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脳内の鉄を減らす食習慣が認知機能の低下を抑制する可能性、ケンタッキー大学研究報告

2021.10.03

脳内の鉄を減らす食事で認知機能低下が抑制される?

魚やナッツ、オリーブ油などの食品の摂取量が多い高齢者は、脳内に沈着している鉄の量が少なく、記憶力に優れているというデータが報告された。

米ケンタッキー大学のValentinos Zachariou氏らによる研究の結果であり、「Neurobiology of Aging」10月号に論文が掲載された。

鉄は脳が正常に働くためにも必要だが、加齢に伴い過剰な鉄が脳内に沈着してしまうことがある。脳への過剰な鉄の沈着は、記憶力や思考力といった認知機能の低下に関係しているとする報告もある。

ただしZachariou氏によると、実際に脳内に沈着した過剰量の鉄が原因で認知機能が低下するのか、および、鉄の過剰沈着を防ぐことで認知症を予防可能かは不明という。こうした中、同氏らは、鉄の過剰沈着を防ぐ方法の候補として、食事に焦点を当てた。

Zachariou氏らは、ビタミンEならびに魚やナッツ、オリーブ油などに豊富に含まれている栄養素に着目。これらの栄養素の摂取量が多い高齢者は、脳内の鉄濃度が低い傾向にあることを、脳MRI検査から明らかにした。

また、これらの栄養素の摂取量が少ない高齢者と比べて、摂取量が多い高齢者は、記憶力検査の結果が優れていた。

ただしZachariou氏は、この研究結果はそれぞれの関連を示したに過ぎず、因果関係を証明するものではないことを強調。因果関係の確認には、前向き介入試験を実施する必要があるとしている。

食習慣が認知機能の低下の抑制に関連することを示した研究結果は、これが初めてではない。魚やオリーブ油、野菜、全粒穀物を多く摂取する伝統的な地中海食が、高齢者の認知機能の高さと関連することが指摘されている。

また、地中海食に加えて、ベリー類や緑黄色野菜といったビタミンEが豊富な食品も積極的に摂取するMIND食にも、同様の関連が認められている。

これに対してZachariou氏らが行った研究は、特定の食事スタイルとの関連を評価したのではなく、過去の研究で脳内の鉄濃度に影響を与えることが示されていた食品との関連を評価した。ただ、Zachariou氏は、「われわれの研究から得られた知見は、これまでに報告されている地中海食に関する知見と重なる部分も多い」と語っている。

Zachariou氏らの研究には61~86歳の健康な男女73人が参加した。研究参加者には過去1カ月間に摂取した食品のほか、運動や飲酒などの生活習慣についても報告してもらった。
 
その結果、脳内の鉄の濃度と記憶力の両方に関連している栄養素として、ビタミンE、リジン、オメガ3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)、オメガ6脂肪酸のリノール酸が浮かび上がった。これらの栄養素の摂取量が多い人は、脳内の鉄の濃度が低く、記憶力が優れていた。

この関連は、年齢や性別、運動・飲酒習慣、教育歴など、結果に影響を及ぼし得る因子を調整後にも認められた。

米国の登録栄養士であり、日常的に高齢者と多く接しているAngel Planells氏は、この報告を「有望な結果であり、今後さらなる検討が期待される」と論評。

その上で、「年齢を問わず米国人のほとんどは、栄養学的に望ましい食事とはかけ離れた食生活を送っている」と解説。いきなり食習慣を全て変えるのではなく、週に1回はシーフードを食べるようにする、間食用にナッツを用意しておくなど、少しずつ継続的に食事を是正していくことを勧めている。(HealthDay News 2021年9月13日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0197458021002104

構成/DIME編集部

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