スマホやタブレットが社会の隅々まで普及した今も、一定数の「手書き派」が存在する。
ある時、ポンとアイディアが浮かんだ。それをバッグの中のノートに書き写して仕事に役立てる……という習慣を持っている人もいる。
もし紙に書いたことが、そのままスマホやタブレットに転送されたら……。
そこで今回は、クラウドファンディングMakuakeに登場した電子ノート『RoWrite2』を試してみよう。
手書きの内容を即座にデジタル化
以前、@DIMEの取材で訪れた会社でのこと。その会社の社長は、筆者にこう言った。
「私は寝る時、必ず枕元にノートを置くんですよ。アイデアというものは、いつ浮かんでくるかわからない。それをすぐさま書き留めないと、忘れてしまいますからね」
スマホという文明の利器があるのに……いや、だからこそ「自分の手でペンを動かす」という行為がモノを言うのだと悟った。
ただ、自筆で書いたものをデジタル化するとなると少し厄介だ。スマホで写真を撮るのか、スキャナーに通すか、それともノートにしたためた内容を手打ちでGoogleドキュメントに移すか。いずれにせよ、面倒な作業を強いられる。
というわけで、『RoWrite2』を使ってみよう。これは何と、紙のノートに手書きした内容がリアルタイムで電子化されるという製品だ。
スマホもしくはタブレットに専用アプリを入れ、『RoWrite2』と紐付けする。接続はBluetoothだ。
専用のペンを使って、まずはノートに名前を書く。するとアプリをインストールした筆者のスマホにも、縦書きの「澤田真一」という文字が。
これはすごい! 筆者の癖のあり過ぎる字が、そっくりそのままアプリに反映されている。
「思いつき」をすぐに共有できる!
筆者は自分でもウンザリするほどの悪筆だ。
だから、画像を公開するかどうかは少し悩んだ。が、製品を試した成果は偽りなく公表しなければならない。「澤田の字、どうしようもなく汚ねぇなぁ」と言われることは、もちろん承知の上。
実際に使ってみると、本当に気持ちがいい。自分の手書きの文章が即座にデジタル化されるというのは、眠気も吹き飛ぶほどほど爽快だ。
同時に、ある時突然浮かんだアイディアをFacebookやWhatsAppを使って送信することもできる。「ちょっとこんな案が浮かんだんだけど、みんなどう思う?」という具合に、「思い付きの共有」も自由自在。敢えて大きな話をすると、たった今自らの脳内が想像した世界観で現実の世界を変革させることもできるはずだ。
個人の妄想が世界を変える
自分自身の妄想、思いつき、衝動的な発想。これらをものの数分……いや、十数秒で世界中に発信する。
とんでもない時代になったものだ。
個人の妄想が世界を変える、ということはしばしば発生する。それは見方を変えれば、個人の妄想に数多くの人が賛同したという意味だ。発信と受信の速度が上がれば、情報交換もより迅速になっていく。
『RoWrite2』は、人間が本来持っている可能性を引き出すガジェットではないかと筆者は解釈している。
そして『RoWrite2』の目指すところは、製品そのものの普及というよりも「『RoWrite2』が新しい事業や製品を作る」という点ではないだろうか。つまり『RoWrite2』を使うことにより発展したアイディアが、大きなビジネスとして昇華する瞬間である。
1700万円以上の出資金が!
紙に書いたものを即時デジタル共有する『RoWrite2』は、Makuakeでのキャンペーンを成功のうちに終えた。目標金額50万円に対して、実際に集まったのは1700万円以上。サポーターは962人である。
もしかしたらこの962人のサポーターから、世界を変えるほどのビジネスを創出する人が登場するかもしれない。
※クラウドファンディングには立案会社の問題でプロジェクトが頓挫する可能性や支援金が戻らなくなるリスクも稀にあります。
出資に当たっては、読者様ご自身でご判断いただきますようお願い致します。(編集部)
【参考】
ノートに書いたものがすぐにデータ化!電子ノート「RoWrite2」-Makuake
取材・文/澤田真一