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駆け落ちとは、結婚を反対されたことが理由で恋人と行方をくらまし逃げることをいいます。気持ちばかりが盛り上がっている可能性もあるため、冷静な判断が必要です。この記事では、駆け落ちする男女の心理と知っておきたいリスクを解説します。
駆け落ちとは?
『駆け落ち』は映画やドラマで描かれることも多く、広く一般的な言葉です。改めて言葉の意味や、駆け落ちをすることで得られるメリットについて確認していきましょう。
愛し合っている男女が一緒に逃げること
駆け落ちとは『愛し合っている男女が、親や周囲の人から結婚の同意を得られないために、一緒に逃げること』をいいます。
映画やドラマで愛し合う男女が駆け落ちする場面が描かれる場合、大体の場合において悲劇的な状況です。ほかに選択肢がないため、2人で別の場所へ逃げて暮らすことを心に決めます。
お互いに置かれている状況・経歴・社会的立場などを理由に、親から結婚を認めてもらえないケースは少なくありません。
愛し合っているのに関係を認めてもらえないことから駆け落ちを考える人も多いですが、反対を押し切る形になるため辛い決断を迫られるといえるでしょう。裁判沙汰になるケースもあるシビアな問題です。
駆け落ちのメリット
リスクの高い駆け落ちですが、考え方によってはメリットもあります。駆け落ちをすれば「好きな人とずっと一緒にいたい」という願望は叶います。「好きな人と家庭を築きたい」「好きな人の子どもを産みたい」というような願望を叶えることも可能です。
心配されているからこその反対意見だと分かっていても、周囲の人から2人の関係について口出しされるのは気持ちの良いものではないでしょう。
駆け落ちをすることで、思いの真剣さが周囲に伝わる場合もあります。また、お互いの気持ちが本気かどうかを確かめるきっかけにもなるでしょう。
駆け落ちを決断する理由
いくら愛し合っていたとしても、できれば駆け落ちという選択は取りたくないものです。駆け落ちを決断するのは、どのような理由があるのでしょうか。
選択肢が限られ、目の前に障害があるほど、気持ちが高まってしまうこともあります。
ほかに選択肢がない
相手に経済力がない・年齢が離れ過ぎている・不倫関係である・両者ともに結婚している・宗教や文化に大きな違いがあるなど、周囲が結婚を反対する理由はさまざまです。
親から反対されると、「どうして理解してくれないのか」という気持ちばかりが膨らんでしまうことでしょう。周囲の理解を得られないと、「駆け落ちするしか選択肢がない」という思考へ走ってしまいがちです。
また、すでにお腹に赤ちゃんがいる・相手が病気を患っている・医者から余命宣告を受けているなど、判断を先延ばしにできない状況に置かれている場合も、駆け落ちを決断する理由になることがあります。
障害があるほど気持ちが高まる
例えば、校則が厳しいほどルールを破りたくなる、ゲームを禁止されると余計にやりたくなるというように、人間は自由を奪われると無性にそれらを取り戻したくなるものです。
自由に恋愛する権利が周囲の人によって奪われると、反発心が生まれて、余計にその権利を取り戻したくなります。「いけない」と分かっている相手だからこそ、欲してしまうこともあるでしょう。
映画やドラマの影響から、恋愛が悲劇的であればあるほど魅力的に感じることもあります。渦中に自分がいることで、さらに気持ちが高まってしまうのです。
駆け落ちにはリスクがある
一見ドラマチックな駆け落ちですが、リスクの高い選択です。後から後悔しないためにも、駆け落ちのリスクは事前に把握しておきましょう。知っておくべき三つのリスクについて解説します。
仕事や人とのつながりを失う
駆け落ちをすると、誰も自分たちのことを知らない場所で、一から生活を始めなければなりません。これまで続けてきた仕事も辞め、築いてきた人とのつながりも失わざるを得ないということです。
新しい土地で一から人脈を築くのは、想像以上の苦労があります。次の仕事が見つかる保証もどこにもありません。今まで持っていたものをすべて捨てる覚悟で駆け落ちしないと、後々後悔することになります。
