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「iPhone 13」シリーズ4機種を徹底検証!動画、静止画、使ってわかった超高性能カメラの実力

2021.09.29

■連載/石野純也のガチレビュー

 iPhone 13シリーズが、ついに発売された。ラインナップは「iPhone 13 mini」「iPhone 13」「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」の全4機種。大きなくくりでは、製品名に“Pro”がつくiPhoneと、そうでないiPhoneで機能やスペックがわかれる。望遠カメラの有無や、ディスプレイのリフレッシュレートなどがProとPro以外の主な差分。フレームの素材もはProがステンレススチール、無印がアルミニウムで、デザインでも差別化を図っている。

 2020年に発売されたiPhone 12シリーズの場合、「iPhone 12 Pro Max」が最上位モデルと位置づけられ、カメラのセンサーサイズが大きかったり、センサーシフト式の手ブレ補正を採用していたりしたが、iPhone 13シリーズではこうした違いはなくなり、ユーザーにとって選びやすくなったと言えるだろう。心臓部のチップセットには「A15 Bionic」を搭載し、処理能力もさらに向上。それを生かし、撮影関連の機能にも磨きがかかっている。

 一方で、デザインやコンセプトを踏襲したこともあり、見た目の変化は少ない。iPhone 12の性能が十分な高さだったため、進化したポイントがわかりづらいという人もいるはずだ。特にカメラ機能は、使ってみるまで実感がわきづらい。そこで、iPhone 13シリーズの実機を試用し、注目の新機能をチェックした。ここでは、そのレビューをお届けしよう。

カメラを大幅に進化させたiPhone 13 Pro(左)と13 Pro Max(右)

標準モデルとなるiPhone 13(左)と、コンパクトモデルのiPhone 13 mini(右)

凝った動画を撮りたくなる新機能の「シネマティックモード」

 iPhone 13シリーズで特筆したいのは、動画機能だ。新たに搭載された「シネマティックモード」では、動画撮影時にキレイな背景ボケを作ることができる。iPhoneも含めたスマホのカメラに光学的な絞りを調整する機能はないが、シネマティックモードは、カメラの視差とアップルが得意とする機械学習を使ってこれを実現した。原理は静止画のポート—レートモードでソフトウエア的にボケを作っているのと同じだが、動画だと端末に求められる処理性能がケタ違いに上がってしまう。A15 Bionicを搭載することで、初めて実現した機能というわけだ。


人物が登場すると顔にピントが合い、自然と背景がボケていることがわかる。これが、シネマティックモードだ

 シネマティックモードで撮影すると、端末側が自動的に被写体を見分けて、最適な人やものにピントを合わせてくれる。ユーザーが複雑なことを考える必要がなく、雰囲気たっぷりの動画を撮れるのはうれしいポイントだ。ただし、自動でのピント合わせは万能ではなく、狙っていないところがボケてしまうことも多々あった。このような時には、ピントを合わせたい場所をタップするだけでいい。以下の動画を見ていただければわかるとおり、人物が登場すると顔にピントが合い、背景が徐々にボケていくような動画も簡単に撮れる。

端末側が被写体を検出して、自動でピントを合わせる場所が決まる

タップしてピントの場所を変えたり、AFトラッキングロックをかけることも可能だ

 動画では、ピントの位置を合わせるだけで見ている人の視線を誘導することができる。動きのない止め絵でもだ。例えば、人物が注目させたい物に指をさしている場合、最初に人の顔にピントを合わせたあと物にピントを移動させると、視聴者は自然と物の方に目を移す。映画やドラマで一般的に使われているテクニックだが、こうした動画をスマホで撮るのは難しかった。その意味で、iPhone 13はスマホでの動画撮影のレベルを一段も二段も押し上げたと言えるだろう。

