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不動産取得税とは?支払い方法と覚えておきたい軽減措置の条件

2021.10.07

土地や建物といった不動産を取得したとき発生するのが、不動産取得税です。金額が大きくなりがちな税金ですが、軽減措置を適用すれば支払う金額を抑えられます。不動産取得税とは何かとともに、2024年までの取得で使える軽減措置を見ていきましょう。

不動産取得税とは?

不動産取得税は都道府県に納める『地方税』の一つです。具体的にどのようなケースで納付義務が発生するのでしょうか?基本的な計算方法と併せて解説します。

土地や建物を取得したときに納める地方税

『不動産取得税』とは名前の通り、土地や住宅の購入・贈与によって不動産を取得したとき手に入れた人が支払う税金です。

家の新築はもちろん増築した場合も『不動産の取得』と見なされて課税の対象になります。

有償・無償や登記の有無にかかわらず納付義務が発生するため、不動産を購入したり譲り受けたりしたときは基本的に納付が必要と考えましょう。

不動産取得税は各都道府県が課税する地方税の一種で、支払う必要があるのは一度だけです。ただ、取得した土地と建物に対して個別に課税されるため、合計すると高額になる場合もあります。

軽減措置を利用すれば支払う金額を減らせる可能性もあるため、使える制度をよく確認しておきましょう。納付する期限は納税通知書に記されており、都道府県によって異なります。

参考:総務省|地方税制度|不動産取得税

不動産取得税の計算方法

不動産取得税は土地・建物のどちらであっても『課税標準額×税率』で計算されます。

金額を算出するためにはまず、取得した不動産の価格となる『課税標準額』を正しく把握しなければなりません。

新築・増築された建物を除いて、固定資産課税台帳に登録されている価格が正式な不動産の価格とされています。

課税標準額は『固定資産税評価額』ともいわれ、実際の購入価格とは金額が異なるため注意が必要です。

土地や建物の課税標準額が『免税点』として決められている金額を下回っているときは、不動産取得税は課されません。

不動産の種類ごとに定められている免税点は以下の通りです。

  • 土地:10万円
  • 住宅としての家屋(新築・増築・改築):23万円
  • 家屋(その他売買等):12万円

免税点以上の土地・住宅として使う家屋を2024年までに取得した場合、税率は3%です。本来は4%ですが、取得の期限を定めて軽減税率が適用されています。

参考:不動産取得税 | 税金の種類 | 東京都主税局
参考:都税:不動産取得税 | 都税Q&A | 東京都主税局

不動産取得税の軽減措置が2024年まで延長

(出典) photo-ac.com

2021年現在は新型コロナウイルスが経済に大きな影響を及ぼしている背景を受けて、住宅を取得しやすいよう税金が軽減されています。

不動産取得税の軽減税率について深掘りするとともに、節税に役立つ特例も見ていきましょう。

土地や住宅に適用される軽減税率

リーマンショック以降、国内での土地取引件数は長期的に低い水準が続いています。さらに、2020年に流行が始まった新型コロナウイルスによる不況で、不動産を取得する人が減少しました。

経済が停滞する中で土地取引を活発化させるために執られた措置が『軽減税率の適用』です。当初は2021年3月31日までに取得した不動産に対してのみ、本則税率の4%を3%とする軽減税率を適用する予定でした。

しかし、コロナ禍が経済に及ぼす影響が長期化している現状から、取得の期限が3年間延長されて2024年3月31日までとなったのです。

土地か住宅に使う家屋であれば、無条件で軽減税率が適用されます。不動産の購入を考えているなら、2024年までに買った方が節税につながるでしょう。

参考:不動産取得税 – 神奈川県ホームページ

宅地における「課税標準額」を1/2にする特例

2021年現在は軽減税率だけでなく、『宅地』を取得した際にかかる課税標準額を半分にする特例も実施されています。宅地とは、建物が建っている土地や建物の敷地として使われる土地のことです。

宅地に関する特例も2024年までの取得に延長されています。

また、長期間にわたって住み続けられる『長期優良住宅』を普及させるための措置も執られています。長期優良住宅は構造や設備に長く利用できるような工夫が見られる住宅です。

行政庁に申請して長期優良住宅の基準を満たしていると認定されれば、優遇措置を受けられます。控除が増額されるため制度を活用してみましょう。

参考:住宅:長期優良住宅のページ – 国土交通省

軽減措置の適用要件

(出典) photo-ac.com

住宅や土地にはそれぞれ、軽減税率や宅地に関する特例の他にも軽減措置が設けられています。

新築・中古の住宅や土地の取得で適用を受けるには、どのような要件を満たせばよいのでしょうか?

