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超小型ボディーでFeliCa対応!ユニハーツの3インチスマホ「Jelly 2」はどこまで使えるか?

2021.09.20

■連載/石野純也のガチレビュー

 超小型スマホやQWERTYキーボード搭載スマホなど、ニッチと言われるジャンルを攻める中国発のスタートアップがネットでひそかな人気を集めている。その名はUnihertz(ユニハーツ)。米国のクラウドファンディングサイトにそのプロジェクトが掲載されるや否や、瞬く間に日本のユーザーからの注文が殺到、新モデルを出すたびに販売を伸ばしている。そんなUnihertz社が、日本市場のために本腰を入れて開発したのが、「Jelly 2」だ。

 同モデルのディスプレイサイズはわずか3インチと小型ながら、日本の独自機能であるFeliCaを搭載。手のひらに収まるサイズ感が売りだったJellyの魅力はそのままに、おサイフケータイに対応した。中国のベンチャー企業で、しかも小型の端末がこの機能に対応するのは異例中の異例と言ってもいいだろう。コンパクトゆえに持ち運びやすいため、サブのおサイフケータイ専用端末としても活用でき、使い道が広がった。

 さらに同社は、特徴的なスマホやIoT製品の代理店を務めるFOXと提携。Jelly 2の販路を、家電量販店やMVNOなどに拡大している。MVNOなどでの取り扱いが始まったのを機に、筆者もJelly 2を試してみることができた。ここでは、そんな小型端末ならではの強みや弱みをレビューとして紹介していきたい

待望のおサイフケータイに対応したJelly 2

手のひらに収まるコンパクトさで、厚みがあってかわいらしいデザイン

 Jelly 2は、その小ささがひときわ目を引く。ネット限定で展開していた時から一部のユーザーには注目されていたが、リアルな店舗に置かれていると、そのコンパクトさがさらに強調される。ディスプレイサイズはわずか3インチとフィーチャーフォン並み。手のひらにすっぽり収まるサイズ感で、持ち運びやすさは群を抜く。コロッとした丸みを帯びているため、手にフィットしやすいのもこの端末を評価できるポイント。それもあって、非常に通話しやすい。

右のiPhone 12 Proと比べると、そのサイズの小ささがわかるはずだ

 ただし、サイズをコンパクトにしたトレードオフとして、それなりの厚みが出てしまっている。スペック上の数値は16.5mm。8mmアンダーは当たり前、最薄では7mmを切るスマホも登場していることを踏まえると、一般的なスマホを2台重ねたようなサイズと言える。これは、ディスプレイサイズや縦横の寸法が小さいのを、厚さでカバーしているためだろう。ある程度普通に使えるようにするには、基板やICチップ、バッテリーなどを詰め込まなければならず、コンパクトモデルを薄型化する難易度は非常に高い。

厚さは16.5mmで、コンパクトさと相まってポテっとした印象を受ける

 とは言え、持った時に手になじむのはこの厚みがあってこそ。110gと重さも抑えられているため、重量が増す傾向にある最近のスマホと比べると扱いやすい。パンツの後ろポケットだけでなく、前ポケットにも収納しやすく、気軽に持ち運べる。このサイズ感でも、ボタンやUSB端子、SIMカードスロット、カメラなどのハードウエアは1つも省かれておらず、スマホとして当たり前のように使える点には好感が持てる。

電源キーやSIMカードスロット、USB-C端子はすべて右側面にまとめられている。スマートキーも右に搭載

 ディスプレイは3インチだが、ボディにセンサー式のキーが配置されているため、画面いっぱいにアプリを表示できる。デザイン的には懐かしさを感じるが、小型のため、ソフトウエアキーオンリーはなじまないと判断したのだろう。物理的に押下できるわけではないが、画面上に表示されるソフトウエアキーよりは面積が広く取られており、タッチしやすい。指紋センサーも背面にあって、手に取った時に人差し指が自然に当たる。

Androidでは珍しくなったセンサー式のハードウエアキーを備える

文字入力はしづらい覚悟を。文字は意外と読みやすい

 ただし、コンパクトすぎる端末のため、やはり文字は少々打ちづらい。日本語を入力するための10キーは、キーの数が少ないこともあって比較的きちんと打てるが、QWERTYキーでの入力はハードルが非常に高い。キー1つ1つが、まるで豆つぶのようで、押し間違えることが多々あった。端末を置き、人差し指でポチポチと入力していけば使えないことはないが、太い親指での入力はあきらめた方がいいだろう。10キーにもアルファベット入力モードはあるため、Jelly 2に関しては、QWERTYキーを諦めてしまう手はある。

