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「頭角を現す」の言葉の由来と正しい使い方

2024.04.13

褒め言葉としても使われる、「頭角を現す」という故事成語。一度は耳にしたことのある人も多いのではないだろうか。大勢の中で一際目立っていることを表現し、日常生活からビジネスシーンまで、幅広い場面で活用できる言葉だ。

そこで本記事では、「頭角を現す」の正しい意味と由来を解説する。また、具体的な例文や類語、英語表現も併せて紹介したい。

「頭角を現す」とはどんな意味の故事成語?

はじめに、「頭角を現す」の意味と由来について詳しく見ていこう。また、頭角を現す人の特徴についても併せてチェックしてほしい。

読み方は「とうかくをあらわす」、意味は才能や技量が人より優れて抜きん出ること

頭角を現すの読み方は「とうかくをあらわす」。頭角とは、頭の先・獣の角のこと。群れの中で頭の先が他のものより抜きん出て、一際目立っている様から生まれた言葉で、「人より才能が抜きん出ていて大勢の中でも目立つこと」を表す。

自身に向けてというよりは、他者に対して用いられることの多い表現であり、「めきめきと」や「たちまち」と併せて使われることが多い。なお、頭の先が出る・抜きん出るという意味ではあるが、「頭角を出す」は誤りになるため注意しよう。

由来・語源となったのは、唐の詩人韓愈(かんゆ)の言葉

「頭角を現す」の由来は、唐の詩人韓愈(かんゆ)が、友人であった柳宗元(りゅうそうげん)の墓誌(ぼし)に記した一節に由来する。当時の中国では、死者の功績や経歴を記した墓誌を墓の中に埋めるという習慣があった。

柳宗元は、若くして官僚登用試験に合格するなど、抜きん出た才能を見せており、韓愈は墓誌の一節に、「嶄然(ざんぜん)として頭角を現す」とたとえている。「嶄然」とは、「ひときわ目立つさま」を表す。

「頭角を現す」の例文

「なかなか成果を出せなかった彼が、ようやく頭角を現してきたようだ」
「幼少期からスポーツをしていた友人は、後に頭角を現す」
「彼女は、入社するや否や、たちまち頭角を現した」
「最近、若手がめきめきと頭角を現してきた」
「彼は必ず頭角を現すと、私は信じていた」

若手に対して使われることが多い?頭角を現す人の特徴とは?

では、「頭角を現す人」とは具体的にどのような人なのか。例えば、若くして社内でいち早く出世し、「頭角を現す人」。また、チーム内で皆をまとめ、たちまち「頭角を現す人」。

状況はさまざまだが、「頭角を現す人」には共通して、「影響力」や「思考力」、「コミュニケーション能力」を持ち合わせている人も多い。どんなに才能があっても独りよがりでは、それを認めてくれる人の目に付くことも難しい。

また、しっかりと考えられる意識を持つ力は、自身の成長へと直結しやすく、まさに「頭角を現す人」の特徴とも言えるだろう。ビジネスシーンにおいては、仕事の内容や周囲との関係など、その状況に「適性がある」こともとても重要だ。

「頭角を現す」は故事成語!ことわざ、慣用句との違いは?

故事成語は、主に中国の古典文学や歴史に由来する四文字の成句で、特定の歴史的エピソードや人物に基づいた言葉。「頭角を現す」も先述の通り、故事成語に該当する。

一方、ことわざは生活の中から生まれた、教訓や道徳、人生の智慧を伝える短い言い回しで、特定の出典がなく、広く共有された経験に基づいた言葉を指す。

例)「石橋を叩いて渡る」など

慣用句は、字面の意味とは異なる特定の意味を持つ言葉の組み合わせで、文化や言語の中で特定の意味を成す表現。

例)「手を打つ」:合意に達するという意味。

「頭角を現す」の関連表現

頭角を現す

最後に、「頭角を現す」の類語や使い方、英語表現について解説する。いずれも「目立つこと」に変わりはないが、その微妙なニュアンスの違いについても理解しておこう。

類語

・台頭する(たいとうする)

台頭とは、「勢いを増してくること」という意味を持ち、個人よりも主に集団や思潮が勢力を伸ばし抜きん出てくることを表す。才能や能力によって目立つことを意味する「頭角を現す」に対し台頭するは、勢いが増すことで目立つという違いがあるため、状況によって使い分けられるようにしよう。「台頭」は元々、「擡げる(もたげる)」という漢字を使用し、「擡頭(たいとう)」と表記されていたが、次第に今の漢字へと変換されるようになった。

・頭を擡げる(あたまをもたげる)

擡げるとは「持ち上げる」「増す」の意味があり、「頭を擡げる」は二つの意味を持っている。一つは、「次第に勢力を得て現れてくる/台頭する」という意味。もう一つは、「それまで頭になかったある考えや疑いなどが浮かび上がってくる」ことで、一般的にはこちらの意味が使われることが多い。

・存在感を増す

日常生活でもよく使われる「存在感を増す」という言葉も、「頭角を現す」の類語として用いられる。存在感とは、「人や物が確かな存在としてそこに強く印象がある感じ」。つまり、存在感が増すとは「印象が強く出てくる感じが目立つこと」という意味。

対義語

「頭角を現す」の対義語を一言で表すのは難しいが、反対の意味表す言葉としては、「埋没する」や「凡庸を示す」といった表現が近い。

「埋没する」は、能力や才能があるにも関わらず、それが認識されずに人々の中で目立たない状態にあることを指す言葉。一方、「凡庸を示す」は、特に秀でた能力や特徴が見られず、平凡であることを表す。これらの表現は、個人がその潜在能力を発揮し、認められる機会を得られない状況を想起させる。

英語ではどのように表現する?

「頭角を現す」を英語で表現する場合は、「目立つ」を意味する「stand out」や、「区別する」を表す「distinguish」を用いた「distinguish oneself」を用いることが多い。その他には、「cut a figure(姿を示す)」などの表現も使われる。

文/oki

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