
デジタルアート作品に桁違いな値がつくなど一大ブームの「NFT」。その市場は急拡大しつつあり、IT業界に〝産業革命〟をもたらし、世界経済の有り様を変えるともいわれている。具体的に、私たちの生活をどう変えるのか。
資本主義を変える可能性あり単なる〝バブル〟では終わらない
コピーし放題であり、それゆえ無価値だったはずのデジタルデータが今、〝1点モノ〟の価値があるとして高値取引されるケースが増えている。2021年3月には、海外のデジタルアート作品に約75億円もの値がついた。これまでは〝リアルのモノ〟でしかできなかったことが、デジタルでも可能になった。その立役者が、NFTというブロックチェーン関連技術だ。
その機能は一言で言うと「デジタル権利証」だ。ブロックチェーンが持つ「改ざんされにくい性質」と「いつ、誰が取引したかの履歴が残る(トレーサビリティー)」という特徴を利用することで、コピーし放題だったデジタルの世界での絵画や動画といった創作物の「所有権」や「価値」を証明できるようになった。
これに注目したクリエイターが続々と作品をNFT化している。さらに、一攫千金を狙う投資家がデジタル作品を〝青田買い〟したことが重なって、前述のようなアート作品の高騰が起こっている。
それと並行して、NFT市場も急速に拡大しつつあり、大手マーケットプレイスとして知られる「OpenSea」では、2021年1月の流通額は800万米ドル(約9億円)だが、同年6月には1億6000万米ドル(約176億円)と20倍に急成長した。
この話だけなら「バブルが起きているだけでは?」と思うかもしれないが、そうではない。NFTは「資本主義経済を大きく変える」と期待されているのだ。
どういうことか。従来のデジタルデータは、コピーし放題ゆえに価値がつかなかった。有名なイラストレーターが描いたイラストでも、SNSで配布されれば値段がつかないということを想像すればわかりやすいだろう。
だが、NFTはコピー不可能なので、発行する量をコントロールさえすれば需給バランスの調整が可能になる。もし1000人にイラストを配布したいなら、イラストとセットになるNFTを1000だけ発行し、市場に並べればよいというわけだ。
誰もが知っている有名企業が、この〝1点モノのデジタルデータ〟を利用した新規サービスを続々と始めている。NFTが社会のあらゆる場面に浸透するのは、もはや時間の問題だ。
NFTのよくある「5つの疑問」に答えます!
【Q1】NFTって簡単に言うと何?
[A]デジタルアート作品やスマホゲームのアイテムなど「デジタル資産」の権利証
誰でも、何度でもコピーできる一般的なデジタルデータと異なり、NFTは複製不可能で”唯一無二”だ。その特徴を利用して、オンライン上で取引されるデータの所有権を証明する「権利証」として使用される。
【Q2】NFTはどこで買える?
[A]Web上の「NFT売買マーケット」で購入可能
一般的にはオンライン上にある「マーケットプレイス」で購入する。現状では絵画専門のマーケット、スポーツ関連マーケットといったように取り扱う種類によって細分化されている。
【Q3】NFTは誰が発行する?
[A]クリエイターをはじめデジタル資産の保有者が発行
誰でも発行可能だが、基本的にはデジタルデータの原著作者が発行する。NFT売買を行なえるウェブサイト「マーケットプレイス」が原著作者の代わりに発行する場合もある。
【Q4】NFTはどこに保管される?
[A]スマホやPCのウォレットアプリで保管
スマホやPCに無料でインストールできる「ウォレット(財布)アプリ」に保管する。ウォレットアプリでは仮想通貨を保管できるケースがほとんどだ。NFTを購入したマーケットプレイスで保管できることもある。
【Q5】NFTと仮想通貨の違いは?
[A]仕組みはよく似ているが、違いは「資産価値を証明できる機能」の有無
NFTはデジタルの世界での「商品」で、仮想通貨はNFTの購入に使用される「通貨」だが、ともにブロックチェーン技術を利用することで取り引きの透明性の確保やデータ改ざんを防止できるなど共通点は多い。
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取材・文/編集部