スパイに憧れる中二病は必見!
2021 年1月20日より配信中のNetflixオリジナルシリーズ『スパイ技術の極意』は、謎に満ちたスパイの世界を紹介するドキュメンタリー番組。
大昔から用いられてきたハニートラップから最先端の科学技術まで、様々な映像資料や専門家インタビューを交えながらスパイの歴史を解説する。
各エピソード約30分と程よい長さなので、気軽に集中して楽しめる。
あらすじ
各国が長きに渡って築き上げてきた諜報技術の秘密に迫る。
情報収集のための盗聴に活用される『最先端監視技術/空中監視』、周囲に気づかれることなくターゲットを静かに殺すための『猛毒』、“生身の人間が持つ最大の武器”である色気を使って説得・脅迫する『性的諜報活動』、極秘情報を守るための『暗号解読』、採用活動の裏側を明かす『スパイ採用』など、全8話。
見どころ
ジェームズ・ボンドやイーサン・ハント、そして日本の忍者……現実でもフィクションでも、人々の心を魅了してやまない存在であり続けてきたスパイ。
厳しい訓練によって身につけた高度な諜報技術を駆使、静かに敵に忍び寄る。
変幻自在、そして誰もその本当の素顔は知らない。
強靭な心と肉体を持ち有能でありながら、何とも言えない哀愁と悲壮感が漂っている孤高の職業……。
スパイに憧れている中二病患者にとっては、だいたいそんなイメージかもしれない。
しかし実際には、スパイを志す動機や経緯は一人ひとり異なる。
愛国心や政治的信念を持って応募する者もいれば、お金目的で自国の機密情報を敵国に売り渡す者も。
本作では、様々なテーマからスパイの歴史や実態について詳細に掘り下げている。
ところでハニートラップというと“マタ・ハリ”など女性スパイのイメージが強いかもしれないが、本作では冷戦時代に東西ドイツ間で行われたイケメンスパイ軍団による“ロミオ作戦”も紹介しており、とても興味深い。
“ロミオ作戦”は、東ドイツの諜報機関シュタージの長官マルクス・ヴォルフという人物によって指揮された。
西ドイツ側の政府機関で働く女性秘書を魅力的な男性スパイが誘惑し、機密情報を入手するというものだ。
寂しい女性を狙ったロミオたちの甘い誘惑は、大成功をおさめた。
スパイのハニートラップにはまった人々の多くは、騙されていたことに気づいた後でさえ、なかなか恋心を捨てることができないそうだ。
“恋”という武器が、いかに強力なのかを物語っているエピソードと言える。
ヴォルフ氏が主張していた“人を動かすには脅すより恋させろ”というメソッドは、商売や人間関係など他の分野においても効果的だとは思った。
Netflixオリジナルシリーズ『スパイ技術の極意』
独占配信中
文/吉野潤子