政治の世界に進出した牧師がひた隠す、恐ろしい裏の顔とは……?
2021年8月13日よりNetflixで独占配信中のNetflixシリーズ『彼の王国』は、アルゼンチンで製作された政治サスペンスドラマ。
映画『永遠に僕のもの』『ブエノスアイレスの殺人』『明日に向かって笑え!』のチノ・ダリンが出演している。
あらすじ
アルゼンチン大統領選に出馬した、大統領候補アルマンド・バダホスと副大統領候補で牧師のエミリオ・ヴァスケス・ペナ(ディエゴ・ペレッティ)。
アルマンドが刺殺されたことから、急きょエミリオが大統領候補として注目を集めることに。
アルマンドの支援者だったルベンと、エミリオの“右腕”であり娘アナの恋人でもある弁護士フリオ(チノ・ダリン)は、エミリオが大統領に当選するよう全力でサポートする。
アルマンド殺害の犯人として逮捕されたのは、レミジオという男だった。レミジオは逮捕直後に自殺を図り、その後黙秘を続けている。
事件の捜査が進められる中、“聖職者”エミリオの真実の姿があばかれていく……。
見どころ
権謀術数渦巻く政治サスペンスは海外ドラマでも定番人気のジャンルだが、
本作ではさらに宗教という巨大権力が絡むことで、ドス黒い面白さに拍車がかかっている。
雷雨の夜、顔にアザを作ったエミリオが教会で白目を剥きながら神に祈りを捧げるシーンは、強烈なインパクト。
無言の短いシーンでありながら、これから明かされる色々な“闇”を仄めかしているようだ。
主役のエミリオはもちろん、脇を固める人物たちも基本的に全員キナ臭くてダーティーな印象。
映画『永遠に僕のもの』で一躍脚光を浴びた人気俳優チノ・ダリンが演じるフリオも、そして“謎めいた敏腕支援者”ルベンも、何だか腹に一物も二物もありそう。
第1話冒頭、アナから「どうしてそこまでパパ(エミリオ)の味方を?」と尋ねられたフリオは、「借りがある」と一言。
どんな意味にも取れるため、想像力を掻き立てるセリフだが、一体どんな“借り”なのかは第3話以降で分かる。
ここに事件を担当する検事ロベルタ・カンディアや児童養護施設の関係者らも加わり、それぞれが己の利権と正義を守るため、血みどろの戦いを繰り広げていく。
Netflixシリーズ『彼の王国』
独占配信中
文/吉野潤子