ここ数年で、食材を調味料に浸して電子レンジでチンしたり、フライパン調理したりするだけで一品完成する「メニュー用調味料」がぞくぞく増えている。
そこで今回は、調味料研究家のMICHIKOさんに、最新のメニュー用調味料を3つ挙げてもらった。そして料理ベタな人に向けて、使うポイントや簡単に豪華な料理を作るコツを伝授してもらった。コロナ禍で自炊をするようになった人は必見!
時短で本格的な味に仕上がる「メニュー用調味料」
調味料のエキスパートであり、調味料のことなら何でも知り尽くしている調味料研究家のMICHIKOさんによると、今、調味料に注目が集まっているという。
【取材協力】
調味料研究家 MICHIKOさん
料理好きが高じて、大手企業の秘書から料理業界に転身する。調味料・野菜・スパイス&ハーブ・カレーのプロとして、講師・講演・企業セミナー・レシピ開発・調味料の紹介や批評、開発・コラムの執筆、イベントの企画開催などを手掛ける。著書に、「いちばんわかりやすい 塩麹 しょうゆ麹 甘麹(主婦の友社)」 「ベスト オブ 日本の調味料(エイ出版)」、「この調味料がすごい!(学研)」、「調味料ノート(中経出版)」他多数。
「おうち時間が増えたことで、手の込んだ料理を作ることが増えていると感じます。そのため、自宅で本格料理を作るために、スパイスやハーブ、バルサミコ酢といった普段使いしないような調味料にチャレンジする人が増えていると思います」
その一方で、料理の負担を感じている人少なくない。そこでMICHIKOさんがおすすめするのが、メニュー用調味料である。調理用調味料とも呼ぶ。
「コロナ禍で多くの人が料理負担の増加に悩まれています。この調味料は、料理の負担軽減につながり、失敗することなく、誰でも時短で簡単にメインのおかずを作ることができます。メニュー用調味料は、ひと手間かけることで料理した気分にもなれるので、忙しい方には、積極的に活用して欲しい調味料です」
メニュー用調味料3選!料理ベタにもおすすめの活用法は?
そこでMICHIKOさんに、今年発売されたメニュー用調味料のうち、おすすめのものを紹介してもらった。実際に調理した体験をもとにしたコメントは必見だ。
1.キユーピー「鮭の蒸し焼き バジルソース パルミジャーノ・レジャーノ入り」
「面倒な下準備もなく、レシピ通りにフライパンで魚を焼き、野菜とソースを加えて約8分、蒸し焼きにするだけで作れます。
バジルといったハーブを上手に使いこなすのは難しいですが、これさえあれば、いつもと違う本格的な洋風ハーブ味を自宅で楽しむことができます。家庭の味に飽きたときにもおすすめです。
バジルの爽やかな香りとチーズのまろやかさが加わった優しい味わいに、ガーリックの風味が後から押し寄せてきて食欲がアップしますよ。うま味のあるさっぱりとした味わいなのでいくらでも食べられます。パンに合いそうですが、実はご飯のおかずにピッタリなんですよ」
2.キッコーマン「うちのごはん 肉おかずの素 香味ねぎだれふっくらチキン」
「レンジ専用パウチに、お肉を入れて電子レンジでチンするだけで作ることができる具入り調味料です。唐揚げ用の鶏肉を買ってきて使えば、カットする手間を省くことができますよ。簡単なので、料理ビギナーの人にもおすすめ。
パウチを開けた途端、ネギだれのおいしそうな香りが漂ってくるので、作りながらも楽しいですよ。仕上がりは、お肉にツヤが出て、中まで旨みがしっかり閉じ込められていて、ふっくらジューシー。食欲の出るいい香りも魅力です。味がしっかりついているので、野菜のサラダと一緒に食べるとちょうどいい味わいです。ご飯のおかずや丼としてはもちろん、お酒のおつまみとしてもおすすめです」
3.ハウス食品「まぜ豆腐 <ペパー・バジル香るガパオ風味>」
「豆腐に本製品を混ぜるだけでできあがり。ご飯にのせれば、お肉不使用でも満足感の高いガパオ豆腐丼に仕上がります。今日は肉や魚よりはサラッと食べたい、そんな時に重宝する調味料です」
「健康のことを考えて、豆腐の料理も作りたいけれど、豆腐の水切りやゆでる手間を考えるとハードルが高くなりがちです。そんなとき、この製品なら、豆腐をそのまま使える手間のない便利さがある上に、豆腐をそのまま使うことで大豆の香りや食感を楽しむことができるというメリットも。豆腐の持つ水分が美味しさに一役かっているというすばらしいアイデア料理だと思います。
一口食べれば、なめらかな豆腐の中に、爽やかなスパイス&ハーブが香り、味噌や醤油などのなじみのある味にホッとします。後味にちょっとスパイシーなピリ辛感がクセになり、リピートしたくなる美味しさです。食感もやさしいので、胃が疲れているときなどにも、食が進みます。
まるで肉が入っているかのような、食べた満足感があり、酒のつまみにもなります。レンジで鶏ひき肉をチンして混ぜれば、本格的なガパオ丼ができあがります。他に野菜サラダに混ぜたり、和え物、パスタの味付けにするなど、アレンジは自由自在です」
コロナ禍でおうちご飯が多い今、料理やおつまみは、自分流に美味しく楽しみたいものだ。ぜひメニュー用調味料をうまく活用しよう。
取材・文/石原亜香利