申請する方法も確認しておきましょう。

新築住宅の場合

新築の建物を手に入れた場合、要件を満たせば固定資産税評価額から最大で1200万円が控除される制度があります。

課税対象となる額が1200万円減れば、1200万円×3%(2024年までの取得)で最大36万円も節約が可能です。

適用の要件は以下の通りです。

  • 建物が住宅として使われる(居住用である)こと
  • 住宅の延べ床面積が50~240平方メートル(貸屋で一戸建て以外なら40~240平方メートル)であること

延べ床面積にはマンションの共有部分や、車庫などのスペースも含まれています。増築や改築を行った際にも軽減措置が適用されるため、要件に該当しているかどうか確認しましょう。

長期優良住宅と認められた場合には控除額が1300万円まで増えます。ただし、住宅の価格が控除額より低い場合は住宅の価格が控除の上限です。

参考:不動産取得税の軽減について/千葉県

中古住宅の場合

前提として、中古の住宅を取得したときも新築住宅と同様の要件が必要です。

さらに、中古住宅の場合は建てられたのが1982年より前か後かで、適用の要件が変わってきます。

1982年1月1日以降に建てられた住宅は現在も使われている『新耐震基準』を採用しているため、耐震性を証明しなくても時期ごとに決められている控除額が適用されます。

しかし、1982年以前に建てられた建物であれば、改修によって現在の耐震基準を満たしている証明が必要です。新築住宅の要件に加えて新耐震基準に適合していると証明できた場合のみ、控除を受けられます。

控除額は新築に近いほど額が大きくなるのが特徴です。1997年4月1日以降に建てられたなら、新築と同じく1200万円の控除が受けられます。

1989年4月1日から1997年3月31日であれば1000万円で、それ以前は建てた日付が古くなっただけ段階的に控除額が減る仕組みです。住宅の価格が控除額を下回っている場合、控除額の上限は住宅の価格とされます。

参考:道税の軽減(不動産取得税の軽減措置)耐震基準適合既存住宅・中古マンション – 総務部財政局税務課

土地の場合

新築で土地に対する控除を受ける場合、不動産取得税の計算方法は住宅と異なります。

土地を取得した際の税額は『{(固定資産税評価額×1/2)×税率3%}-控除額』となり、控除の金額が最後にマイナスされるのです。

土地に適用される控除の額は、以下のどちらか多い方となります。

  • 4万5000円
  • (1平方メートル当たりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積×2)×3%

課税床面積の上限は200平方メートルです。固定資産税評価額(課税標準額)が半分になる特例と3%の軽減税率は、2024年3月1日までに取得した土地にのみ適用されます。

適用の要件は以下の通りです。

  • 土地を取得して3年以内に建物を新築する
  • 新築から1年以内にその土地を取得する

建物自体も新築の要件を満たす必要がある点にも注意して、自分のケースで適用されるか判断しましょう。新たに土地を取得して家を建てる場合は、建物・土地それぞれの控除額を計算します。

参考:都税:不動産取得税 | 都税Q&A | 東京都主税局

軽減措置の申請方法

不動産取得税の軽減措置を受けるには、取得から原則60日以内に申請を行う必要があります。

『不動産取得税課税基準の特例適用申告書』という書類を土地と建物に対してそれぞれ用意しましょう。

申請の際、他に必要となる書類は以下の通りです。

  • 納税通知書
  • 土地と住宅の売買契約書
  • 住宅の登記事項証明書または登記謄本

申請の際は印鑑も用意します。軽減措置を利用しなければ多額の不動産取得税を支払うことになるため、要件に当てはまる場合は期限内に申請を済ませましょう。

参考:不動産取得税 | 申請様式 | 東京都主税局

不動産取得税を支払う時期や方法は?