また、仕事を始めることで居場所がばれてしまうこともあるため、安易に考えるのは危険です。慎重に職種を選ばなければなりません。駆け落ちをしたことで、以前勤めていた会社に迷惑がかかることもあります。
別れる可能性がある
駆け落ちをする前は、「今置かれている状況から早く抜け出したい」「好きなのに思うように会えない」といった気持ちから、判断を焦ってしまいがちです。
いざ駆け落ちをすると冷静になり、お金の問題や生活する上での苦労が、どっと押し寄せてきます。浮気をしたり、相手への気持ちが冷めたり、暴力や借金などが原因で「どうして駆け落ちなんてしてしまったのだろう」と後悔する人も少なくありません。
ある調査では、駆け落ちした半数以上は別れてしまうという結果も出ています。駆け落ち後に別れても以前住んでいた土地には戻りにくく、一人で生活を立て直す必要も出てくるでしょう。駆け落ちしたからといって、2人の永遠の仲が保証されるわけではないのです。
生活が安定しにくい
先に解説した通り、駆け落ちをすると、これまで働いていた会社を辞める必要があり、新たな土地で職探しをしなければならなくなります。すぐに次の仕事が見つかるとは限らず、就職自体が難しい場合もあるでしょう。
生活を変える際には、さまざまなことにお金がかかります。引っ越し費用・新たな住まいの家賃・生活に必要な家具家電と大きな支払いが続けば、あっという間にお金は無くなってしまいます。金銭的な厳しさから生活が不安定になるのは目に見えています。
住民票を移せばすぐに居場所が分かってしまうため、簡単に病院通いや役所での手続きもできません。後ろめたさから周りの人の目が気になり、疑いの心が大きくなってしまうこともあります。
駆け落ちを成功させるには?
高いリスクを理解した上で、それでも駆け落ちを選択する場合、どのような準備が必要なのでしょうか。駆け落ちを成功させるために必要な三つのポイントを解説します。
これまでの生活を捨てる覚悟を持つ
駆け落ちをすると決めたのであれば、今までと同じ生活を送ることはできないことを十分に理解しておきましょう。準備が不十分なまま、勢いだけで駆け落ちをするのは危険です。
駆け落ちをした後の生活では、想像している以上に過酷な現実が待っています。両親や友達との連絡は絶たざるを得なくなり、これまで以上に孤独を感じることがあるかもしれません。
駆け落ちをするなら、これまでの生活をすべて捨てる覚悟が必要です。2人のうちどちらか一方でも中途半端な気持ちがあるのであれば、駆け落ちしてもすぐに破局してしまうでしょう。
貯金をしておく
新しい仕事が見つかり、安定した収入を得られるようになるまでは、落ち着かない生活が続きます。しばらく貯蓄で生活する必要があり、十分なゆとりを持っていなければなりません。
両親や友達に金銭面でサポートしてもらうことはできないため、2人の経済力は必要不可欠です。
また、金銭的な余裕は精神的な安定につながります。いざ駆け落ちをしても、お互いに経済力がなければ心の余裕も無くなり、けんかが絶えなくなってしまうでしょう。
駆け落ち後は気持ちが不安定になりやすいため、ある程度の貯金がなければ新生活もつまずいてしまいます。
しっかり話し合いをする
駆け落ちをするのであれば、新しい生活環境を整える計画的な準備が必要です。
新しい住まい・会社を退職する時期・生活に困らないためのお金の準備・駆け落ちするタイミングなど、具体的な計画を立てておかないと、自分たちが苦しむ結果になってしまいます。
現実的な問題についてしっかりと話し合えないということは、駆け落ちしてから起こりうる問題についてもきちんと向き合えないということです。現実的な問題を直視できないのであれば、駆け落ちしても失敗してしまうでしょう。
2人で決めた判断なのであれば、今後の生活について未来を見据えた話し合いをする必要があります。駆け落ちをイメージだけで理解したつもりになるのは大変危険です。
この先起こる問題についてきちんと話し合った上で、2人の将来を考える必要があります。また、駆け落ちすることによって、家族や周囲に心配をかけたり迷惑をかけたりする可能性が多いにあることも、しっかりと理解しておくことが重要です。
構成/DIME編集部