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ビジネスシーンでは、損得勘定だけで動く計算高い人や、損得勘定がまったく感じられないタイプの人に出会うことがある。
そもそも損得勘定とは、自分にとって得か損かを打算的に判断すること。思考の癖のようなもののため、やめたいと思っても簡単にやめられない人も少なくないようだ。
本記事では、損得勘定の正しい意味や使い方、関連表現を解説する。損得勘定で動く人の特徴をチェックして、当てはまる項目がないかチェックしながら読み進めてほしい。
「損得勘定」とは?
はじめに、「損得勘定」の意味と使い方を解説する。正しい言葉の意味や例文を確認すれば、適切な使い方ができるはず。
「自分にとって得であるか損であるかを打算的に判断すること」を意味する言葉
損得勘定とは、自分にとって得なのか損なのかを天秤にかけて、利己的に判断することを指す。勘定には、「事前に見積もる」という意味があるため、「自身の利害を事前に見積もる」「損か得かをあらかじめ計算する」という表現になる。
損得勘定で動く人とは、自分にとって得か損か、自分にメリットはあるのかどうかを考えてから行動する人ということだ。
「損得勘定」の使い方と例文
先述した通り、損得勘定は「損だと思えば行動しない」というネガティブなニュアンスを含む言葉のため、悪い意味で用いられるケースが多い。
「合理的な計算高さ」を表現しているわけではないため、良い意味で使われることはほとんどない。以下の例文をチェックして、具体的な使い方を確認しておこう。
【例文】
「損得勘定を抜きにして、もう一度だけ考えてみてほしい」
「損得勘定で人と付き合う人は、どうしても好きになれない」
「子供の頃は、損得勘定のない人間関係を築けていた」
「損得勘定で生きる人は、自分の気持ちに正直な人なのかもしれない」
損得勘定で動く人の特徴
では、損得勘定で動く人にはどのような特徴があるのだろうか。ここでは、損得勘定で動く男女の傾向を見ていこう。
人間関係においてはステータスを意識、打算的に友達作りをする
損得勘定で物事を考える人の特徴の一つとして、自分にメリットのある人と関わりを持ちたがる点が挙げられる。損得勘定が強い人は、その人と仲良くすることで自分のステータスが上がることを得だと捉えるため、社会的地位の高い人や、容姿が良い人などと仲良くしたがる傾向がある。反対に、仲良くしてもメリットがない人には、自分から近づこうとはしないのが特徴だ。
恋愛は長続きしない
損得勘定で彼氏・彼女選びをする人は、恋愛が長続きしづらいという意見もある。特に「何でも買ってくれるような高収入な男性」や「友達に自慢できる美人な彼女」など、自分にとってのメリットだけを考えてお付き合いを始めてしまうと、結果、相手を本当の意味で好きになることが難しい。
そのため、「嫌いではないけれど、本当に好きなのかも分からない」という感情が生まれてしまい、早い段階で別れを選択してしまうようだ。
Yes/Noがはっきりしていて、他人の意見に左右されにくい
損得勘定が強い人は、Yes/Noがはっきりしていて、周りに左右されにくいという特徴がある。そもそも、損得勘定を貫くことがその人のポリシーとなっているため、どこまでもその基準に従って行動する。
自分の得になることにはYes、損になりそうなことにはNoとはっきり答えるため、周りの意見に左右されることが少ない。
自身の損得勘定の強さを診断する心理テストも存在する
ネット上には、損得勘定の強さを診断する心理テストも存在する。いくつかの質問に、「はい/いいえ」で答えていくと、損得勘定の強さがパーセンテージで割り出されるものだ。
ただし、これらの心理テストには科学的根拠があるわけではないため、参考程度に楽しむのがちょうど良い。
損得勘定で動く人の対処法は?
損得勘定で動く相手と良好な関係性を維持するポイントは以下4つ。
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相手にとっての利益やメリットを先に提示する
なかなか行動してくれない相手に対しては、彼らにとっての利益となり得る条件を提示することで、アクションを促すことができる。
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冷静に対応する
自分の利益ばかりを追求する相手に対していらだちを覚えることもあるだろう。しかし、感情的になると、相手も感情的になり建設的な議論ができなくなるため冷静に対応するようにしよう。
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信頼関係を築く
損得勘定で動く人でも、信頼できる相手には協力的な姿勢を見せるもの。誠実に接し、約束を守ることで信頼関係を築いていこう。
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必要に応じて距離を置く
どうしても折り合いがつかない場合は、適度な距離を置くことも必要だ。無理に関係を維持しようとせず、必要最低限の付き合いに留めることも選択肢の一つといえる。
「損得勘定」の関連表現
最後に、「損得勘定」の類語と英語表現を紹介する。関連する表現を知ることで、言葉に対する理解がぐっと深まるはず。
類語は「計算尽く」「打算的」
「損得勘定」と類語に当たる言葉として、「計算尽く」や「打算的」が挙げられる。「計算尽く」とは、自身の得失を考えてから、自分に有利な行動をすること。「打算的」とは、何をするにも損得を考えてから動くことを指す。
いずれも、「あらかじめ損得を考えてから、損しないように行動すること」を表現している。
英語ではどう表現する?
「損得勘定」を英語で表す際は、「calculating person/損得勘定で動く人」を使う。「calculating」は日本語で「計算する」という意味があるため、「calculating person」は「計算高い人、計算的な人」だと言える。
ちなみに、「calculating」という形容詞は、比較的マイナスの意味で使われるケースが多い。英語圏でも、損得勘定で動く人はあまり良い印象を持たれていないことが理解できる。
文/oki