乗りやすさ、高い耐久性、汎用パーツの豊富さもNo.1。ある程度スピードが出せ、ギア比もコンフォート。通勤プラスαの世界も広げられる最もバランスの良いコミューターこそクロスバイクだ。
一般に走りやすい舗装路が大半とはいえ、中には坂道などのアップダウンや、信号でのストップ&ゴーも多い都市部の道路。そんな通勤路の万能選手がクロスバイクだ。
ロードバイクより太く、MTBよりは細いタイヤを装着し、変化する路面でも安定性と、快適な乗り心地を確保。ビギナーにとっては、操作しやすく、ラクな姿勢がとれるフラットバーハンドルや、幅広い速度域をカバーする変速ギア、さらに比較的リーズナブルな価格で導入できることも選択の後押しになるだろう。
そんなクロスバイクも現在は多様化の時代に。ロードバイクと遜色ない走りを追求した「フラットバーロード」といわれるモデルや、MTBばりの太いタイヤを履いたアウトドア系モデル、カスタマイズのための拡張性を重視したモデルなど、通勤だけでなく、趣味でも使える要素が強く打ち出されている傾向にある。
ちなみに、通勤などの実用目的では、キャリアや泥よけなどを後付けできるネジ穴=ダボ穴の有無もチェックを。一般的なクロスバイクではおおむね装備されているが、走り重視のモデルでは省略されている場合も多いので、確認を忘れずに。
山下晃和さん
モデル業に加え、トラベルライターとしても活躍。旅をライフワークにし、自転車で22か国、3万3191㎞を駆けた経験を持つ。
選び方のポイント
1・ラクな乗車ができるハンドル、フレームサイズであるか
2・アフターパーツが取り付け可能か(ダボ穴のチェック)
3・通勤+αの楽しみを感じられるモデルであるか
走行性&実用性のバランスが絶妙
ルイガノ『セッター9.0 DISC』
7万2600円
カナダ発の人気ブランド、ルイガノの最新モデルは、制動性に優れたディスクブレーキをはじめ、駆動系パーツがすべてシマノ製。通勤車に便利なスタンド、泥よけなどの装備可能なフレーム設計で、拡張性も高い。
【SPEC】
フレーム:アルミニウム
タイヤサイズ:700×28C
変速数:3×8速
コンポーネント:シマノ ALTUS
重量:11.7㎏
前後にシマノ製ディスクブレーキを搭載、雨の日でも安心して走ることができる。
〈YAMASHITA’S REVIEW〉
コスパ ★★★★☆
走行性 ★★★★★
デザイン性 ★★★☆☆
洗練されたフレームカラーや、豊富なオプションパーツで通勤スタイルをバージョンアップできます。
コスパ抜群の快速アーバンクロス
MIYATA『カリフォルニア スカイ C』
5万4780円
アルミフレームの正統派モデルは、フレームサイズを3種類展開し、体に合うサイズが見つけやすい。滑りにくい樹脂製ペダルに21段変速、28㎜というクロスバイクの中では細めのタイヤで、スピードに乗った走りができる。
【SPEC】
フレーム: アルミニウム
タイヤサイズ:700×28C
変速数:3×7速
コンポーネント:シマノ Tourney TX
重量:12.5㎏
〈YAMASHITA’S REVIEW〉
コスパ ★★★★★
走行性 ★★★☆☆
デザイン性 ★★★☆☆
走りを追求したロードタイプクロス
メリダ『GRAN SPEED 300-D』
12万9690円
フレームにアルミ、フロントフォークにカーボンを使用したハイブリッド仕様。前後の油圧ディスクブレーキに、シマノの上級ディレーラー・TIAGRAを採用し、中距離通勤も苦にしないワンランク上の走りを実現している。
【SPEC】
フレーム:アルミニウム
タイヤサイズ:700×32C
変速数:2×10速
コンポーネント:シマノ TIAGRA
重量:9.9㎏(SMサイズ)
〈YAMASHITA’S REVIEW〉
コスパ ★★★☆☆
走行性 ★★★★★
デザイン性 ★★★★☆
価格は高めですが、パーツ類はじめ、ロードバイクに限りなく近いスペックで満足度の高い1台。
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
取材・文/山下晃和