auは、契約したスマートフォンを約2年後に返却することで、24回目以降の支払いが免除される「かえトクプログラム」を、新たに「スマホトクするプログラム」として提供することを発表しました。
ドコモ/au/ソフトバンクで提供されている、スマホを返却することで事実的な割引が適用されるプログラムですが、今回auはどのような内容で他社と差別化を図ってきたのか、具体的に内容を確認していきましょう。
機種変更がいらなくなった「スマホトクするプログラム」で最新機種もお得に!
これまでauから提供されてきた「かえトクプログラム」は、スマートフォン購入時に24回払いに設定し、2年後の買取価格を最終回支払分として設定することで、23回の支払いまでは低廉な割賦金額となり、新機種への買い替え時に、購入した機種をau(KDDI)に返却すると最終支払分(24回目)が免除される、というサービス。
細かい分割方法や購入端末を返却するタイミングこそ差がありますが、ほぼ同じ条件でドコモでは「いつでもカエドキプログラム」、ソフトバンクでは「トクするサポート+」が提供されています。
auから新しく提供を開始した「スマホトクするプログラム」は、購入した端末をau(KDDI)に返却するタイミングで、新しい機種をauで購入する必要がなくなります。
また、「スマホトクするプログラム」はauの回線契約がなくても加入できます。というのも、2021年10月より各通信キャリアから販売されるスマートフォンは、原則SIMロックを解除した状態であることが義務付けられ、回線契約をしていなくても端末の購入ができます。
つまり、通信回線としてはドコモで契約をしているユーザーも、auから販売されているスマートフォンを、回線の乗り換えをしなくても購入できます。
回線の契約がなくてもスマートフォンの購入ができるとなると、スマートフォンを返却することで割引が適用されるプログラムにおいても、“新しい機種の契約”が条件になっているのは少々いびつな印象も受けます。そのためKDDIは、新機種への買い替え不要という条件を新たに加えたのではないでしょうか。
ちなみに端末返却をする際に故障や破損など、auが定めた条件を満たさなかった場合には、特典の適用を受ける際に最大2万2000円の支払いが必要となる場合もあります。
「スマホトクするプログラム」適用で最新「iPhone 13」シリーズもお得に!
「スマホトクするプログラム」は、先日発表されたばかりの「iPhone 13」シリーズでも適用可能です。
「スマホトクするプログラム」を適用して「iPhone 13」の128GBモデルを購入した場合、通常一括払いで11万5020円での販売ですが、新規契約だと実質負担額が5万1100円、他社からの乗り換えだと実質負担額が4万100円、機種変更だと実質負担額が6万2100円で購入可能となります。
「iPhone 13 Pro」の128GBモデルを「スマホトクするプログラム」を適用して購入した場合は、通常一括払いで14万3040円のところ、新規契約で実質負担額が6万6280円、他社からの乗り換えだと実質負担額が5万5280円、機種変更だと実質負担額が7万7280円となります。
もちろん、約2年後には端末をauに返却する必要はありますが、実質約半額で最新機種の購入ができるとなるとかなりお得。auの回線契約は不要なので、「OPPO Find X3 Pro」といった、通信キャリアモデルとしてはauからしか発売されていない端末も気軽に使用できるようになります。
「スマホトクするプログラム」は2021年9月17日より提供開始。それに伴い、これまで提供していた「かえトクプログラム」の新規受付は終了となっています。
「スマホトクするプログラム」は「au PAY」での支払いでさらにお得に!
ただでさえお得にスマートフォンが購入できる「スマホトクするプログラム」ですが、購入した機種の分割支払金を「au PAYカード」に設定することで、最大で支払総額の5%相当のPontaポイントが還元される「スマホトクするボーナス」も提供を開始します。
月々に還元されるPontaポイントは、支払総額の5%を23分割した金額と同額相当のポイントになります。例えば、分割支払機種代金が9万6600円の端末で本プログラムを適用した場合、24か月目までの支払金額は月々2520円となり、毎月210Pontaポイントが還元されます。23か月で獲得できる合計ポイントは4830Pontaポイントとなります。
ポイント還元は端末購入月の4か月後からとなっています。
いち早く新しい仕組みに適応するau(KDDI)
先にも触れた通り、「スマホトクするプログラム」は2021年10月からスタートする「SIMロック原則禁止」や、回線契約の有無に関わらず端末の購入ができるという仕組みに適用した返却プログラム。
今回auが新プログラムを発表したことで、ソフトバンク/楽天モバイルでも返却プログラムへのテコ入れや対抗策の発表があるかもしれません。実際にドコモでは、いつでもカエドキプログラム」を発表しました。こちらについては別の記事で改めて紹介するので、そちらもあわせてご確認ください。
auは、回線契約不要/新機種の購入不要というメインアップデートのほかに、au PAYと掛け合わせたお得なボーナスも展開。2021年初頭から各社料金プランの競争は見られていますが、今後こういったプログラムやキャンペーンにおいても各社がそれぞれの色を出した新サービスに期待しましょう。
取材・文/佐藤文彦