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子どもの「好き」「楽しい」を伸ばす!0歳から始められるSTEAM教育のすすめ

2021.10.19

今、話題の「STEAM(スティーム)教育」。現在、必要性が説かれており、我が子にも早期から取り入れるべきではないか、と不安になるものの、何から始めればいいかわからないという親も多いと思われる。

そこで今回は、STEAM教育はゼロ歳から始められると述べる日本乳幼児遊び教育協会代表の会田夏帆(あいだ・なつほ)氏に、STEAM教育とは何か、そしてSTEAM教育をゼロ歳から始めるメリットや、ゼロ歳の子に行う方法や注意点を聞いた。

STEAM教育の認知度は26%…しかし知った後は「子どもの教育に必要」と6割が回答

BarbaraPoolが、2020年8月に、5~15歳の子どもと同居する首都圏(東京・埼玉・神奈川・千葉)の男女7119人(25~69歳)を対象に実施した「子どもの教育に関する調査」で、「あなたはSTEAM教育を知っていますか?」の問いに対し、知っていると答えたのは26%に留まった。

しかし、知らないと答えた人が、STEAM教育の説明文を読み、どのような教育モデルなのかを知った後では、およそ5割の人が興味と関心を示し、約6割が「子どもの教育に必要」だと回答した。

実際、「STEAM教育」という名は耳にしているものの、具体的な方法やメリットがわからず、我が子にSTEAM教育を受けさせようというところまで到達していない親も多いと考えられる。

STEAM教育とは?

そもそもSTEAM教育とは何か。会田氏は0歳から3歳までの習い事教室「ぐちゃぐちゃ遊びの親子教室」を展開しているが、そこでSTEAM教育を取り入れている。

その知見と経験をもとに、STEAM教育の概要について会田氏に聞いた。

【取材協力】

会田夏帆氏
日本乳幼児遊び教育協会代表。親子・幼児教室ぐちゃラボ(横浜市)を開講。年間1,500組の親子が集まり、入会まで1年待ちの実績を生かし親子教室・保育士などのためのセミナーや保護者向けの子育てセミナーを行っている。
https://gucha.jp

「STEAM教育のSTEAMとはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の頭文字をとったものとなります。

STEAM教育のはじまりは2006年ころと言われていますが、先にArtsを抜いたSTEM教育が広まりました。当時のアメリカの大統領であるバラク・オバマ政権下で、IT機器を扱える人材の不足からSTEM教育の重要性が説かれたため、STEM教育が広がりました。その後、STEMtoSTEAMの流れが広がり、Artsが加わり現在はSTEAM教育が主流となりつつあります。

STEMの『科学・技術・工学・数学』を見ると理系科目のような印象がありますが、それだけではなく、実社会での課題解決に生かしていくための教科の垣根を越えた横断的な学びが特徴です。さらにArt(芸術・リベラルアーツ)によるデザインや感性、アイディアなど創造的思考などを含めて、知的好奇心を持って物事を見て、考え、体験や学びを通じながら探究していく姿勢を、総じてSTEAM教育と言います。

必ずしも、教科書的な正しい結果を出すことではなく、実社会・実生活において課題を見つけ出し『なぜ?どうして?』を考えていく過程を大事にした教育手法です」

ゼロ歳からSTEAM教育を始めるメリット

そのSTEAM教育を、ゼロ歳から取り入れることを推奨し、幼児教室でも取り入れている会田氏。ゼロ歳からSTEAM教育を始めるメリットを尋ねると、3つの点が挙げられるという。

1.その子の個性に寄り添った教育ができるようになる

「親は、子どもが何ができたかよりも、何をしているかに注目できるようになり、その子だけが持つ興味関心に気づくことができます。その気づきからその子の学びがぐんぐん広がります」

2.子どもの好奇心や探求心・挑戦心の芽を育てることができる

「STEAM教育は、何かを押し付けるのではなく、その子の中から湧き上がる興味関心からはじまるため、集中して物事に取り組み、探究を続けることができるようになります。探究するからこそ物事がおもしろくなり、さらに様々な事物に好奇心を発揮し、挑戦心が培われます」

