コロナ渦で需要が高まる非接触型決済。実際に、アメリカン・エキスプレスの「タッチ決済」ユーザーは、コロナ禍で3.3倍に急伸しているという。スーパー業界最大手のイオンや、ファミリーマートなどのコンビニ大手3社をはじめ、アメリカン・エキスプレスの「タッチ決済」が使えるお店も急増しているとのことだ。
こうした「タッチ決済」の需要の高まりを受け、アメリカン・エキスプレスはこのたび、コロナ禍における行列に関する意識調査を、20代〜60代の一般生活者の男女1,000人と、小売店でのレジ業務担当者300人を対象に行った。主な調査結果は以下の通り。
20代〜60代の男女1,000人&レジ業務担当者300人に聞く、コロナ禍における行列意識調査
■お出掛け先では行列しないでも、普段の買い物のお会計はしないわけにいかないから、行列しても並ぶ7割
まず、一般生活者1,000人にコロナ禍の現在、行列してもよいシーンを聞いた。「スーパーマーケットでのお会計」(70.2%)や「コンビニエンスストアでのお会計」(40.1%)など日常生活での買い物の会計は行列OKだが、「美術館・博物館への入場」(17.5%)や「観光地・土産物店への入場」(11.8%)など、日常ではないお出掛け先では行列したくないという結果になった[グラフ1]。
とはいえ、スーパーやコンビニでのお会計はせざるを得ないから並ぶわけで、行列したくてするわけでない、というのが実感だと思われる。
■普段の買い物でのレジ会計時、後ろの人の視線が気になる52.9%
感染対策を気にしながらも並ばざるを得ないレジ会計時、一般生活者の半数以上が「後ろに並ぶ人の視線が気になる」(52.9%)と答え、支払いに手間取ると4割が「店員さんの視線が気になる」(43.0%)と答えている[グラフ2]。
後ろの人の視線が気になると答えた人にその理由を聞くと、「遅いと思われているんじゃないか…」(29歳女性)、「後ろの人が『早くしてほしい』とイライラしているように感じる」(46歳女性)など、支払いに手間取ることに対して気を使ってしまう意見が多く寄せられた。
実際、会計時に財布やスマホの準備などで焦った経験を聞くと、6割近くが「焦ったことがある」(56.6%)と答えている[グラフ3]。日常生活によくあるレジでのお会計だが、ちょっとしたストレス・スポットとなっているようだ。
レジでの会計時、後ろの人の視線が気になる理由としては、以下のようなコメントが寄せられている。
・自分の会計が遅いと後ろの人の反応が気になる(26歳男性)
・人を待たせたくないという気持ちがある。現在は現金の取り出しが減っているので、より早く会計を済ませなければ、という風潮を感じる(27歳男性)
・オフィスビル内のコンビニを朝の混雑している時間帯に利用するため、現金で支払う人はほぼおらず、キャッシュレス決済以外はしにくい雰囲気(27歳女性)
・早くしてほしいと思っているんだろうなと思う(28歳女性)
・ポイントカードをその場で探すと、後ろの人が前もって準備しとけよと思っていそう(29歳女性)
・支払いを小銭でぴったりにしようとすると時間がかかり気になる(31歳男性)
・自分が後ろに並んでいるとき、スムーズに支払いが進んでいないとイライラするので、自分が会計をするときも同様に後ろが気になる(34歳男性)
・後ろの人に距離を詰めて並ばれたりすると、凄く後ろの人の存在が気になる。もっと離れて並んでほしいと思ってしまう。(39歳女性)
・後ろに並ばれていると、お金の支払いや袋に商品を入れる時にちょっと焦って慌ててしまう(52歳男性)
・自分の前の人がもたもたしていると、イライラするので、自分は早く支払いを済ませたいと思う(67歳女性)
■安心安全でスピーディーな「タッチ式決済」はコロナ禍でも利用が増加
レジでのお会計がストレス・スポットとなりつつある現在、コロナ禍により普段のお買い物での支払い方法が変化したか聞いた。すると、「現金」の利用は「変わらない」(59.3%)または「減った」(38.0%)と答えた人が多くなっている。
一方、利用が増えたのは、「スマホ決済(QRコード/バーコード式)」(56.3%)や「スマホ決済(タッチ式)」(47.2%)、「クレジットカード(タッチ式)」(43.6%)の順となり[グラフ4]、コロナ禍を背景に、現金よりも安心で安全でスピーディーなタッチ式での支払い方法が増えていることがうかがえる。
■普段の買い物で7割が利用中の「タッチ式決済」
