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ワクチンを2回接種した人でも半数以上が「不安疲労を感じることが増えた」

2021.10.08

長期化するコロナ禍。ワクチン接種が進み、新規感染者数はピーク時より落ち着きつつある。しかし、変異株の流行や感染症シーズンによる感染再拡大への不安に加えて、生活の制限や人と繋がる機会も非常に限られた生活が続いており、出口の見えない日常の中で、社会全体に不安や疲労感が蓄積していることが推察される。

そこでパラミロン研究会ではこのほど、本年1月に実施した「第1回不安疲労実態調査」に続き、コロナ禍における不安と疲労の最新実態を把握するために、9月に20~70代の男女1200人にアンケート調査を実施した。

コロナ禍で「不安疲労」が増えたと感じる人が54.5%と半数を超える。

当研究会では、“生活の変化によりストレス・不安を感じることが多くなり、疲労感を感じている状態”を「不安疲労」と呼んでいる。

「不安疲労」は長引くコロナ禍によって顕在化している精神的疲労と身体的疲労が結びついた心身の不調と言える。回答者に「不安疲労」を説明したうえで「不安疲労」を感じているか伺ったところ、全体の54.5%が「不安疲労を感じることが増えた」(前回より1.8pt増)と回答した。

また男性(48.8%)(前回より1.1pt増)に比べ、女性(60.0%)(前回より2.3pt増)の方がより不安疲労を抱えている実態が明らかになった。

不安疲労に関連する不調「疲労感/倦怠感」、「意欲低下」、「ストレス」「睡眠不調」が上位を占める。

次に、最近感じている心身の不調について聞いたところ、1位は「疲労感/倦怠感」(33.7%)、2位は)「なんとなくやる気が出ない・体を動かす気が起きない」(31.8%)、3位「ストレスを感じやすい」(28.7%)、4位「よく眠れない」(18.6%)と「不安疲労」と関連する症状が上位を占めた。

男女で比較すると、不安疲労に関連する4つの症状「疲労感/倦怠感」、「意欲低下」、「ストレス」、「睡眠不調」すべての項目について女性のポイントが高くなっており、女性の方がより強くコロナ禍の影響を受け心身の不調を感じていることが明らかになった。

不安疲労に関連する症状を感じる人は全体の57.0%。

不安疲労に関連する症状「疲労感/倦怠感、意欲低下、ストレス、睡眠不調など」を一つでも感じている人は全体の57.0%に上った。そのうち第5波以降にその症状が悪化していると回答している人は84.1%を占めた。繰り返す感染拡大の中で不安疲労が蓄積し、不安疲労と関連する症状がより深刻化していることがうかがえる。

ワクチンを2回接種した人でも半数以上(50.9%)の人が「不安疲労」が増えたと感じている。

「不安疲労」についてワクチン接種との関連を分析したところ、「1回目接種が完了した」人の64.4%、「接種したいがまだ接種していない」人の61.7%が「不安疲労」が増えたと感じており、ワクチン接種を希望しながら未接種の人と、ワクチン2回接種が完了していない人に「不安疲労」の割合が高い結果に。一方で、「2回目接種を完了した」人も50.9%が不安疲労が増えたと感じており、ワクチン接種を終えた人にとっても「不安疲労」は身近な不調であることがうかがえる。

ワクチン接種の有無に関わらず、半数以上が感染への不安を抱える。

不安疲労の大きな要因について聞いたところ、「自分がウイルス感染すること」(53.8%)、「感染拡大が繰り返されること」(50.5%)、「家族がウイルス感染すること」(48.6%)が上位に並んだ。今までにない第5波の感染急拡大を経験して、「コロナ感染」への不安が増大していることがうかがえる。

「自分がウイルス感染すること」への不安は、「接種したいがまだ接種していない」人の55.3%、「1回目接種が完了した」人の57.1%だけでなく、「2回目接種が完了した」人も53.8%が感染への不安を感じている。

ワクチン接種2回完了した人も不安を抱えている。最も感じる不安は、「感染拡大が繰り返されること」(55.6%)。

ワクチン接種を2回完了した人も、コロナ禍で不安を感じていることがわかった。「感染拡大が繰り返されることへの不安」を、最も多くの人が挙げており、55.6%にのぼった。そのうち64.8%の人が、この夏の第5波以降不安が強まったと回答しており、ワクチン接種を終えても、収束が見えない「感染拡大」への不安を多くの人が抱えている実態が浮き彫りとなった。

特に「高校生以下の子供を持つ母親」の「不安疲労」が顕著!3人に2人が「不安疲労」を抱えている

新型コロナ変異株「デルタ株」の感染拡大に伴い、10代、20代の若年層にも感染が広がっている。その一方で、10代、20代のワクチン接種は遅れているのが現状だ。こうした状況を反映し、女性のなかでも「高校生以下の子供」を持つ母親に「不安疲労」が多くみられ、3人に2人(67.6%)が「不安疲労」が増えたと感じていることが明らかになった。

高校生以下の子供を持つ母親は、「家族が感染すること」(55.2%)

高校生以下の子供を持つ母親が感じる不安の上位は、「自分がウイルス感染すること」(56.2%)、「家族がウイルス感染すること」(55.2%)、「子供が感染すること」(54.3%)がほぼ同じ割合で上位に並んだ。

特に、「子供が感染すること」への不安を感じている母親の82.5%が、第5波以降に、「子供が感染すること」への不安がさらに強まったと感じているようだ。感染クラスターは、第5波以降家庭や学校でも多くみられるようになっており、高校生以下の母親にとっては、子供の感染への不安は依然として根強く残っていくことがうかがえる。

高校生以下の子供を持つ母親の不安疲労関連症状が深刻化!

