世界的に人気のGalaxyシリーズには、日本で発売されているスマートフォンを見ても、ハイエンドラインの「Galaxy S」シリーズや、ミドルレンジクラスの「Galaxy A」シリーズなどがあります。そんな中、ひと際異彩を放っているのが、ディスプレイを折りたたむ革新的なスマートフォン「Galaxy Z」シリーズです。
2021年モデルとして発表されたGalaxyの折りたたみスマートフォンが、縦折タイプの「Galaxy Z Flip3 5G」と、横折タイプの「Galaxy Z Fold3 5G」の2モデルです。今回、発売に先駆けで実機の体験会に参加してきたので、早速紹介していきます。
「Galaxy Z Flip3 5G」「Galaxy Z Fold3 5G」はドコモ/auから発売決定!気になる発売日/価格は?
「Galaxy Z Flip3 5G」「Galaxy Z Fold3 5G」の2モデルは、ドコモ/auから2021年10月上旬に発売予定。2021年9月8日から予約を開始しています。これまでのGalaxy Zシリーズはauのみでの取り扱いだったのですが、今回新たにドコモでも取り扱われるのが注目ポイントでしょう。
執筆時点(2021年9月8日)にて2モデルともにauでの販売価格は未定ですが、ドコモでは「Galaxy Z Flip3 5G」が一括払いで14万8896円、「Galaxy Z Fold3 5G」が一括払いで23万7600円となっています。
また、auでは同時に4G LTE通信に対応した最新スマートウォッチ「Galaxy Watch4」の取り扱いも発表されています。
2モデルともにおサイフケータイ機能&防水に対応!
まずは2モデルで共通するスペックについて簡単に紹介していきましょう。今回の大きなトピックはやはり、折りたたみスマートフォンとしては初めて「おサイフケータイ機能(FeliCa)」とIPX8の防水・防塵に対応した点でしょう。
おサイフケータイ機能があると、スマートフォンにモバイルSuicaなどを登録することで、財布を持たなくても対応店舗で買い物ができるようになります。かなり便利な機能なので、新しくスマートフォンを購入するのであれば必須の機能と考えている人もいるはず。折りたたみスマートフォンにも搭載されたのは嬉しいですね。
防水・防塵性能も、外出中に突然雨が降ったりしても比較的安心なため、対応したのはポイントです。キッチン周りでレシピや動画を見たいという人にも嬉しい仕様でしょう。
また、両モデルともに電源ボタンに内蔵されたセンサーによる指紋認証と顔認証に対応。ワイヤレス充電機能も使用できます。名前の通り5G通信も利用可能です。
携帯性抜群! “ガラケー”を彷彿とさせる縦折スマートフォン「Galaxy Z Flip3 5G」
縦折スマートフォンの「Galaxy Z Flip3 5G」は、開いた状態のディスプレイサイズが約6.7インチ。本体サイズは開いた状態で(約)166×72×6.9mm、折りたたんだ状態だと(約)86×72×15.9mmです。
折りたたんだ状態では、当然一般的なスマートフォンの半分程度のサイズ感になるので、胸ポケットに入れて持ち運ぶのも苦にならないでしょう。また、折りたためばメインディスプレイがむき出しになることがないので、“ガラケー”のようにカバーを着けずに持ち運んでも良さそうです。質量は約184gです。
気になるディスプレイの折り目は、パッと見ではわからない程度になっています。じっくり見るとわずかに凹凸があることがわかりますが、使用しているうえであまり違和感は感じられませんでした。
ディスプレイ上下の角度は自由な位置で固定できるため、カメラアプリを使う際には、スマートフォンを平置きした状態で正面から画面を確認することができます。ビデオ通話などの際にも、スタンドを使用する必要がないので便利でしょう。
内蔵メモリは8GB、ストレージは128GBでCPUはSnapdragon 888。ハイエンドスマートフォンとして申し分ない性能でしょう。バッテリーは3300mAhと小さめな印象もありますが、閉じた状態ではほぼ電源を消費しないと考えれば十分なのかもしれません。
アウトカメラは約1200万画素/約1200万画素の2眼構成。インカメラは約1000万画素のシングルレンズとなっています。Galaxyシリーズとしては控えめに感じる人もいるかもしれませんが、折りたたみというギミックに注力し、レンズの出っ張りなどを抑えた製品と考えれば納得でしょう。
スマートフォンとタブレットの融合! 「Galaxy Z Fold3 5G」はSペンにも対応!
横折タイプの「Galaxy Z Fold3 5G」は、開いた状態のディスプレイが約7.6インチとタブレット並みの大画面が楽しめるスマートフォン。折りたたんだ状態では外側に約6.2インチのディスプレイが使用でき、ここからすべてのアプリを起動できるため、一般的なスマートフォンのように使うこともできます。
また、内/外側の両ディスプレイにて120Hzのリフレッシュレートに対応したのもポイント。折りたたんだ状態でも近年のハイエンドスマートフォンと同等のスペックとなっているため、使用感がかなり向上したといえます。
本体サイズは開いた状態で(約)158×128×6.4mm、閉じた状態で(約)158×67×14.4mm。「Galaxy Z Flip3 5G」も同様ですが、開いた状態では一般的なスマートフォンよりもかなり薄くなっているのも特徴です。質量は約272gで、ずっしりとした感覚がありますが、サイズを考えれば妥協するべきポイントです。
手に持った感触としても、重さこそ感じられるものの、開いた状態での薄さや本体折り目の“カッチリ”した作りなどには安定感があります。防水対応なども合わせて、精巧なデバイスであるにも関わらず、ある程度安心して使用できる仕上がりになっているのは驚きでした。
本製品の大きな特徴が、折りたたみシリーズとしては初の「Sペン」に対応した点。大画面にSペンで手書きのメモをしたりイラストを描くのは、これまでのスマートフォンとは一線を画す体験で、使用感としてはタブレットとそん色ない印象です。
アウトカメラは約1200万画素/約1200万画素/約1200万画素の3眼構成、インカメラは約1000万画素、サブディスプレイ側にも約400万画素のレンズが搭載されています。
インカメラは画面下に埋め込まれるような設計になっています。よく見ればカメラの位置が視認できるようになっていますが、動画視聴の際などにはっきりと画面が欠けることがないため、大画面ならではの迫力あるコンテンツ表示を損なわないようになっています。
内蔵メモリは12GB、ストレージは256GBでCPUはSnapdragon 888。バッテリーは4400mAhとなっています。
多くの人に触れてほしい最先端の折りたたみスマートフォン2モデル
「スマートフォンを折りたたむ」といわれてもいまいちピンと来ない人は多くいると思いますが、実機に触れると、高級感のあるデザインや精巧ながら安心感のあるボディ、折りたたむことで得られる新しい体験が満載の2モデルです。
ネックなのはやはり価格になりますが、両モデルともにぜひ多くの人に、 “最新技術”を握りしめてほしいと思わされる仕上がりです。
取材・文/佐藤文彦