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『短絡的』という言葉の意味を正確に知っていますか?なんとなくネガティブな意味を持っていると分かっているだけで、雰囲気で使っている人も多いかもしれません。短絡的の 意味や使い方、類義語を紹介すると同時に、短絡的な人の特徴や思考も解説します。
短絡的の意味
『短絡的』という言葉を間違えて使ってしまうと、相手の気分を害すことになってしまいます。言葉を正しく使うためにも、まずは短絡的の正確な意味を知りましょう。
深く物事を考えないこと
『短絡的』とは、「物事を深く考えず、すぐに原因と結果を結び付けてしまうこと」です。
もともと『短絡』は、電気のショートを表す電気工学用語です。例えば、回路を無視してバッテリーのプラスとマイナスを直接つなげると、電気回路は誤作動を起こしたり破損が生じたりします。
その様子になぞらえて「結果や過程に考えを巡らせることなく、結論を急ぐこと」を、ネガティブな意味を込めて『短絡的』と表現するようになりました。思慮が浅く、せっかちな印象があるため、人に使う場合には注意が必要です。
短絡的の使い方とは
短絡的という言葉は、人や思考、物事に対して使用します。『結論を急いだ結果、失敗している』というニュアンスが含まれているので、よい意味として使用されることはなく、会話に使用する場合には注意が必要です。
例えば、『短絡的な考え』『短絡的な人』といった場合には、「あまり深く考えていない」「(悪い意味で)単純な人」といった否定的な意味になります。
「考えるスピードが速い」「単純明快でよい」といったプラスな意味は含みませんので、くれぐれも間違わないようにしたいものです。
短絡的な人の特徴や思考
周りに『短絡的』と言われる人には、性格や思考に共通の特徴があります。自分の行動や思考パターンを振り返りながら、短絡的な人の特徴や思考について見てみましょう。
周りの言葉に耳を貸さない
短絡的な人は自分に自信を持っているため、人の話をあまり聞かないことが多いようです。自分の思い付きや考えを盲信する傾向があり、せっかくの周りのアドバイスも耳に届きません。
自信満々で物事を決定し押し進めますが、周りからの支持があまり得られないことも多いでしょう。
自信を持って行動すると、よい結果に結び付くことも多いのですが、客観的な視点に欠けるため失敗も増えてしまいます。
時には周りの言葉に耳を傾け、自分の考えに照らし合わせてみるなど、熟考することも大切です。
楽観的な性格
何事も楽観的に考える性格の人も、短絡的な思考に陥りがちといえます。
常に「なんとかなるだろう」と考える人は、失敗したときのリカバリー方法について考えることはありません。そのため、慎重な人にしてみれば『何も考えずに決断している』ように映るでしょう。
楽観的な性格には、明るく前向きといったポジティブな部分も目立ちますが、準備を怠ったがためのミスが多くなるといったネガティブな面もあります。
仕事の際などは『万が一の事態に備えることができているか』についても考えてみるとよいかもしれません。
計画的に行動しない
短絡的な人は計画を立てることをせず、思い付きで行動することが多いようです。
発案から実行までのスピードが早いためよい面もありますが、言葉の由来通り途中の行程や計画をすっ飛ばしてしまうため、周りに迷惑をかけてしまいがちともいえます。
特に、仕事などチームで行動するときは、丁寧に計画を立て、全員で共有することが大切です。
思い付きで動いて周りに迷惑をかけていないか、自分の突拍子もない行動で誰かの邪魔をしていないかなど、落ち着いて周りを見渡す視点を持つことが必要です。
短絡的の類語も紹介
短絡的と同じような意味を持つ単語は、ほかにもいくつかあります。混同されがちですが、実はそれぞれに微妙にニュアンスが異なります。
類語についても知り、スマートに使い分けましょう。
浅はか
『浅はか』とは、「考えが足りないこと」を意味しています。『よく考えておらず、考えが足りない』という点では、短絡的と同じような意味を持ちますが、全く同じ意味ではないことは押さえておきましょう。
『深く考えることなく、原因から結論を出すこと』は短絡的と言いますが、浅はかの場合は原因と結果を結び付ける意味を含んでいません。そのため視点は一方通行で、単純に深く考えていない場合に使用するのが正しい使い方です。
『浅はかな考え』『浅はかな知識』など、軽薄さのニュアンスも含んでいます。
安直
『安直』とは、「手軽でいい加減な様」を表す言葉です。物事を深く考えることなく、思い付きだけで行動しているときや、表面だけを見ていい加減な答えを出したりしているときに使用します。
『安』という漢字が入っていることからも分かるように、『考えや行動が安っぽい』『安易である』ということです。この言葉が自分に向けられた場合は、物事を表面的にしか捉えられていない、いい加減なことをしていると批判されていると考えてよいでしょう。
『安直な方法』『安直な理由』など、丁寧に準備されていない『考えの甘さ』が感じられます。
構成/編集部