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コロナ禍での業績不振を理由とした解雇は「不当解雇」になる?

2021.10.05

コロナ禍により業績を落とす企業が多い中、会社から解雇される従業員も増加しています。

「コロナ禍の影響で収益が減少したから、人件費をカットしたい」

というのが会社の言い分ですが、従業員にとってはたまったものではありません。

このような経営不振を理由とする解雇は、違法・無効であるケースも多いので、法律に則って会社に反論しましょう。

今回は、解雇に関する法律上のルールや、コロナを理由に不当解雇された場合の対処法などを解説します。

1. 解雇の要件は厳しい|労働契約法のルール

日本の労働法では、会社が従業員を解雇するためのハードルは、きわめて高く設定されています。

1-1. 「解雇権濫用の法理」により、多くの解雇は違法・無効に

労働契約法16条に基づき、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利濫用として違法・無効となります。

これを「解雇権濫用の法理」といいます。

従業員側に責任がないにもかかわらず、会社都合で一方的に行われる解雇は、ほとんどの場合、解雇権濫用の法理によって違法・無効になると考えられます。

そのため、解雇されても泣き寝入りせずに、弁護士などに相談して、解雇の無効を主張できないかを検討しましょう。

1-2. 経営不振による解雇に適用される「整理解雇の4要件」

コロナ禍による売上減少など、経営不振を理由とする解雇は「整理解雇」と呼ばれます。

整理解雇は、会社の都合による部分がきわめて大きいため、「整理解雇の4要件」によって厳しく制限されています。

具体的には、整理解雇が適法と認められるためには、以下の4要素を備えていなければなりません。

①経営上の解雇の必要性

解雇をしなければ倒産するなど、整理解雇の必要性が高度に認められることを意味します。

②解雇回避努力義務の履行

配置転換・出向・希望退職者の募集・役員報酬のカットなど、解雇以外の方法によって、経営を立て直す努力を十分に尽くしたことを意味します。

③被解雇者選定の合理性

整理解雇する人を選ぶための基準が客観的・合理的であり、かつ基準に沿った選定が行われていることを意味します。

④労使間での協議

整理解雇の必要性・時期・方法・規模・人選の基準などにつき、説明・協議のプロセスを通じて、従業員側の納得を得る努力を尽くしたことを意味します。

「コロナ禍だから」というだけで行われた安易な解雇は、整理解雇の4要件を満たさない可能性が高く、違法・無効である疑いが強いといえます。

2. コロナを理由に不当解雇された場合の対処法は?

コロナを言い訳にして、会社から不当に解雇されてしまった従業員の方は、以下の方法で会社に対して反論を行いましょう。

2-1. 解雇の無効を主張して、復職を求める

不当解雇は、前述の「解雇権濫用の法理」によって無効となります。

解雇が無効ということは、依然として従業員の地位を失っていないわけですので、会社に対して復職を主張しましょう。

解雇の無効を主張する際には、事前に会社に対して「解雇理由証明書」(労働基準法22条1項)の発行を請求し、会社が主張する解雇の理由を把握したうえで、法的な観点から反論することが有効です。

2-2. 解雇期間中の賃金を支払うように請求する

不当解雇によって職場を離れていた期間も、労働契約は存続しているわけですから、会社は従業員に対して賃金を支払う義務があります。

「解雇されている間は働いていないじゃないか」

と反論されたとしても、働けなかったのは会社の責任ですので、賃金が発生することに変わりはありません(民法536条2項)。

解雇の無効を主張するのと併せて、解雇期間中の賃金全額を請求しましょう。

2-3. 解決金を受け取って和解する

いったん解雇された会社は居心地が悪いという場合は、退職自体は受け入れたうえで、会社から解決金を受け取って和解する方法も考えられます。

和解により解決する場合、解雇期間中の賃金全額に、一定の退職金相当額を加えた金額を、解決金として受け取れるケースが多いです。

解決金の具体的な金額については、会社との交渉次第となりますので、勝手がわからなければ、弁護士に交渉を依頼するとよいでしょう。

2-4. 労働審判や訴訟を利用する

復職や解決金の支払いなどについて、会社との交渉がまとまらない場合には、労働審判や訴訟などの法的手続きを利用しましょう。

労働審判は、手続き全体が3か月程度で完了するため、迅速に解決まで至りやすいメリットがあります。

ただし、労働審判に対して異議が申し立てられると、訴訟手続きに移行してしまいます。

そのため、労使の主張がかけ離れている場合には利用しにくいのが、労働審判の難点です。

これに対して訴訟は、紛争を終局的に解決できる点が最大の長所です。

その一方で、判決が確定するまでに半年~1年以上と、時間がかかり過ぎるデメリットがあります。

労働審判と訴訟は、それぞれ一長一短の手続きなので、状況に合わせて適切な方を選択しましょう。

また、手続きへの対応は煩雑なため、弁護士への依頼をお勧めいたします。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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