ファッションアプリ利用率ランキング
コロナ禍の消費者の行動変化によって、オンライン(インターネット)とオフライン(実店舗)の垣根を超えて顧客に最適なサービスを提供するというようなOMO(Online Merges with Offline)の推進が加速している。
そこでスパコロは、全国15~59歳1,934名を対象に実施した「ファストファッションアプリ利用についての調査」結果を発表した。
ファストファッション6ブランドのなかで公式アプリ、1年以内購入率ともにトップは「ユニクロ」
ファストファッション6ブランドのなかで、「ユニクロ」が最も公式アプリの利用率が高く、オフライン・オンライン問わず1年以内の購入率も最も高い結果となった。次いで、公式アプリ、購入率ともに高いのは「GU」。3位は「しまむら」が続く結果だった。
公式アプリの利用率では「ユニクロ」、「GU」が2強となっており、「しまむら」は、1年以内購入率は24.2%と「GU」と大差はないものの、アプリ利用率には顕著な差がみられる。
ユニクロ公式アプリ利用者の半年以内の実店舗利用率は、アプリ非利用の2倍を超える?
ここからは、公式アプリの利用者が最も多かったユニクロに焦点を当てて結果をみていこう。
公式アプリの利用の有無で実店舗の利用頻度を比較すると、アプリ利用者は非利用者に比べ、店舗利用頻度が非常に高いということがわかった。アプリ利用者の半年以内実店舗利用率は79.0%。この割合はアプリ非利用者(30.3%)の2倍以上。1シーズン(3ヶ月に1回以上)の利用率でみると、アプリ利用者と非利用者間でその差はさらに大きくなっている。
公式アプリ利用者は、非利用者に比べ顧客ロイヤルティが顕著に高い
ここでは、顧客のロイヤルティを測る指標の1つであるNPS®(ネット・プロモーション・スコア)を用いて、公式アプリ利用の有無とNPS/推奨意向の関係をみていこう。
ユニクロのNPS®は、1年以内ユニクロ購買顧客における公式アプリ利用者で-10.1、非利用者で-29.0と、19.7ポイントもの差が生じている。アプリ利用者のロイヤルティは非利用者に比べ顕著に高いと言える結果となった。
ユニクロ公式アプリは、主に「お得さ」、「店頭でのバーコード提示」、「ほしいアイテムチェック」を目的に利用されている
では、ユニクロ公式アプリはどんな目的で利用されているのでしょうか。利用目的トップ5は、スコアが高い順に「セール情報・チラシのチェックのため」(24.6%)、「クーポンをもらう・使うため」(22.9%)、「店頭・レジでバーコードを提示するため」(19.7%)、「ほしいファッションアイテムを探すため」(19.5%)、「値引商品のチェック・買い物のため」(19.2%)。
上位の傾向より、ユニクロ公式アプリは、主にセールやクーポンなどのお得さ、店頭でのバーコード提示、ほしいアイテムチェックのために利用されているということがわかった。
総論
今回の調査では、ファストファッションのOMOに着目して調査を行った。
ファストファッション6ブランドのなかでみると、ユニクロが最も公式アプリの利用率が高く、アプリ利用者のほうが非利用者に比べ、頻度高く店舗を利用していることや、顧客ロイヤルティも高いことがわかる。
そして、ユニクロはアプリ利用によるお得さなどのメリット提供のほかに、このコロナ禍で実店舗での買い物を効率的にすませたい顧客に対して、アプリで在庫を確認できるメリットを提供し、評価されていることがわかった。
オンラインとオフラインの垣根を超えたマーケティングは、今まさに速いスピードで進化しており、新しい取り組みが次々となされている。
このような変化が速い時代だからこそ、アンケート等を介し、消費者の声をいち早く、こまめにキャッチしてみてはいかがだろう。
調査概要
スパコロ『ファストファッションアプリ利用についての調査』
調査方法:全国15~59歳を対象としたインターネットリサーチ
調査期間:2021年8月27日(金)~31日(火)
有効回答数:1,934名 ※全国の人口構成に合わせたウェイトバック集計を実施
構成/ino.