今や街で見かけない日はないといえる、SUV。その多くは5ドアハッチバックで、3列シートのタイプも人気だ。
1998年9月22日より全国のベルノ店で発売されたホンダ「HR-V」は、3ドアハッチバックのSUVだった。1.6LエンジンにFF&4WDが組み合わされた同車は、スタイリッシュなフォルムで人気を集めた、後に5ドア仕様も加えて使い勝手を向上。2006年まで販売された。
決して長命とは言えないモデルであったが、ホンダらしい個性豊かなモデルは2020年代の今見ても、十分スタイリッシュだ。
そんなホンダ「HR-V」の歴史を簡単に振り返りつつ、中古車を現在も手に入れることができるのか? 相場も含めチェックしてみた。
ホンダ「HR-V」の誕生
1998年9月21日に発表されたホンダ「HR-V」は、ワゴンでもクロカンでもない、ひと目でわかる斬新なスタイリングを目指して開発された。
個性的なマルチリフレクターヘッドライトにビッグ&ワイドバンパーを組み合わせ、さらにアンダーガードをバンパーと一体化したデザインにして、引き締まったフロントビューとなった。
リアはスパッと断ち切ったように直立した形状で、ピラー部に配したリアコンビネーションランプがワイド感を強調する。
インテリアもツインバイザーとツートーンカラーのスポーティなインストゥルメントパネルを採用。高いアイポイントから見下ろすような視界で開放感に優れる。
また、SUVにしてはスポーティなデザインのシートが、3ドアハッチバックの軽快なイメージによく似合う。
そして、多彩なシートアレンジにより遊び道具がたっぷり積めるのも、ホンダ「HR-V」の魅力だった。
〝5ナンバーサイズ〟に収まり使い勝手に優れたホンダ「HR-V」
ワイドに見えるデザインから、ホンダ「HR-V」は大きく見えるが、全長3995×全幅1695×全高1590mmと〝5ナンバーサイズ〟にしっかり収めたコンパクトモデルだ。
また、最小回転半径5.0mと街中での取り回しも苦にならない。
エンジンは「1.6L VTEC」と「1.6L 16バルブ」の2種類が用意された。1.6L VTECにPGM-FIを組み合わせると、最大出力は125PS/6700rpm、最大トルクは14.7kgm/4900rpmを実現する。
1.6L VTECエンジンを搭載した「JS4」グレードは、4WDと組み合わされても車両重量は1190kgからと軽量。キビキビとした走りを可能にした。
1999年7月には5ドア仕様を追加
3ドア仕様に加え、1999年7月30日より、全国のベルノ店で5ドア仕様が追加、販売された。
3ドア仕様に対して全長とホイールベースを100㎜延長し、後席の居住性は格段に向上した。
フルフラット機構付きフロントシートやリクライニング機構をもつリアシートを採用。高評価だった使い勝手がさらにアップした。
最終型は2003年10月に登場。2006年まで販売された。
2003年10月21日に、ホンダ「HR-V」はマイナーモデルチェンジを実施。この時点で3ドア仕様はラインアップから外された。
この最終型は2006年を持って、国内販売を終了している。