ピントを合わせる場所を、顔から手前のケーキに移した。こうすることで、視線がケーキに誘導される

 ソフトウエア的にボケを作っているがゆえに、動画には深度情報も記録されている。そのため、シネマティックモードで撮った動画は、編集時にピントの位置を変えたり、被写界深度を変更したりといったことまでできる。後から動画を見返した際に、もう少し背景を見えるようにしたいと思ったら、ボケを弱くしてもいい。しかも、こうした作業がサクサクとスムーズにできる。A15 Bionicの処理能力が十分高いことの証拠だ。撮影から編集までこなせる機材としても、iPhone 13シリーズは優秀だと言える。

後編集でボケの位置を変えたり、被写界深度を調整したりといった操作を行える

 シネマティックモードは、iPhone 13 Proや13 Pro Maxだけでなく、無印のiPhone 13や13 miniでも利用できるのがうれしい。本格的な動画撮影なだけに、“Pro”と銘打ったモデルでしか利用できないと思われるかもしれないが、4機種共通の機能だ。Proとそうでないモデルでは、カメラのセンサーサイズに違いがあるため、暗所での画質には違いも出るが、その差は小さい。軽さや価格の安さを重視するのであれば、iPhone 13や13 miniを選ぶのもありだ。

センサーサイズの拡大とレンズ性能の向上で静止画の画質がアップ

 センサーサイズが大きくなったこともあり、静止画の画質も向上している。iPhone 13と13 miniは、先代の最上位モデルだったiPhone 12 Pro Maxと同サイズ。iPhone 13 Proと13 Pro Maxは、それよりさらに大きな1.9μmピクセルへと大型化している。サイズアップに伴い、レンズの明るさも増した。ハードウエア的なカメラの進化は、その見た目からもわかる。4機種とも、カメラの径や出っ張りが以前のモデルより大きくなっているからだ。特にProがつく2モデルはそれがわかりやすい。

左がiPhone 13 Pro、右がiPhone 13だが、いずれもカメラ周りが大型化し、厚くなった

 結果として、特に暗所での画質が向上している。以下の写真は、iPhone 13とiPhone 13 Proで撮り比べたもの。周りはほとんど明かりのない夜間での撮影だったが、いずれも連写合成を使ったナイトモードにはならず、普通にシャッターを切ることができた。ナイトモードは暗所でノイズの少ない写真を撮れるのがメリットだが、写真が仕上がるまでに1秒以上の時間を要するため、被写体ブレが起こりやすい。その点、iPhone 13シリーズなら、今までより暗い場所でも写真が撮りやすい。

iPhone 13 Proで撮影した夜のポートレート

こちらはiPhone 13で撮影した写真

 2枚とも引いた状態で見ると、暗い場所にも関わらずそれなりにキレイに撮れているが、拡大すると、センサーサイズやレンズの違いがわかりやすくなる。iPhone 13で撮った写真は若干、塗り絵のように描写がごまかし気味になっているのに対し、iPhone 13 Proは肌のトーンが滑らかに表現されている。どちらも合格点のクオリティだが、より暗所での仕上がりのよさを求めるなら、Proがつく2モデルから選んだ方がいいだろう。

 また、シリーズ共通の機能として、「フォトグラフスタイル」と呼ばれる新機能が搭載されている。フォトグラフスタイルとは、写真のトーンや暖かみをユーザーの好みに合わせて調整するためのもの。写真全体に一律でかけるフィルターとは異なり、写っているものをA15 Bionicで分析し、それぞれに最適な処理を施している。こうした仕組みのため、パラメーターを強めにしても、人の肌が飛んでしまうなどして、質感が失われてしまうことがないのがメリットだ。機械学習を撮影に取り入れたiPhoneは、同様の処理をしているが、そこにユーザーの好みを反映させる機能と言い換えることができる。

トーンや暖かみを自分好みに調整できるフォトグラフスタイル

 フォトグラフスタイルは、「標準」「リッチなコントラスト」「鮮やか」「暖かい」「冷たい」の5種類が用意されており、それぞれに「トーン」と「暖かみ」という数値が設定されている。このパラメーターを変更して、トーンを強めたり、暖かみを増したりといった調整をすることも可能だ。実際にそれぞれのスタイルで撮った写真は以下の通り。どれもキレイに撮れているが、コントラストの強さや鮮やかさが微妙に違うことがわかるはずだ。ここまでくると好みの違いだが、それをカメラに反映させることができるため、“撮って出し”がしやすくなる。

