仕事やプライベートでトラブル続きの人は、危機管理能力が低い状態なのかもしれません。今の自分を見直して、トラブル体質から抜け出しましょう。
危機管理能力が高い人・低い人の特徴、さらには危機管理能力を高める方法を紹介します。
危機管理能力とは?
ピンチに遭遇してもうまく対処できる人がいる一方、すぐにパニックになる人もいます。両者の差には『危機管理能力』の有無が関係しているのかもしれません。
危機管理能力とは、具体的にはどのようなことをいうのでしょうか?危機管理能力の概要について紹介します。
トラブル回避や最小に抑える力
危機管理能力とは、トラブルをうまくかわしたり最小限に押さえ込んだり、臨機応変に対応できるスキルです。
似たような言葉に『リスク管理能力』がありますが、こちらはトラブルを予測する能力を指す言葉になります。両者はよく混同されますが、全く同じ意味ではないので注意しましょう。
危機管理能力が低い人は、身に迫るさまざまな危険・トラブルを回避できません。
その結果、「仕事でミスをしてもリカバーできない」「ケガや病気が多い」など、常に何らかのトラブル・リスクにさらされてしまいます。
社会生活を円滑にする上で、危機管理能力は非常に重要な能力といえるでしょう。
危機管理能力が高い人の特徴
危機管理能力が高い人は、トラブルに遭っても慌てずに対応できます。はたから見ていても安心感・安定感があって、周囲の人から頼られることも多いでしょう。
危機管理能力が高い人にはどのような特徴があるのか紹介します。
さまざまなパターンを想定できる
危機管理能力が高い人を見ていると、トラブルへの対処が迅速でスムーズだと気付くでしょう。
それは、トラブルへの対策パターンがすでに頭の中にあるためです。トラブルが発生したときは、いくつかの解決策の中から最もよいものをピックアップして対応しています。
世の中は思い通りにならないことの方が多く、予測が外れることは珍しくありません。一見「考え過ぎじゃない?」と思われるリスクも含めて想定できる人が、危機管理能力が高い人といえます。
危機管理能力が高い人は、自分の行動について根拠のない楽観はしません。「もしかしたら車が突っ込んでくるかも」「パソコンのバックアップが消えるかも」など、常に「かもしれない」を頭の中で繰り返しているのです。
計画的に行動する
危機管理能力が高い人は、行き当たりばったりな行動はしません。動くときは常に綿密な計画を立てており、少しでもリスクの少ない方法を選択します。
トラブルに遭遇して慌てふためく人が多いのは、そのトラブルが想定外であるためです。不意打ちの事態にどう対処すべきか分からず、被害を拡大させてしまうのです。
危機管理能力が高い人は、計画を立てて行動することで想定外のことに出くわす可能性を潰しています。どのようなトラブルが起こっても、想定内なら慌てる必要がありません。
理解するまで調べる・考える
分からないことをそのままにしないのも、危機管理能力が高い人の特徴です。
ある程度の知識や雑学がないと、状況は適切に想定できません。知識を持つことで予見の精度が上がり、トラブルを回避しやすくなるのです。
また、常に調べたり考えたりしている人の多くは、論理的な思考を持ち合わせています。
原因から結果を正しく導き出せる上、想像パターンも豊富です。他の人と比較して、不測の事態に遭う確率は低くなるでしょう。
危機管理能力が低い人の特徴
プライベートでトラブルが続出したり仕事でミスを連発したりしている人は、危機管理能力が低い人です。「自分もそうかもしれない…」と不安な人は、特徴に当てはまる点はないか見てみましょう。
危機管理能力が低い人に多く見られる特徴を紹介します。
自分の能力を把握していない
危機管理能力が低い人は、先の見通しを立てるのが苦手です。
仕事では「期日までにこなすにはどのくらいのペースでやるべきか」が分からず、期日直前に「間に合わない!」とパニックになることも多いでしょう。
また、できることとできないことの線引きが苦手な人も、危機管理能力が欠如しているといえます。頼まれた仕事を何でもかんでも引き受けて、キャパオーバーになってしまうことがある人は要注意です。
危機管理能力が高い人は、自分の限界をよく知っています。できないことは「できない」と言えるため、仕事が間に合わないと焦ったり、雑な仕事をして注意を受けたりすることがないのです。
十分な知識や経験がない
知識や経験不足から、危機管理能力が欠如しているように見えることもあります。例えば、新入社員の仕事ぶりを見て「危なっかしい」と思う人は多いでしょう。
仕事の先輩・上司は、経験や知識上「このやり方だと失敗する」「このペースだとマズい」と分かります。
しかし、新入社員は現状を把握するためのよりどころがなく、先のことを予測できません。トラブルが発生しても対処する術がなく、オタオタしてしまうのです。
仕事上の危機管理能力は、経験を積んでいくうちに養われていきます。現状で危機管理能力が欠如しているように見えたとしても、時間がたてば先を予測して動けるようになるでしょう。
思い立ったら即行動
「思い立ったが吉日」「当たって砕けろ」のような行動している人は、危機管理能力が欠如しているといえます。行動力があるのはよいですが、無計画はトラブルの素です。
無計画に行動する人の多くは、「今まで大丈夫だったから今回も大丈夫」という根拠のない自信を持っています。万一のトラブルに備えているケースは少なく、「トラブルがあったら」と想定していることさえ少ないかもしれません。
無計画な人ほどトラブルが起こったときの対応も行き当たりばったりになりがちで、かえって被害を拡大させてしまうことが多いでしょう。
危機管理能力を向上させる方法
「自分には危機管理能力が低い」と感じた場合でも、落ち込む必要はありません。危機管理能力は、普段の心掛けや考え方の転換により向上させることが可能です。
以下のコツを実践して、危機管理能力を高めましょう。
視野を広くする
危機管理能力を低くする原因の一つは、『思い込み』や『慣れ』です。「こうするべき」「これは絶対にこう」という思い込みは、視野を狭めて想像力を奪っています。
思い込みが激し過ぎると、普通なら避けられるようなトラブルやミスを引き起こすかもしれません。危機管理能力を高めるには、柔軟な思考力が必須です。
どうすれば視野が広がるのか分からない人は、まず「~すべき」「絶対~」などの思考を取り除くことから始めましょう。
常に「~かもしれない」と予測する癖を付ければ、トラブルの芽を見つけやすくなります。
行動前にシミュレーションをする
危機管理能力を高めるには、想定外のことが起こる確率を減らす必要があります。何かをするときは必ずシミュレーションを行い、起こり得る最悪の事態までイメージしておきましょう。
シミュレーションのパターンは、多いほど有益です。シミュレーションを徹底すれば、対策も見つけやすくなります。万一トラブルに遭遇してしまっても、冷静に対処できるでしょう。
また、シミュレーションを行うことは、自身の現状を把握したり想像力を鍛えたりする上でも役立ちます。予想外のトラブルに遭うことはまれかもしれませんが、習慣化することがおすすめです。
失敗を次に生かす
危機管理の甘さからトラブルに遭遇してしまった場合は、原因と向き合うことが大切です。
「なぜこのようなトラブルが起こったのか」が分かれば、本来どのように対応すべきだったのかも自ずと分かります。次に同じようなシチュエーションに陥ったときには、同じ轍を踏まずに済むでしょう。
危機管理能力を高めるには、経験を増やしていくことが必須です。
失敗したときはつらく感じるかもしれませんが、経験はむだになりません。失敗の体験と正面から向き合い、臨機応変な対応力やトラブル回避能力の向上につなげましょう。
構成/編集部