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「休む」ことも仕事!日本人に必要なのは早めに休むことを有能だと捉える価値観

2021.09.20

自分のココロを守るために。コロナ禍で必要な考え方

コロナ禍で、「社会人は這ってでも仕事に来るべき」という価値観は少しずつ変わりつつある。調子が悪いのに仕事に行きつづけた結果、感染症を拡大させてしまったり、心を壊してしまったりすることがある、と多くの人に認識されはじめたからだ。

それでも、仕事を休む場合に職場の人から嫌な顔をされる人はまだまだ多い。

職場の休みづらい雰囲気を変え、自分と周囲の健康を守って組織としての生産性を維持していくために、どんな考え方が必要だろうか。

コロナ禍では精神疾患のリスクが深刻になっている

コロナ禍で、私たちは今までにないストレスにさらされている。

OECDの最新の調査によると、コロナ禍によって日本国内でうつ病・うつ状態の人の割合が2倍以上に増えたことがわかっている。eヘルスケアの調査によると、コロナ禍で増えた疾患は何かと全国の医師に訊いたところ、4割が「精神疾患」と答えたという。

この状況はもともと精神疾患を抱えていた人の病状も悪化させる。筆者のまわりでも、強迫性障害が悪化した人、摂食障害や依存症が悪化して体調まで崩してしまった人などの例が見聞きされる。

自殺率も大幅に上がっており、精神疾患や強いストレスの存在が示唆されている。私たちはコロナ禍において、コロナ自体だけでなくコロナストレスによる健康や命の危機にも対処しなければならないのだ。

「なんとなく体調が悪い」が続いたら医者に行こう

精神疾患というと「気分の落ち込み」をイメージする人が多いかもしれない。しかし、精神疾患の多くは、心の緊張のしすぎや頑張りすぎで心身のバランスが崩れることから始まる。

心身のバランスの崩れが起きていることを示すバロメーターは「なんとなく調子が悪い」だ。健康な人間なら自然とバランスが保てているはずの分野に何か変化が起きたら注意しよう。

たとえば三大欲求(食欲、睡眠欲、性欲)なら以下のような感じ。

なんとなく食欲がない(食欲不振)、逆に食べすぎてしまう(過食)。眠れない、寝つきが悪い、熟睡感がない、悪夢を見る。性欲がわかない、勃起や射精がうまくいかない、逆に性欲がやたらと強くなった。

たとえば生活リズムなら以下のような感じ。

夜になると目が冴えてくるが、日中は眠くてたまらない。たくさん寝たのに倦怠感があり、気力がわかない。逆に寝なくてもいつもテンションが高く元気。

上記のような症状が続いたら、気力でなんとかしようとせず早めに休みをとり、医者に行こう。

内科的な疾患が隠れている可能性もあるので、最初は内科でひととおり検査をしてもらいつつ、「精神的ストレスがあるかもしれない」と主張してみるのがひとつの手。内科疾患が見つかったら見つかったでめっけもの。どんな科であれ、早くに医療につながることが大事だ。

筆者は上記の基準で自分のメンタルをモニタリング→ 何かあれば対処 という形で過ごすようになってから、大きくメンタルの調子を崩すことがなくなってきた。

早めに休むことを「有能さ」と捉える価値観をつくっていこう

休みづらい職場の雰囲気を変えたいなら、まずは自分から始めてみよう。

たとえ原因がメンタルであっても、まずは上記のような体調不良を前面に出せば周囲にも言い出しやすいかもしれない。

体調不良で休むと言っても何か嫌な反応をされることがあるかもしれない。そんなときは堂々とこう言おう。

「どんな病気も早期発見・治療が大事と聞きます(根拠を示す)。悪化させて長期にわたって余計にご迷惑をおかけするような事態を防ぎたかったので(理由を示す)こう判断しました」

それでも何か言ってくるような相手なら、相手のほうが間違っていると考えてかまわない。

周囲が同じように体調不良で休むというときは「お互い様」という気持ちで快く送り出す。負担が自分に来るから快く送り出せない場合、それは休むその人のせいではなく、人員マネジメントのできない職場側の問題なので、経営側の責任を問うほうに気持ちを切り替えられるといい。

自分が上司や先輩の立場という場合もあるだろう。そんなときは「良い判断をした。あなたは賢く有能だ」と力いっぱい評価してほしい。後輩や部下が周囲から攻撃されていたら庇い、マネジメント的な問題で彼らが思うように休めないのなら、できる限り経営側にかけあおう。

休むことも仕事のうち。適切に休むことで、むしろ組織は良くなっていく

身体の病気もメンタルの病気も、早期に発見してケアや治療をすることで悪化しづらくなり、より早く回復できる。特にうつ病の場合、早期発見・治療で再発率が下がるなど、予後がよくなることがわかっている。

こうしたことが証明されてきている以上、組織において「這ってでも来い」という根性論をとるのはあまり賢いとはいえない。逆に、誰もが気軽に休んで自分の心身のケアに務められるようにすれば、メンバーの健康が保たれ、モチベーションも維持され、退職による欠員も出づらくなる。

これからは会社の中を、「休むことも仕事のうち」「適切に休んで自分の心身をケアできる人がよい社会人」という空気で満たしていきたいものだ。

文/ヒルダ
自身の豆腐メンタルを克服しようと情報を集めまくっているうちにやたらとメンタルヘルスに詳しくなってしまったライター。

編集/inox.

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