画面サイズが小さいため、表示できるキーもそれに比例して小さくなる。QWERTYキーはさすがに使いづらい

 当然ながら3インチのため、表示される文字サイズは非常に小さい。一方で、標準の状態でも、文字をある程度きちんと読むことができた。ただし、1画面に表示可能な情報量は少なく、一般的なスマホと比べ、スクロールする回数が多くなることはある。コンパクトモデルのため、一覧性は低くなる点には注意したい。もっとも、Jelly 2はそれを覚悟の上で購入する端末。サイズと可読性や情報量はトレードオフの関係にあるので、あまり気にする必要はないだろう。

文字はある程度読むことができる一方で、1画面に収まる情報量は少ない

 本体の右側面には、電源キーとは別に「スマートキー」が搭載されている。標準では短押しに通話録音、長押しに懐中電灯起動が割り当てられている。ダブルクリックすると、スクリーンショットが保存される。3インチのため、1画面に表示できるアイコンは12個、ドック以外だと9個に限定されるが、よく使うアプリはこのキーから呼び出せるようにしておくといいだろう。利用頻度の高いスマホ決済アプリなどを設定しておくのがお勧めだ。

スマートキーには、3つのアプリや動作を割り当てることが可能だ

 コンパクトな割には扱いやすいJelly 2だが、パフォーマンスも悪くない。チップセットにはメディアテック製の「Helio P60」を採用。解像度が480×854ドットと低いこともあり、レスポンスは悪くない。ハイエンドモデルのようなサクサク感はないものの、それなりに使い勝手がいい端末と言えるだろう。ただし、バッテリーの持ちはあまりよくはない。このクラスの端末としては大きな2000mAhのバッテリーを搭載しているものの、ブラウジングやカメラなどを使うと、残量の減りは速い。

バッテリー容量は2000mAhと大きいが、やはり頻繁に使うと減りは速い

おサイフケータイ対応でカスタマイズもしやすいが、カメラは……

 Jelly 2の最大の特徴と言えるのが、おサイフケータイに対応したことだ。この機能に関しては、一般的なスマホと比べても遜色がない。モバイルSuicaやiD、QUICPayといった必要なアプリはすべてそろっているため、好きなサービスを使って支払うことができる。おサイフケータイは基本的に、アプリを開く必要がなく、カードのようにかざすだけで利用できるため、小型モデルだからと言って不利な点はない。持ち運びやすさまで加味すると、ほかの端末よりおサイフケータイは使いやすいと言えるかもしれない。

おサイフケータイに対応。背面には、おなじみのマークが

 カメラはシングルカメラで、画素数は1600万画素。撮影が売りの端末ではなく、元々期待値は高くなかったが、実際に使ってみるとそれなりに精細な写真は撮れていた。本体で表示すると画面が小さく、写真のディテールまではわからないが、ほかのスマホやPCに送ってから見てみるとまずまずの解像感であることがわかる。ただし全体的に暗く、色も沈んで見える。過度な期待は禁物な一方で、取り回しがよく、サッと撮れるのはJelly 2ならではの魅力と言える。

Jelly 2で撮った写真。解像感は悪くないが、全体的に暗く、色も沈んでいる

 ソフトウエアはカスタマイズできる部分が多く、アプリ履歴と戻るボタンを入れ替えられたリ、充電中やバッテリー不足を知らせるLEDライトの色を選択できたりと、かゆいところに手が届く印象。アプリごとにモバイルデータやWi-Fiを利用するかどうかを選択できる「ネットワークマネジャー」が搭載されているのも、MVNOやサブブランドの低容量プランで利用する際に便利。ストレージも128GBと多く、音楽を持ち運んで音楽プレイヤー代わりにしてもいい。このような基本性能にも手抜きがないのは、評価できるポイントだ。

カスタマイズできる項目が多く、コンパクトモデルならではの工夫ができそうだ

ストレージ容量は128GB。並みのエントリーモデルより大容量なのがうれしい

 さすがに5Gには非対応だが、4GのDSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)で2枚のSIMカードで同時に待受けができるのも魅力。もちろん、VoLTEにも対応している。その小ささゆえに、メインの端末にするのはためらわれるかもしれないが、シーンを選んで使えば、力を発揮する。先に挙げた決済や音楽再生、通話など、特定の場面での使い勝手がいい端末と言えるだろう。どのようなシーンで使うのかを考えるのも、楽しい1台だ。初心者お断りな印象もあるが、扱いやすいサブ端末がほしい人には、お勧めできる。2万5000円前後とミドルレンジモデル並みの価格で販売している点も、高く評価したい。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★
持ちやすさ     ★★★★★
ディスプレイ性能  ★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
生体認証      ★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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