投資やビジネスに興味があれば、ウォーレン・バフェットの名を聞いたことがある人は多いだろう。バフェットは自らの商才と株式投資によって財を成した伝説的な投資家だ。彼が長年の投資経験をもとに築き上げた投資哲学には株式投資のお手本とも呼べる知見が多数詰まっている。これから株式投資を始める人はぜひ読んでおこう。
そこで本記事では、ウォーレン・バフェットの投資哲学を解説するとともに、バフェット流の投資手法や彼の“人となり”を学べるおすすめ本7冊を紹介する。
【目次】
ウォーレン・バフェットとはどんな人物?
ウォーレン・バフェットは1930年生まれのアメリカの有名投資家。卓越した投資手腕から「投資の神様」の異名を持つ。11歳から株式投資を始めて以来、個人資産額は約96億ドル(約10.46兆円、2021年時点)と世界第6位。1965年以降は米国最大の投資会社バークシャー・ハサウェイの筆頭株主兼会長兼CEOを務める。資産家のみならず慈善家としても有名で、2006年に発表した資産の85%(約374億ドル)に相当する寄付は、アメリカ史上最大の寄付額として知られる。
投資を始めるなら読んでおきたいバフェット本
ウォーレン・バフェットの成功の秘訣を一口で語ることは難しいが、彼が長年をかけて築き上げた投資術は、企業の詳細な情報分析をもとに優良企業に長期投資を行う王道的な手法であり、株式投資を行うすべての投資家に有意義なものと言える。これから株式投資を始める人はもちろん、すでに投資を始めている人も、バフェットの投資術を学ぶことは今後の投資に大いに役立つだろう。
ウォーレン・バフェットの投資哲学が学べるおすすめ本7選
バフェットが実践する投資の基本は、優良企業の株を安く買い、長期間保有して複利効果で資産を増やすというもの。バフェット本には、彼の投資方針や投資に関する名言、優良企業を見分けるための財務諸表の読み方、企業の健全性を見分けるポイントなどを解説した本が多い。投資初心者は、伝記や「マンガでわかる」シリーズなどでバフェットのサクセス・ストーリーを追いながら投資に関する知識を身に付けていくのもおすすめだ。
バフェットからの手紙 第5版 (ウィザードブックシリーズ Vol. 307)
ウォーレン・バフェットが自身の経営する投資会社バークシャー・ハサウェイの株主へ向けて書いた「会長からの手紙」を、ジョージ・ワシントン大学教授ローレンス・カニンガムがテーマ別に整理・分類。バフェットの投資哲学をもっとも端的に表す一冊として知られており、2000年の初版刊行以来、定期的に版を重ねている。投資家はもちろん、経営者・事業家からの評価も高い。2021年刊。
スノーボール(改訂新版)〔上〕
ウォーレン・バフェット伝 ウォーレン・バフェットと親交の深いアナリスト、アリス・シュレーダーによるバフェット公認の伝記。事業家だった父と雑貨店を経営する祖父の影響で6歳のときに投資と経営の一歩を踏み出したエピソードなど、バフェットの幼少期から現在に至るまでを生き生きと描く。バフェットの価値観・投資戦略をストーリー形式で学ぶのにおすすめ。新装版は新たに2章分が追加され、上・中・下の文庫3冊に分かれている。2014年刊。
マンガでわかる バフェットの投資術
日本大学商学部教授・濱本明監修によるバフェット投資哲学の解説書。ウォーレン・バフェットが独自の投資手法を確立するまでの流れを「STEP1幼少期」から「STEP5熟年期」まで時系列で読み解く。各STEPのエピソードを漫画で紹介したあと会計や株式投資の基礎知識を解説。バフェットの投資手法を理解するのに欠かせない財務諸表の読み方や「バリュー投資」「グロース投資」などの経済用語も同時に学べる。2021年刊。
株で富を築くバフェットの法則[最新版]—不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法
レッグ・メイソン・インベストメント・カウンシルで投資戦略立案を務めるロバート・G・ハグストロームによるウォーレン・バフェットの投資戦略分析。バフェットが行った実際の銘柄選びを分析・解説しているほか、バフェットのポートフォリオや投資心理学との関係など他にはない切り口でバフェットの投資手法を紹介する。最新版は、1995年の初版および2005年の新版から全面改訂し、2014年刊。
史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵
ウォーレン・バフェットの投資哲学を平易な言葉と具体的なエピソードでわかりやすくまとめた一冊。実践的な銘柄選定や財務諸表の読み方などの記述は少ないものの、投資初心者がバフェットの考え方や投資の心構えを学ぶのに役立つ。『バフェットからの手紙』の内容を難しく感じる場合はこちらからスタートしても良いだろう。2008年刊。
史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール
ウォーレン・バフェットが個別の投資銘柄を選ぶ際にもっとも重視する「財務諸表」の読み方にスポットを当てた一冊。市場で高い競争優位性を持つ企業を見分けるために、財務諸表の「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」についてそれぞれ着目すべきポイントを解説している。バフェット投資理論の概略を理解したあと個別の株式銘柄を選定するタイミングで参考にしたい。2009年刊。
バフェット帝国の掟
50年間勝ち続けて60兆円を生んだ最強ビジネスモデル 『バフェットからの手紙』の著者がウォーレン・バフェットの経営者としての側面にスポットを当てた一冊。信頼できる人材に裁量を与えるバークシャー・ハサウェイ社の経営方針「分権と自立の原則」は、新型コロナウイルス下でも同社がプラス成長を成し遂げたこともあって各方面から注目を集める。バフェット本人が公認した数少ない本の一つでもあり、バークシャー・ハサウェイの株主総会で販売された。2020年刊。
文/oki