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グッズやチケットの転売は違法?弁護士が解説する転売ビジネスの問題点

2021.10.19

ブランド品やジャンク品、アイドルやキャラクターのグッズ、アーティストのチケットなど、近年ではさまざまな商品が転売ビジネスの対象となっています。

転売ビジネスは批判されることも多いですが、法的な観点からは、違法の場合も合法の場合も両方あるというのが実情です。

今回は、転売ビジネスが違法となる主なケースについて解説します。

1. 転売ビジネスはなぜ批判される?

転売ビジネスは、市場における取引価格のギャップから利益を得ようとする事業です。

それ自体は資本主義の原理に適っているようにも思われますが、なぜ転売ビジネスはこれほどまでに批判されているのでしょうか。

1-1. メーカーや興行主などの利益を横取りしているから

転売ビジネスが嫌われやすいのは、本来であればメーカーや興行主などが得るべきだった利益を横取りする側面があるからだと思われます。

たとえば、最新のゲーム機器や人気アーティストのチケットなどは、予約殺到であっという間に売り切れてしまいます。

メーカーや興行主としては、定価より価格を釣り上げたとしても、容易に完売させることができるでしょう。

しかし、「幅広い層に楽しんでほしい」といった理念から、多くの人に手が届きやすい価格設定を行っているケースが多いです。

そこに「転売ヤー」が登場して商品を買い占め、転売市場で値段をつり上げて売却するわけです。

このような転売ヤーの行為は、メーカーや興行主の理念を台無しにして、さらにメーカーや興行主に代わって価格つり上げによる利益を得るものであることは間違いありません。

たとえ法律のルールに沿って行われる場合でも、一部の転売行為が世間から痛烈な批判を浴びる背景には、上記のような問題意識があると考えられます。

1-2. 違法ビジネスに当たる場合があるから

転売ビジネスの中には、世間の反感を買うだけでなく、違法であるものもしばしば見られます。

コンプライアンス意識が世間的に高まっている昨今では、違法な転売ビジネスはあっという間に淘汰されてしまうでしょう。

次の項目では、どのような転売ビジネスが違法であるのかについて解説します。

2. 転売ビジネスが違法となる場合とは?

転売ビジネスが違法となるのは、主に以下の5パターンです。

いずれも刑事罰の対象になる可能性があるので、転売ビジネスを行う際には、対象となる法規制を必ず意識しておきましょう。

2-1. 古物商の許可を受けずに転売を行った場合

一度使用された物品や、新品であっても使用のために取引された物品は「古物」に該当します(古物営業法2条1項)。

古物を仕入れて転売したり、他の古物と交換したりする行為は「古物商」に当たり、都道府県公安委員会の許可を得なければ行うことができません(同法3条)。

古物商の許可を得ずに、上記の転売行為をした場合、「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性があります(同法31条1号)。

2-2. 定価を超える価格で国内チケットを転売した場合

チケット不正転売禁止法※では、日本国内で行われるライブ・舞台・映画・スポーツイベントなどのチケットを、定価を超える価格で転売する行為を禁止しています(同法3条)。

※正式名称:特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律

チケット不正転売禁止法に違反して不正転売を行った場合、「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」が科され、またはこれらが併科される可能性があります(同法9条1項)。

2-3. ダフ屋行為をした場合

「ダフ屋行為」とは、公共の場で不特定の人からチケットを仕入れ、そのチケットを公共の場で不特定の人に転売する行為です。

公共の場所でのうろつき、つきまとい、呼びかけなどを伴い、治安を悪化させる側面があることから、各都道府県の迷惑防止条例で禁止されています。

たとえば、東京都の迷惑防止条例2条ではダフ屋行為が禁止されており、違反した場合には「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科される可能性があります(同条例8条1項1号)。

2-4. 「転売はしない」と偽って仕入れを行った場合

興行主がチケットを顧客に販売する場合、「転売はしない」ことを条件とするケースが多いです。

言い換えれば、「転売目的の人には売らない」ということになります。

このような興行主に対して、転売目的があるにもかかわらず「転売はしない」と偽り、チケットを購入する行為は「詐欺罪」(刑法246条1項)に該当します。

たとえ定価で代金を支払っていても、同様に詐欺罪が成立します。

詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。

2-5. 真贋を偽って商品を転売した場合

レプリカを正規品と偽って転売する、あるいは有名画家の作品と偽って模写を転売するなどの行為は、買主を騙して代金を交付させるものとして「詐欺罪」に該当します。

転売価格の設定は(チケット転売などを除き)原則として自由ですが、商品が本物かどうかを偽って転売するのはいけません。

この場合、買主には大きな実害が発生するため、詐欺罪として、実刑を含めた厳しい処罰が予想されます。

3. まとめ

転売は何でもかんでも違法というわけではありませんが、取引する商品によっては、世間の批判を浴びることを覚悟しなければなりません。

また、違法な転売ビジネスに手を染めてしまった場合、犯罪者として訴追・処罰されるおそれがあるので要注意です。

転売ビジネスを行うとしても、法規制を踏まえたうえで、取引の方法を予めよく検討してから始めましょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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