最近では写真の自撮りだけでなく、動画の自撮りをしてSNSにアップする行為も日常的になってきた。InstagramやTikTok、YouTubeなどに動画を作ってアップしてみたいと思う人は多いだろう。そこで今回は、入門編として、Instagramの短尺動画「リール」を撮影する手順やコツを紹介する。
Instagramのリールとは?
SNSの中でも、Instagramは、機能がどんどん追加され進化し続けている。今やスマホを触るたびに日常的に開くアプリの一つとなっている人は多いのでは。そんなInstagramの動画投稿機能の一つ「リール」は、写真の投稿とは異なる魅力を感じられる機能だ。
「リール」って何? という人は、Instagramで誰かのページを開いてみよう。リールを投稿しているユーザーのページには、プロフィール下に並ぶタブのうち、動画を表すアイコンがある。そこをタップするとリール投稿一覧が表示される。一つ一つをクリックすると、写真投稿ではなく、動画投稿を閲覧することができる。
リールは、15~60秒の動画で、複数の動画クリップを録画編集して作ることができる。音楽やエフェクトを付けることができ、誰でも簡単に動画作成と投稿ができる。
すでに一般ユーザーからインスタグラマー、企業まで使いこなしているが、そのクオリティはピンから切りまであり、工夫の仕方によっては注目を集める動画を制作できるだろう。
リールの魅力とは?
ところで、リールというと一般ビジネスパーソンは「女子高生が使うものでしょ?」などのイメージを持つかもしれない。しかし、企業やメディアなどはリールをフル活用しており、集客やECへの誘導にも利用しているようだ。具体的には、どんな風に活用しているのか?
今回は、Instagram内のメディア「Sucle(シュクレ) 」にリールについて聞いてみた。
【取材協力】
山同 萌々果氏
2019年株式会社FinT入社。Sucle編集部コンテンツ責任者。累計フォロワー数70万を超える女性向けInstagramメディアSucle(シュクレ) において、コンテンツの編集責任を担当。
Sucle:https://www.instagram.com/sucle_/
FinT:https://fint.co.jp/
編集責任者の山同萌々果氏によると、Sucleでは主におすすめの商品紹介やスイーツ作りの手順などの動画でリールを投稿しているという。リールにはどんな魅力があるのか。山同氏は次の5つを挙げる。
1.写真より雰囲気が伝わりやすい
「リールは、商品の実際の雰囲気が、写真より伝わりやすいです。特にコスメなどはテクスチャーが本当にわかりやすく、参考になります」
2.フォロワーが増えやすい
「メディアの露出機会が高まるため、静止画のみ投稿していた時期よりも、フォロワーが増えやすいように感じています」
3.ユーザーのファン化を促進
「リールでは、アカウントの世界観を動画で伝えられるため、ユーザーのファン化が期待できます」
4.フィード投稿と併用すればリーチしやすくなる
「Instagramのアルゴリズム的に、フィード投稿と併せてリール投稿を行うと、どちらの投稿もリーチしやすくなります」
5.商品の購入リンクが貼れる
「ビジネスアカウントなどのプロアカウントであれば、動画内に商品をタグ付けし、購入ページへのリンクを貼ることができるため、ダイレクトに購入につなげられます」
リールの撮影手順
リールの撮影は、実に簡単。ここで基本の手順を確認しておこう。
1.Instagram内でホームアイコンをタップし、画面左上に表示される自分のアカウントアイコンをタップし、カメラを起動する。
2.画面下にある「投稿」「ストーリーズ」「リール」「ライブ」から、リールを選択。
3.画面下中央の丸い撮影ボタンを押せば撮影スタート。もう一度押すと撮影終了。
4.動画を撮る前に、画面左側に一列に並んでいるアイコンを選択すると、BGMやエフェクトなどを付加して撮影ができる。
音符のアイコン:BGMを選べる。
30のアイコン:動画の撮影秒数。15秒、30秒、60秒が選べる。
1×のアイコン:撮影する速度。2倍速、3倍速などが選べる。
キラキラのアイコン:エフェクト。丸い撮影ボタンを左にスクロールすると選べる。
棒のアイコン:タッチアップ。明るさを補正できる。
タイマーのアイコン:撮影する秒数を指定できる。その秒数になったら自動で撮影が止まる。
5.動画の撮影が終了したら、丸い撮影ボタンの右に表示される「プレビュー」ボタンをタップする。
6.撮影した動画を編集する画面になるので、好みでスタンプやテキスト、手書き文字やイラストを追加する。
7.編集が終わったら、右下の「次へ」ボタンをタップ。キャプションやカバー写真を選択して「シェア」ボタンを押せば投稿できる。投稿せず、下書き保存しておくことも可能。
リールの撮影中のコツ5つ
山同氏によると、Sucleでリール動画を撮るときには、店舗などの現地に撮影に行ったり、各編集者が家でインテリアやおうち時間、お菓子作りのレシピを1-2人体制で撮影したりしているという。
事前に行う企画ミーティングでは、コンテンツの提案の他に、はやりの手法、例えばカット方法やフィルター(エフェクト)、BGMなどについても議論を行うそうだ。
そこで、リール撮影時のコツを伝授してもらった。
1.舐め撮りのときはゆっくりと動かす
「対象物を舐めるように撮影する、舐め撮りの際は、手ブレを防止するために、スマホをゆっくりと動かします。こうすると編集のときに速度を早めても違和感がなくなります。逆に早く撮ったものをスローにするとぶれたり画質が落ちたりします」
2.BGMのリズムに合わせる
「使用したいBGMが決まっている際には、リズムに合わせて、見せたいシーンが来るように撮影します」
3.各投稿のトンマナをそろえる
「トンマナをそろえるため、必ず自然光での撮影を心がけています」
4.全体像を撮っておく
「サムネイルにする画を確保するため、必ず全体像の映像や静止画を撮ります」
5.同じシーンを何パターンか撮影しておく
「同じシーンを、画角や明るさを変えて何パターンか撮影し、ストックしておきます。使わなかったとしても、何かに使える機会が生まれることもあります」
リールの撮影時に気を付けていること
リールの撮影時には、こんなことにも気を付けているそうだ。
「テロップ無しで1シーン2秒以上だと長く感じるため、カットや速度変更で調整しています。また、撮影の対象物がリールの画面でキャプションやアイコンなどとかぶらないような配置にするように考慮しています」
リール動画は、ただ撮影するだけでなく、あとからスタンプやテキストなどを追加して編集できるのが魅力。それを踏まえた撮影を行うのもポイントといえそうだ。
リール動画をまだ撮ったことがないという人は、ぜひトライしてみよう。
取材・文/石原亜香利