークションサイトで購入した商品が気に入らない場合、クーリングオフ制度を利用した返品・返金請求は認められるのでしょうか?

3-1. 通販・オークションサイトはクーリングオフの対象外

実は、通販・オークションサイトで購入した商品については、クーリングオフの対象外とされています。

クーリングオフ制度は、訪問販売・電話勧誘販売・マルチ商法など、消費者が強引な勧誘を受け、流された状態で契約してしまいやすい類型の取引について、消費者に改めて熟考の機会を与えるために認められています。

これに対して通販・オークションサイトでの取引は、購入者が自ら商品を選択して購入する形態であることから、上記のクーリングオフ制度の趣旨に馴染まないのです。

3-2. 例外的に返品・返金請求が認められる場合あり

ただし、以下の要件をすべて満たす場合には、クーリングオフそのものではないものの、購入した商品の返品・返金請求が認められます(特定商取引法15条の3第1項)。

・商品の引渡しを受けた日から起算して、8日以内であること
・「返品不可」である旨の特約が出品ページ等に表示されていないこと
・出品者が事業者であること

なおこの場合、クーリングオフ利用時とは異なり、商品の引取り・返還に要する送料などの実費は、購入者負担となる点に注意しましょう(同条2項)。

4. まとめ|詐欺などに注意して慎重な通販・オークション取引を

不特定多数の出品者・購入者が参加する通販サイト・オークションサイトでは、その利便性の反面、詐欺などのリスクが高いことに注意して取引を行うことが大切です。

発生しがちなトラブルの例と、各対処法を正しく理解しておけば、詐欺などの被害に遭うリスクを抑えられるでしょう。

もし通販サイトやオークションサイトで詐欺被害に遭ってしまった場合は、弁護士や消費生活センターなどにご相談ください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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