若年男性の4人に1人が「たんぱく質摂取」目的に飲んでいる?
長引く自粛生活の中で食生活に気を遣う人が増えている。特に生活に取り入れやすい健康食品が「ヨーグルト」だろう。
今回、ヒューマン・データ・ラボラトリは「のむヨーグルトの喫食状況」を知るため、数か月に1回以上の頻度でヨーグルトを食べる(固形タイプ以外の飲むタイプも全て含む)全国の男女1000名を対象にアンケート調査を実施した。
長引く自粛生活の中で、「ヨーグルト」を定期的に食べている1000名のうち、 「ヨーグルト」の喫食頻度・量が増加した人は、全体の38.2%だった。また、この38.2%の中で、「のむヨーグルト」を飲む頻度・量が増加した割合をみると、男性20代が約8割(79.0%)でトップとなった。
そこで、「のむヨーグルト」を飲んでいる男性20代にフォーカスを当て、その喫食傾向を分析した結果、 「たんぱく質を摂取する」 ために「のむヨーグルト」を飲んでいる人が多く(27.5%)、全年代を通じて最も割合が高いことがわかった。
「のむヨーグルト」を飲むタイミングについても、「トレーニング・運動後」に飲んでいる割合は、全体に比べて約3倍にのぼった。これらの結果から、手軽なたんぱく質摂取方法として、特に若年男性から「のむヨーグルト」が注目されていることが考えられる。
また、 男性20代が「のむヨーグルト」と組み合わせて飲んでいる食材の第1位は「コーヒー」だった。
この結果を踏まえて、「のむヨーグルト」でたんぱく質を摂取するメリットや、トレーニングにおすすめの組み合わせについて谷本道哉先生に聞いた。
⾕本道哉先⽣(近畿⼤学 ⽣物理⼯学部准教授)
「のむヨーグルト」でたんぱく質を摂取するメリットは?
「のむヨーグルト」には、だいたい200mlで6~7gのたんぱく質が含まれています。固形のヨーグルトと比べても、たんぱく質の含有量や吸収率は、ほとんど変わりませんが「のむヨーグルト」の大きなメリットは、たんぱく質を手軽に摂取できるという点です。「のむヨーグルト」は、スプーンなどを用意することなく、飲みたい時に、
いつでも、どこでも飲むことができ、シーンを問わずにたんぱく質を補給できます。
また、ダイエットをしている人にとっては、「のむヨーグルト」は、脂肪分が比較的低い商品が多いため、太りにくいというメリットもあります。
20代男性が「たんぱく質摂取」のために「のむヨーグルト」を飲む理由とは?
今回の調査では、たんぱく質を摂取することを目的に「のむヨーグルト」を飲んでいる20代男性が多いことがわかりました。たんぱく質は、筋肉を作る材料となる重要な栄養素です。
20代の男性は、「体を鍛えたい」「カッコいい体を作りたい」と考えている人は多いはずなので、おいしくたんぱく質を手軽に補給できる食品として、「のむヨーグルト」を選んでいるのではないでしょうか。また、最近では、女性も健康や美容のために積極的に筋トレをするようになって筋トレ男子を受け入れる空気になり、 “若い男子がこっそり体を鍛える”必要がなくなってきたことも、今回の調査結果に表れているかもしれませんね(笑)。
朝食で不足しがちなたんぱく質を「のむヨーグルト」で補給
朝食では、最低でも10g、理想的には20gのたんぱく質を摂取することが推奨されています。しかし、若い男性は朝食を軽く済ませてしまう人が多く、たんぱく質の摂取量が足りていないと感じています。
とはいえ、朝から肉や魚を食べるのは、若い男性には難しいのも実状です。こうした点から、やはり手軽に摂れる「のむヨーグルト」は、朝食で足りていないたんぱく質を補うのに適しているといえるでしょう。例えば、食パン1枚では、たんぱく質を5g程度しか摂ることができませんが、「のむヨーグルト」を加えるだけで10gを超えてきます。
トレーニング・運動後に「のむヨーグルト」を飲むのは効果的?
トレーニングや運動をした後は、筋肉にたんぱく質を取り込む能力が高い状態になっています。この時に、たんぱく質をしっかり摂取すると、筋肉の合成が高まります。そのため、トレーニングや運動後のタイミングにたんぱく質を摂ることは、筋肉をつくるためにとても重要になります。また、トレーニング・運動後には、エネルギー補給や疲労回復のために、速やかに糖質を摂ることも大切です。
たんぱく質と糖質が含まれる「のむヨーグルト」を、トレーニング・運動後に飲むことは水分補給も含めて理にかなっていると考えられます。トレーニングや運動に励んでいる方は、素早く手軽にたんぱく質と糖質を摂取できる「のむヨーグルト」は、栄養補給の選択肢の一つとしてうまく活用できると思います。
「ヨーグルトとコーヒー」でトレーニング効果がアップ!
今回の調査で、 「のむヨーグルト」を飲用している男性20代が「のむヨーグルト」と組み合わせている食品の第1位は「コーヒー」でした。近年、コーヒーには様々な健康作用があることがわかってきていますが、運動との関連では、コーヒーに含まれるカフェインに脂肪の分解を進める作用があることが報告されています。例えば、運動をする30分~1時間前にコーヒーを飲んでおくと、運動中に脂肪が分解されて使われやすくなり、ダイエット効果の向上が期待できます。
また、カフェインには覚醒作用もあるので、運動時のモチベーションが高まり、楽しくアグレッシブにトレーニングに取り組めるようになります。
そこで、「コーヒー」と「のむヨーグルト」の組み合わせとして、運動をする前にコーヒーを飲んで、運動が終わった後には速やかに「のむヨーグルト」を飲むという方法が、トレーニング効果をアップさせるベストな飲み方ではないかと考えています。
ただし、コーヒーの摂取はカフェインの作用で血圧が上がりやすい人もいますので注意が必要です。
特に血圧高めの人は、血圧計で様子を見ながら適量を把握したほうが良いでしょう。自分の血圧の状態を把握したうえで、無理のない範囲でコーヒーを取り入れるようにしてください。
調査概要
調査期間:2021年6月3日(木)~4日(金)
調査方法:インターネット調査
調査対象:数か月に1回以上ヨーグルトを食べる人 1000名
性別:男性 500名・女性 500名
年代:20代 250名・30代 250名・40代 250名・50代 250名
構成/ino.