高校生以下の子供を持つ母親のなかで、不安疲労に関連する症状「疲労感/倦怠感、意欲低下、ストレス、睡眠不調など」を一つでも感じている人は全体の62.9%に上った。

そのうち第5波以降にその症状が悪化していると回答している人が93.9%と非常に高い傾向を示した。第5波による医療体制のひっ迫を肌身で感じ、家庭での家族や子供の感染予防に苦慮した体験を通じて、母親層に不安疲労が蓄積し、不安疲労関連症状が深刻化していることがうかがえる。

20代女性非正規社員の75.0%が「不安疲労」を感じている。他年代と比べ高い割合を示す。

コロナ禍では特に女性の非正規社員がシフト減による減収や不安定な職場環境等により不安を抱えていると言われている。今回の調査でも、女性非正規社員で「不安疲労」を感じる人の割合は64.0%と、女性全体(60.0%)と比べ、4.0pt高いことがわかった。

特に20代女性の非正規社員の「不安疲労」を感じる人の割合が75.0%と顕著に高いことが明らかになった。新型コロナウイルスの感染不安に加えて、コロナ禍による収入の減少など生活への影響が指摘されているが、20代の非正規社員は外食産業や小売店舗でのパートタイム就労する割合が比較的高く、身近に家族のいない単身世帯の方も多いため、出口の見えないコロナ禍が続くなかで、先行きに対する不安感が高まっていることが推察される。

今やりたいことは「国内・海外旅行に行きたい」が48.1%でトップ!行動制限緩和後の行動が予測される結果に。

今やりたいことについて聞いたところ、「国内・海外旅行に行きたい」が48.1%でトップとなった。やはり、長引く自粛生活の反動で、旅行に行きたいという思いは強いようだ。ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用し、外出制限を緩和していくことも視野に入ってきた中で、行動制限緩和後の人々の行動が予測されるような結果となった。

調査総評<予防医療専門医・パラミロン研究会理事久保明先生>

■久保明先生プロフィール
内分泌・糖尿病専門医/医学博士
慶應義塾大学医学部卒業。専門は予防医療とアンチエイジング医学。銀座医院院長補佐・東海大学医学部客員教授・日本臨床栄養協会副理事長。『カリスマ内科医と組み立てるDIY健康大全』(晶文社)他、著書多数。

繰り返される新型コロナウイルス感染拡大の中で、私たちは1年以上に渡りコロナ感染への不安を日々抱えながら暮らしています。コロナ感染への不安だけでなく、日常生活の制限や、コミュニケーションの希薄化など、心身の不調に繋がりやすい社会環境のなかでの生活を余儀なくされています。

パラミロン研究会では、研究の柱の一つとして疲労研究の立場から、長引くコロナ禍による日本人の心身の不調についての実態を調査してまいりました。本年1月実施の調査では、コロナ禍で感じる不調は、「意欲低下」「疲労感/倦怠感」「ストレス」が特徴であることが分かりました。これらの症状は、まさに「不安疲労」による症状であり、過半数の方が不安疲労を抱えている実態が明らかになりました。

第5波の感染拡大の渦中にある本年9月に第2回目の調査を実施したところ、「不安疲労」がさらに深刻化している実態が明らかになりました。ワクチン接種が進んでも多くの方が「感染拡大が繰り返されること」への不安を抱え、「疲労感/倦怠感、意欲低下、ストレス、睡眠不調」を感じておられます。特に「不安疲労」が顕著なのが「高校生の子供をもつ母親」の方々です。

学校や家庭での感染クラスターが増加するなかで、子供たちの学習や交流の機会を与えたいという母親としての願いと感染への不安との板挟みで「不安疲労」が増大していることがうかがえます。これから受験シーズンが本格化する折、子供たち本人とともに母親へのケアが重要なテーマといえます。また、20代女性の非正規社員の「不安疲労」が極めて高い事実からも、社会的に不安定な方々の心身の不調への目配りや、行政や企業などでの健康管理なども重要課題と言えます。

「不安疲労」を感じている人は身体的・精神的どちらの不調も感じやすい状態にあります。継続的なストレスや不安によって自律神経の乱れが続くと、自律神経のバランスが元に戻りにくくなり、常に疲れやすく免疫力の低い体になってしまいます。

「不安疲労」は放置しておくと”うつ”に移行する危険性もあるので、「不安疲労」を感じたら、早めの対処が大切です。過度に「不安疲労」を溜めないためにも、生活のリズムを一定にする・不安要素となる情報を必要以上に見ない・緊張を解くために適度に体を動かす…など自分でできる範囲で「不安疲労」を軽減する工夫をしてみるとよいと思います。

<調査概要>
期間:2021年9月3日~5日
対象:20‐70代男女
回答数:1200人
エリア:関東(1都6県)・関西(2府4県)
手法:インターネットリサーチ
機関:株式会社クロス・マーケティング

出典元:パラミロン研究会
https://paramylon.jp

構成/こじへい

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