決済方法として利用が増えているタッチ式決済だが、何らかのタッチ式決済を利用しているのは、一般生活者の7割(71.6%)にも上る[グラフ5-1]。タッチ式決済を利用する人の中で、コロナ禍で「タッチ式決済の利用が増えた」と答えたのは約4割(38.7%)を占め、中でも20代は47.6%とほぼ半数が「利用が増えた」と答えている[グラフ5-2]。
■レジでの支払い準備は「レジ前2人目」が目安に
普段の買い物でレジに並ぶ時の支払いの準備を始めるタイミングを聞くと、2割は「自分の番になってから」(23.1%)準備するが、「2番目」55.8%)で準備する人が最も多いようだ。また、レジ業務担当者に、並んでいるお客様にいつ支払い準備を始めてもらいたいかと聞くと、65.0%が「2番目」と答え、最も多くなっている。「前の人の会計が始まったら、自分の支払いを準備する」というのが、スムーズな支払いのための暗黙の了解となっているようだ。
■利用すると喜ばれる決済方法はやっぱり「タッチ式決済」生活者の48%、店員さんの66%が「タッチ式決済」を選択
会計の行列に並んでいる際、前の人が利用するとうれしい決済方法を聞くと、「タッチ式交通系ICカード」(34.7%)、「QRコード/バーコード式スマホ決済」(33.6%)、「タッチ式商業系ICカード」(30.1%)、「タッチ式クレジットカード」(25.2%)が選ばれ、全体の約半数(48.3%)がタッチ式決済方法を歓迎している[グラフ6]。
また、レジ業務担当者300人に、行列ができているときお客さまに利用いただくとうれしい決済方法を聞くと、「QRコード/バーコード式スマホ決済」(55.3%)、「タッチ式交通系ICカード」(52.3%)、「タッチ式商業系ICカード」(46.3%)などが選ばれ、レジ業務担当者の66.3%がタッチ式決済を選んでいる[グラフ7]。
■コロナ禍により、行列してまで買い物することは諦めがちな生活者
会計時のコロナ禍の影響を聞くと、「これまでより行列を長く感じることがあり、並ぶのを諦めることがある」(57.5%)、「前後の人とのソーシャルディスタンスが気になり、並ぶのを諦めることがある」(65.1%)など、お買い物意欲が制限されているようだ。
しかし、65.3%が「タッチ式決済などのキャッシュレス決済に対応している列に移動することがある」と答えており、タッチ式決済などのキャッシュレス決済は、お買い物機会の損失を補う効果が期待できる。事実、生活者の半数近くが「これまでよりもタッチ式決済などキャッシュレス決済が普及してほしい」(47.2%)と答えている[グラフ8]。
またまだ先の見えないコロナ禍だが、タッチ式決済などのキャッシュレス決済が新しいお買い物チャンスを創出するきっかけとなりそうだ。
■クレジットカードの「タッチ決済」の有用性
利用が広がるキャッシュレス決済の中でもクレジットカードのタッチ決済は、サインや暗証番号が不要で、お店で専用リーダーにピッとかざすだけの非接触の決済方法なので、衛生面でも安心だ。
2020年10月にアメリカン・エキスプレスが行った「キャッシュレス決済についての意識調査※」では、キャッシュレス決済を利用している一般生活者1,000人のうち、62.3%が「クレジットカードのタッチ決済を利用したい」と答えた。
また、既にクレジットカードのタッチ決済を利用している人では75.8%が、新型コロナウイルス感染拡大後にタッチ決済の利用が増えた人では77.4%が利用したいと答えており、利用意向がさらに高くなっている[グラフ9-1]。タッチ決済を利用したいと答えた623人にその理由を聞くと、「かざすだけで簡単に決済できる」(60.5%)に次いで、「店員との接触機会が少ないので感染リスクを抑えられる」(47.8%)が2番目に挙げられた[グラフ9-2]。
一方、現在自店にタッチ決済可能な端末の導入がされてない店舗関係者149人に導入意向を聞くと、65.8%が「導入したい」と答えた。導入したいと答えた98人にその理由を聞くと、「決済にかかる時間が短縮できる」(74.5%)に次いで「お客様との接触機会が少ないので感染リスクを抑えられる」(60.2%)が挙げられ、利用者以上にクレジットカードのタッチ決済の衛生面での安全性が高く評価されている[グラフ10]。
出典元:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル
構成/こじへい