上写真から「標準」「リッチなコントラスト」「鮮やか」「暖かい」「冷たい」。どれも正解だが、写真の仕上がりが変わっていることがわかる

 もう1つのカメラの新機能が、マクロ撮影と3倍望遠。これはProモデル2機種だけの機能になる。マクロ撮影は超広角レンズを使い、2cmまで被写体に寄ってもピントが合う。マクロ撮影モードは手動で呼び出すことができず、被写体とiPhoneが認識したものに寄ると、自動的にカメラが切り替わる仕組みだ。便利な一方で、フレーミングが急に変わってしまうため、慣れも必要になる。また、Proモデル2機種は望遠カメラが77mmになり、ポートレートをより撮りやすくなった。離れた場所からでも、以下のような写真が簡単に撮影できる。

2cmまで寄った接写が可能に

望遠カメラは77mmで3倍に。ポートレートが撮りやすくなった

ノッチが小さくなり、処理能力やディスプレイも進化

 動画も含めたカメラのアップデートが大きかったため、あたかもカメラのレビューのようになってしまっているが、それ以外の点についても駆け足で触れていきたい。まず、デザインはiPhone 12のそれを踏襲しているが、インカメラのノッチが小さくなり、映像の妨げになりづらくなった。なくなったわけではないので、全画面表示時に映像が欠けてしまうことも事実だが、小型化は歓迎したいポイントだ。

ノッチが小型化して、左右の表示領域が広がっている

 シネマティックモードのような撮影ができることから察していただけるかもしれないが、処理能力も大幅に上がっている。以下はGeekbench 5で取ったベンチマークのスコアだが、CPU、GPUともに歴代iPhone最高の数値になっている。機械学習の処理能力も高くなった。ちなみに、iOS 15からユーザーインターフェイスのアニメーションが少々変わっており、それによって滑らかさをさらに感じられるようになった。処理能力によるものではないが、快適さが上がった点は評価したい。

CPU、GPUともに歴代iPhoneでトップのスコア。特にProの2モデルはGPUの処理能力が高い

 Proモデル2機種は、「ProMotion」と呼ばれる機能に対応し、ディスプレイのリフレッシュレートが最大120Hzに上がっている。“最大”と書いたのは、リフレッシュレートが表示している映像に合わせて可変するため。10Hzから120Hzの間で自動的に変わるため、バッテリーを無駄に消耗してしまう心配は不要だ。過去のiPhoneよりフレームレートを落とせることにもなるため、省電力化にもつながる。120Hzになったからといって、一部のゲーム以外ではあまり違いはわからないかもしれないが、バッテリーの消費を抑えることの恩恵は大きく、実感しやすいと言えるだろう。

 通信機能は引き続き5Gに対応しているが、新たにデュアルeSIMが加わった。iPhoneは、iPhone XS以降eSIMに対応しており、物理SIMとeSIMでデュアルSIM化できたが、iPhone 13はeSIMだけでデュアルSIMになる。日本では、総務省の後押しもあり、急速にeSIMの採用が進んでいる。一方でメイン回線をeSIMにしてしまうと、海外渡航時にローミング用のeSIMを入れてDSDSで使えないというのが難点だった。デュアルeSIMの採用で、こうした不満が解消された格好。制約がなくなったため、気兼ねなくeSIMに切り替えることができそうだ。

デュアルeSIMに対応して、2つのeSIMでDSDSを利用できるようになった

 デザインがiPhone 12シリーズと大きく変わっていないこともあり、少々地味なように見えたかもしれないが、カメラの進化は大きなインパクトがある。実際に使ってみると、1世代で、ここまで差が出るのかと思われるだろう。処理能力やバッテリーの持ちなど、スマホとしての基礎体力も確実に向上している。iPhone 11以前のユーザーはもちろんだが、iPhone 12シリーズのユーザーにとっても食指を動かされる仕上がりになっていると評価できそうだ。

【石野's ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★★
UI         ★★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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