3.世界のおもしろさに気づく

「日々の生活には『なぜ?どうして?』があふれています。与えられた課題ではなく、自ら課題を見つけ出す力を養うことで、世界のおもしろさに気づき、その不思議と向き合い、日々を前向きに進む糧を得ることができます」

ゼロ歳に合ったSTEAM教育法

では、実際、ゼロ歳の子どもに対してSTEAM教育を行うというのは具体的にどうすることなのか。会田氏は、3つの方法を挙げる。

1.【STEMを伸ばす】因果関係を学ぶために直接体験から五感を刺激する

「科学というのは、因果関係の発見から始まっています。『この結果には原因がある』『これがあったからこうなった』というものです。そのため、科学を学ぶという土台は、乳幼児期に因果関係を学んでいくことが重要です。因果関係を学ぶためには、自分が何かをしたらこうなったといういろんな体験を、乳幼児期にしていくことが大切になります。

体験というのは、直接体験と間接体験というものがありますが、乳幼児期に重要なのは直接体験です。科学を教えようとすると、例えばテレビや動画で実験の様子などを見せる、実験結果をたくさん見せる、お勉強をたくさんさせるという方がいますが、これらは間接的な体験、間接体験となります。そうではなく、直接物事に触れる、やってみる、遊んでみるという直接体験が子ども、ゼロ歳からのSTEAM教育のはじまりです。

直接体験といってもどこかに出かけたりする必要もなく、『五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)』を意識した遊びや関わりを大切にしてほしいんです。乳幼児期は非常に感覚が鋭く、そして発達段階でもあります。この時期にしっかりと五感を刺激することで子どもは世の中の理(ことわり)を学ぶ力を身につけます。

ゼロ歳から親が抱っこをしながらわらべ歌を歌うというだけでも触覚や聴覚の刺激に。おそとに一緒に出るときは目的地に向かうだけではなく、一緒に景色を見ながら『あそこにハトがいるね』と伝えてお互いに確認するだけで視覚と聴覚の刺激になります。風を感じる、暑さや寒さを感じるだけでも触覚の刺激になります。いろんなお花のにおいを嗅いだりしたら嗅覚の刺激に。1歳になれば泥んこ遊びをしたら触覚を刺激できます。いろんな食べ物を味わうのは味覚への刺激になります。特別な遊びをたくさんするよりも、日常生活を丁寧に楽しむことこそが子どもを伸ばすことにつながります」

2.【Artsを伸ばす】その子自身が好き・楽しいと思えることから始める

「Artsで大切なことは、正解がないものを楽しむ力です。1のSTEMの部分と同じように直接体験から始めてほしいのですが、直接体験の中には終わりがないもの、そして正解がないものがたくさんあります。泥んこになって遊んでいる中では正解なんてものは存在しません。どんなことをしたら正解なのか、それとも失敗なのか。何をしたらおしまいになるのかは自分次第です。

そこにあるのは、ただただ『それをやってみたい!』とか『楽しい!』という思いだけです。泥にもっと水を入れたらどうなるだろう? 泥団子をつくるにはどうしたらいいだろう? 山をつくって頂上から水を流したらどうなるだろう?このようなところから自ら課題を見つけ、そして探究していく姿勢が育まれます」

3.大人は子どもに自由な時間と場所を与えてあたたかく見守る

「子どもが集中して物事に取り組み探究していくためには、集中して試行錯誤するだけの時間とそれを許可してもらえる場所が必要です。またその試行錯誤をあたたかく見守って口出しをされないことも重要となります。

子どもは集中して何か行い、ふとそれができあがったときに、顔を上げて大人のほうを見ます。そのときににっこりと『見ていたよ』の合図を送ってあげると、子どもはまた安心して集中することができます。ぜひあたたかく見守ってほしいと思います」