(出典) photo-ac.com

不動産取得税を払うタイミングはいつなのでしょうか?時期の目安や支払いの方法についても説明します。

時期は取得方法や自治体によって異なる

不動産取得税を支払う時期としては、3カ月~半年がおおよその目安です。

明確にタイミングが決められているわけではなく、住んでいる自治体によっても違いが出てくるため、まずは納税通知書が届くのを待ちましょう。

取得方法によっては計算に時間を要する場合もあり、通知書が届くまでに1年ほどかかるケースもあります。新築では評価額を決定するのに時間がかかるため、翌年の課税になることも珍しくありません。

支払いについて疑問があれば、自治体の窓口やホームページで確認しましょう。

注文住宅では先に土地の納税通知書が来る

建築会社に設計を依頼する注文住宅では、まず土地を購入してから建築を開始するのが一般的です。そのため、土地に対する納税通知書が建物の分より先に届く場合があります。

土地を取得した時点では建物が完成していません。家が出来上がるまでは土地に対して軽減措置が適用されず、高い税額で通知書が届きます。

しかし、不動産取得税の支払いは1回のみです。都道府県税事務所に連絡すれば、住宅が完成して軽減措置が適用されるまで支払いが猶予されます。

土地の取得から3年以内に住宅を新築すると軽減措置が適用されるため、工事が終わってから軽減措置の申請をすれば大幅に税額を抑えられるでしょう。

参考:不動産取得税/千葉県

不動産税を納付する手順

土地や住宅を取得したら、まずは都道府県税事務所に申告しましょう。申告書は窓口やホームページで入手できる他、自治体によっては自動で申告が行われることもあります。

不動産を取得してから基本的に60日以内には、不動産がある自治体の税事務所に申告を行わなければなりません。

申告をしなかった場合、地方税法によって10万円以下の過料を科される可能性があります。不動産を手に入れたら正しく申告しましょう。

申告書の提出期限は各都道府県によって異なります。自治体によっては登記が完了してから20日以内に提出しなくてはならないため、早めの準備が大切です。

参考:地方税法 第73条の18 1項・73条の20|e-Gov法令検索

軽減措置の手続きを忘れたときは還付請求を

(出典) photo-ac.com

軽減措置の手続きが期限に間に合わなかったときは、還付請求によって後から減税する方法もあります。

還付請求を行う方法についても、可能な条件や手順を押さえておきましょう。

還付の申請ができるケースと期間

軽減措置が受けられる要件を満たしていたにもかかわらず、転居に関わる作業が忙しく、手続きを忘れてしまう人も多いでしょう。

申請が間に合わず一度は高額な税金を支払うことになっても、後から還付を受けられる可能性があります。

不動産取得税は取得から5年以内であれば還付請求が可能です。都道府県税事務所の窓口に申請すると、払い過ぎた分の税金が還付されるのです。

また、もともと所有していた土地に建物を新築した場合、不動産取得税は住宅にのみ課税されます。しかし、軽減措置は土地の要件を満たしていれば、すでに所有していた土地にも適用され還付される仕組みです。

既存の土地に家を建てた場合は、土地の要件も確認して還付を受けられるか確認しましょう。

参考:地方税法 第18条の3|e-Gov法令検索

還付に必要な書類や提出方法

不動産取得税の還付請求をするには、まず各都道府県のホームページや窓口で『不動産取得税還付請求書』を入手します。他に必要な書類に押印の上、都道府県税事務所に提出しましょう。

代表的な必要書類は以下の通りです。

  • 登記簿謄本などの登記事項証明書
  • 売買契約書の写し(売買代金領収証)
  • 各階の平面図
  • 取得者の口座番号が分かるもの
  • 不動産取得税納税通知書兼領収証書

書類の中にはコピー可・原本のみのどちらもあり、自治体によって異なります。必要書類自体も都道府県によって変わってくるため、ホームページをチェックして書類をそろえましょう。

構成/編集部

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