DIME MAGAZINE
レイヤード（layered）は、英語で「重ねた」「層をなした」という意味を持つ言葉。「レイヤー」といえば、上下の髪の長さを変えて、段差を作る髪型の「レイヤーカット」や、パソコンの画像処理ソフトで使われる用語の「レイヤー」を思い浮かべる方も多いかもしれない。しかし、本記事ではファッション・アパレル業界で使われる「レイヤード」について、意味やコーディネートの作り方を紹介したい。おしゃれを楽しみやすい秋冬にはぴったりのレイヤードスタイル、ぜひこの機会にチェックしてほしい。
「レイヤード」の意味
まず、ファッション業界における「レイヤード」の意味を解説する。具体的なレイヤードスタイルの例も紹介するので、どのようなファッションを指すのか、ぜひイメージしてほしい。
ファッション用語のレイヤードは重ね着のこと
ファッション業界で使われるレイヤードは、服をおしゃれに着重ねる、いわゆる”重ね着”スタイルのこと。レイヤード単体でも意味は通じるが、一般的には「レイヤードスタイル」や「レイヤードコーディネート」という形で使われることが多い。レイヤードスタイルが流行し始めたのは、1960年代後半～1970年代前半頃とされており、現代ではおしゃれな着こなしの定番となっている。
どんなコーディネート？
レイヤードスタイルは、単なる防寒のための重ね着とは異なり、中に着た服との丈や色、素材の違いや組み合わせを楽しむもの。レイヤードスタイルでの服の重ね方には、特に決まったルールはないが、時代ごとにトレンドを取り入れた定番の着こなし方が存在する。より具体的にイメージできるように、コーディネート例をいくつか紹介しよう。
【レイヤードスタイルの例】
・シャツの上にニットベストを重ねる
・短い丈のアウターの下に長めの丈のTシャツを着る
・大きめのカットソーやパーカーの下に襟付きのシャツを着て、首元から中に着たシャツの襟があえて見えるようにする
・透け感のある素材の服の下に、発色のきれいなインナーを着る
ここで挙げた以外にも、レイヤードスタイルのバリエーションはさまざま。また、特にレディースのアパレルブランドにおいては、1枚で重ね着風に見えるデザインが特徴の「レイヤードトップス」と呼ばれる服も販売されており、重ね着をしなくても楽しめるレイヤードスタイルも浸透してきている。
今、レイヤードスタイルが支持される理由は？
冒頭でも触れた通り、レイヤードスタイルが初めて流行したとされているのは1960年代後半以降。では、レイヤードスタイルが現在に至るまで支持され続ける理由は何だろうか。ここでは、主な人気の理由を2つ紹介する。
手持ちの服を着まわせる
一つ目の理由として挙げられるのが、手持ちの服を着まわしやすい点。レイヤードスタイルは着重ねる洋服の組み合わせを変えることで、何通りものコーディネートを作れる。そのため、自宅の収納スペースが狭い人や、あまり手持ちの洋服を増やしたくない人でもおしゃれを楽しみやすい。ファッション雑誌の誌面でよく見られる「着まわし特集」でも、レイヤードスタイルを取り入れた着こなし例が紹介されている。
気軽にトレンドを取り入れやすい
旬のトレンドを簡単に取り入れやすい点も、レイヤードスタイルが人気を集める理由の一つ。ファッションの流行は日々目まぐるしく変化する。しかし、トレンドを追うためシーズンごとにクローゼットの中身をすべて新しいアイテムに入れ替えるのは、現実的には難しいもの。レイヤードスタイルなら、手持ちの服にトレンド感のあるアイテム一つを上手く合わせることで、一気に旬のスタイルに仕上げることもできる。
レイヤードスタイルをおしゃれに見せるポイント
最後に、レイヤードスタイルをおしゃれに見せるためのポイントを紹介する。ここで紹介する3つのコツ・考え方を押さえて、コーディネートを楽しんでほしい。
インナーは薄手のものを選ぶ
まず、インナーは薄手のものを選ぶのが基本。中に着る服が厚手のものだと、どうしても着膨れしやすく、どことなく野暮ったい印象を与えてしまう。特に、秋冬にレイヤードスタイルを取り入れる時には、防寒対策の重ね着とは差を付けられるように気を付けたい。
裾丈に差を出す
2つ目のポイントは、裾丈に差を出すこと。裾丈が短めのジャケットやニットの下に、丈が長めのシャツやインナーを合わせることで、中に着た服の色や柄を見せるレイヤードスタイルの作り方だ。裾丈に差を出すコーディネート方法は、初心者でも比較的再現しやすい。いつものコーディネートにマンネリを感じたら、ぜひ丈の長さの違う服同士でいろいろな組み合わせを試してほしい。
異素材ミックスの上級テクも
最後に紹介するのは、異素材をミックスさせる、少し上級者向けのおしゃれテクニック。例えば、コットンのシャツにニットベストを重ね着するのは、分かりやすい異素材ミックスだ。慣れてきたら、シースルー素材の服の下に発色の良いインナーを合わせて透け感を楽しむなど、おしゃれ上級者のコーディネートにも挑戦してみよう。
文／oki
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