STEAM教育を取り入れている家庭の例

実際、ゼロ歳からSTEAM教育を取り入れている家庭では、こんなことを行っているという。

●雨の日や雨上がりこそ外で遊ぶ

「雨の日はおうちの中で…、と思う方も多いかもしれませんが、私の教室の生徒さんには、夏の雨の日は外遊び!とタオルを持って公園に行ったり、お散歩に出かけたりする方が多くいらっしゃいます。ゼロ歳の赤ちゃんは抱っこで、歩けるようになったら長靴をはいて公園やお散歩へ。いつもと違う外の雰囲気、雨のにおい、雨の音を思う存分楽しんでいるようです。雨が上がった後は、水たまりに入って遊んでダイナミックに五感を刺激しているとよく聞きます」

●おうちで一緒にお料理

「子どもが一人でしっかり立てるようになってきたら、レタスをちぎるような簡単なものから一緒にお料理をオススメしています。新鮮な野菜のにおいをかいで、触れて、そして一緒につくったものを食べて味わう。食材から料理になる過程も見られます。

STEAM教育なのに家庭科?と思うかもしれませんが、料理は材料の変化、数量、機械の使用、そして新しい料理を創造していくなど、まさに横断的な学びにつながるSTEAM教育といえます」

STEAM教育を幼少期に行うときの注意点

ゼロ歳からSTEAM教育を始めれば、幼少期を通してSTEAM教育を意識した子育てになるだろう。STEAM教育を幼少期に行う場合に、注意したい点を会田氏に聞いた。

●安易に正解や上手なやり方を教えない

「子どもが試行錯誤していると、『もっとこうしたらいいのに』と思い、良かれと思って『こうやってみたら?』と声をかける方がいらっしゃいます。しかし、その試行錯誤こそ子どもの探究する力になっていきます。何より『失敗なくして成功なし』という言葉の通り、失敗するからこそ学ぶことが多くあります。

また、大人に声をかけられたことにより、子どもは正解がないものを楽しむのではなく、大人が望む正解を出す方向にシフトしてしまいます。ぜひ、危ないこと以外は『失敗する』『時間がかかる』とわかっていても、見守ってあげてほしいです」

●年齢に応じた教育を行う

「年齢によって必要な教育は変わってきます。今回は『ゼロ歳から』というテーマのため五感を中心とした刺激のお話を行いました。そこから1歳、2歳、3歳・・・9歳、10歳と年齢によって必要な学びは異なってきます。ぴったり何歳になったから、というものはありませんが、ゼロ歳に必要なことと6歳に必要なことは異なりますので、年齢に応じて教育をしてほしいと思います。

STEAM教育と聞くと、早くから科学実験の本を買って一緒にやってみたり、プログラミングを始めようとされる方もいらっしゃいますが、子どもの脳はまだまだ成長過程です。『早ければ良い』なんてことはありませんので、早く早くと追い込むのではなく、いまの年齢・月齢に必要なものを選んでください。年齢にあわせて内容を選ぶことは、STEAM教育に限らず、すべての教育の必須条件でもあり、年齢にあわせた教育をするということが、きちんとその後の学びと成長の土台を培うことにつながります」

●子どもの「好き!」「楽しい!」を大切に

「STEAM教育が広がったのは、IT人材の不足からでした。しかし本当に必要なのはIT機器を扱える人間ではありません。時代はAI時代。AIに使われる人間ではなくAIを使う人間になること。つまり、人間にこそできることを行うことです。その、人間こそできることが、感性の部分を生かした創造です。

教育や学力というと『何を知っているか』『何ができるようになるか』をイメージすることが多いです。しかし、技術面も非常に大切ではありますが、何かができるようになることよりも、自らの感性を生かして、探究し、一生涯学び続けることが欠かせなくなっています。

そこには、『好き』『楽しい』などのプラスの感性が源になってきます。乳幼児期から子ども自身が『好き』『楽しい』と思えるようなことを大切にしていくことこそ、これからの時代に合った教育法と言えます。

『STEAM教育だから』と肩に力を入れるのではなくまずは目の前のお子さんをよく見て、どんなことに興味を持っているのか、どんなことが好きなのかをよく見て、そこを一緒に楽しんでほしいと願っています」

STEAM教育に興味はあるものの、何から始めればいいかわからない、という親にとって、一歩を踏み出せそうなヒントがたくさんあった。ぜひ目の前の子どもの年齢に応じて、STEAM教育を始めてみよう。

取材・文/石原亜香利

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